化身 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
3.42
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本棚登録 : 92
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488410117

感想・レビュー・書評

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  • タイトル縛り9作目、「け」。
    個人的にデジタルデジタルしていない作品が好きで
    この作品もおそらく平成初期頃を舞台として書かれている。

    ミステリーは大好きなのだけれど
    トリックにはさほど興味がなく
    ひたすら雰囲気を楽しんだ1冊でした。

  • 展開が気になりすぎて、推理そっちのけで読んでしまいました…
    でも、なんだか読後感はすっきりしない。
    面白かったことは面白かったのだけれど、坂崎先輩の正体(?)の蛇足感とか、真相に関わってくる女性の唐突感(所々ざっくり読みのせいかもしれないが)とか、度々突っ込まれる恋愛未満要素のテンプレ感とか、インド神話の無理やり感とか…
    なんだか、本格的なミステリーとライトノベル的要素とその他もろもろがアンバランスに織り込まれている感じで、しっくりこない。
    せっかくの謎解き編も、供述文書だし…
    「そういう書き方もありかなー」とも思う一方、中盤までの描写がよかっただけに、なんだか簡単に済まされた感があって、拍子抜けしたというか、物足りないというか…
    ストーリーやトリック(というか着想?)はとても面白かったので、他作品、読んでみます。

  • 主人公が1歳の頃の記憶をめちゃくちゃ正確に記憶しています。才能でしょうか。
    全体の流れは面白かったのですが、主人公が徐々に思い出していく系の小説は、どうしても読み手に騙された感を抱かせますね。

  • 読んだ瞬間に作品の世界に引き込まれました。
    戸籍についてわかりやすく書かれていたので良かったです。
    途中坂崎先輩を疑ってしまいました。笑
    2014.4.19

  • 4-

  • 両親をなくした大学生・人見操の元に、差出人不明の封書が届く。中には保育園らしき場所を写した写真と、インド風の1枚の絵の写真。次いで見知らぬ少女のポートレートも届き…。不審に思い、大学の先輩である坂崎の力を借りて調べると、その保育園では園児誘拐事件があった。その被害者が自分によく似ていることから、自分の両親は誘拐犯だったのかという疑惑が生じ……。

    愛川晶、3冊目。今のところハズレなしだ。どれも驚かされている。『六月六日生まれの天使』にうならされたのはだいぶ前のことなのだが、なぜか他の作品には手を出していなかった。

    出生の秘密と過去の誘拐事件、そして戸籍制度を巧みに利用した真相。日本の戸籍制度とはこんなにネタの宝庫だったのか。初めて知ることも多く驚きの連続だった。純粋な大学生が主人公なので、清々しいハッピーエンドも似つかわしい。

    強いて難を言えば、インドの絵画や神話のエピソードは必要だったのだろうか。なくても良いように思うのだが。チベット仏教をうまく取り入れた『七週間の闇』を読んだ直後だったので余計にそう感じるのかもしれない。

    愛川晶の本をまとめ買いしたのでこの機会に一気に読みたい。この作家のまだ読んでいない作品がたくさんあることが嬉しく、楽しみだ。こんな気持ちになるのは久しぶり。

  • たった一人の肉親であった父を亡くし、
    天涯孤独の身の上となった主人公。

    それでも親身になってくれる隣人や
    仲の良い親友に支えられ、悲嘆する
    ことなく過ごしていた。

    しかしそんなある日彼女の元に
    1通の封書が届く。
    中から出てきたのは2枚の写真。

    写真に記憶を刺激された彼女。
    自分が両親の過去を殆ど知らない事にも
    気付き不安にかられていく。

    親友のアドバイスによりサークル仲間の
    協力を得ることになった彼女は、写真の
    送り主と両親の過去を調べ始める。


    自分探しミステリ。
    真相の予想(トリックも含めて)が
    こんなに当たったのは久しぶりだ・・・。

    主人公はともかく、探偵役の坂崎の
    キャラ立ちが良くて好ましかった。
    彼のシリーズとかあったら読むのに。


    真相の説明が真犯人の供述調書
    (しかもやたらと素直)だったのは
    ちと残念だったかな。

    ヴィシュヌ神の逸話との絡め方とかも、
    若干蛇足かつ冗長に感じたし。

    とはいえ、デビュー作としては充分な
    出来かと(何故上から目線だ>自分)。

  • 2011/6/11 Amazonより届く。
    2012/4/2〜4/3

    愛川晶氏のデビュー作。第五回鮎川哲也賞受賞作。
    産まれる前に姉を、中学時代に母を、前年に父を亡くし天涯孤独の身になった女子大生の人見操に、差出人不明の保育園とインドの絵画の写真が届く。その後、小さな女の子の写真も届き、不思議に思った操は、大学のクラブの先輩坂崎の助けを借りて調べ始めると、写真の保育園で過去に園児誘拐事件があり、誘拐された園児が自分である可能性がでてくる。果たして自分はどこの誰なのか?出生の秘密に迫る操に驚愕の結末が訪れる。
    いやいや、上手い設定だ。愛川作品は二階堂さんとの共作以外はかなり以前に読んだきりだが、今回改めてデビュー作から読むことにしたが、この先も楽しみである。が、残念ながら、絶版が多いようで、入手困難かも。

  • こういう誘拐もあるんだ。。。
    住民票のこととか、知らなかった。
    北から南まで、色々な地名が出てくる中に、相馬市や、仙台・塩釜あたりがある。
    今までは気にも留めなかったのに、震災後、地名が出てくるだけでも気になる。

  • 二重誘拐

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著者プロフィール

愛川晶
一九五七年福島市生まれ。九四年『化身』で第五回鮎川哲也賞を受賞。トリッキーな本格ミステリーを基調としながら、サイコサスペンス、ユーモアミステリー、人情ミステリーと幅広く活躍。主な作品に『六月六日生まれの天使』『ヘルたん』『再雇用されたら一カ月で地獄に堕とされました』。落語ミステリーでは、『道具屋殺人事件』『芝浜謎噺』など「神田紅梅亭寄席物帳」シリーズ、『神楽坂謎ばなし』など「神楽坂倶楽部」シリーズ、『高座のホームズ』など「昭和稲荷町らくご探偵」シリーズがある。『太神楽 寄席とともに歩む日本の芸能の原点』(鏡味仙三郎著)では編者を務めた。

「2023年 『落語刑事サダキチ 泥棒と所帯をもった女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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