心とろかすような―マサの事件簿 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M み 1-2)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488411022

作品紹介・あらすじ

あの諸岡進也が、こともあろうに俺の糸ちゃんと朝帰りをやらかしたのだ!いつまでたっても帰らない二人が、あろうことかげっそりした表情で、怪しげなホテルから出てきたのである!!-お馴染み用心犬マサの目を通して描く五つの事件。さりげなくも心温まるやりとりの中に人生のほろ苦さを滲ませ、読む者をたちどころに宮部ワールドへと誘っていく名人芸を、とくとご堪能あれ。

感想・レビュー・書評

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  • あの諸岡進也が、こともあろうに俺の糸ちゃんと朝帰りをやらかしたのだ!
    いつまでたっても帰らない二人が、あろうことかげっそりした表情で、
    怪しげなホテルから出てきたのである!!―
    お馴染み用心犬マサの目を通して描く五つの事件。

    『パーフェクト・ブルー』で登場したジャーマン・シェパードの老犬マサと
    蓮見探偵事務所の面々、それに好青年、諸岡進也……
    お馴染みの人たちが遭遇する五つの事件。
    マサの目を通して語られる連作短編集です。
    マサは人の言葉を理解し、とっても聡明。
    でも喋れないから、人間に意志を伝えられずじれったい思いをする。
    マサには申し訳ないのですが、そこが何とも楽しかった。
    こんなに聡明で優しく温かく強い用心棒が居たらいいなぁって思った。
    なかでも「マサ、留守番をする」は、探偵事務所の皆が旅行に行き、
    留守番をしているマサがひとりで現場に行き、聴き取りなど捜査をするのですが、
    動物虐待をする本当に愚かで許せない人が登場し、幸せな犬生を知らずに
    亡くなってしまった犬がいて、心が締め付けられました。
    切なかったです。
    この本は、ん?タイトルに覚えがないなぁっと思って数年前に文庫で購入してました。
    パーフェクト・ブルーもはっきり覚えていなくて…読んでからこちらを読むと
    もっと、もっと楽しめたんじゃないかと思いました。

    探偵事務所の人も登場する人も温かく優しい人が多く、
    お話も温かかったです。

  • 「俺の名前はマサ」で始まる、元警察犬にして探偵事務所の用心犬・マサが語る5つの事件簿。

    前回と印象もちょっと異なり、全体的にユーモアの混じった話で軽快に読めて面白かった。
    そして心を揺さぶられる切ない場面もあちらこちらにあって、しんみり泣ける。
    マサが事件現場周辺にいる犬や猫、カラスといった動物達に聞き込み捜査をする場面が実に面白く、動物達による人間観察の鋭さにドキリ。
    我が家の周囲にいる動物達も実はこんな世間話をしてたりして…と思うと苦笑いしてしまった。

    本作は宮部さんがデビュー10年目に出版された作品らしく熟れてきた感じ?
    このマサシリーズは今後も続けてほしいな。
    でも現時点でかなりお年を召しているマサ。
    『サザエさん』方式で年齢設定をこのままにして続編出ないかな。

  • 『パーフェクト・ブルー』の続編。用心犬マサの語りを中心に蓮見探偵事務所に持ち込まれる依頼を解決に導いていく短編連作集。
    久し振りに初期宮部ワールドを堪能しました。20年以上前の作品であるが、違和感なく読める(自動車電話なんて懐かしいアイテムも出てきますが...)。5編目の遊び心、私は好きです。

  • 時代小説はじめ、本当になんでも題材にする宮部みゆきワールド全開。マサが可愛いけど、人の言葉や字まで分かるとなると---

  • 面白かったです。宮部さんは誰の視点、どんな視点で書いても読ませてくれるなぁと思います。この《マサの事件簿》シリーズは元警察犬マサが飼われている探偵事務所に舞い込む事件を、マサの視点で解決まで語っていきます。
    『白い騎士は歌う』を読んだ時、あれっ!? 再読!? と思ったほど既視感がありました。似たような話を読んだのかもしれませんが…。
    『マサ、留守番をする』は仔うさぎを守ろうとする女の子の優しさにほんわりとすると共に、ハラショウの生き様に切なくなりました。もっと温かい場所があったかもしれないのになぁと。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    あの諸岡進也が、こともあろうに俺の糸ちゃんと朝帰りをやらかしたのだ!いつまでたっても帰らない二人が、あろうことかげっそりした表情で、怪しげなホテルから出てきたのである!!―お馴染み用心犬マサの目を通して描く五つの事件。さりげなくも心温まるやりとりの中に人生のほろ苦さを滲ませ、読む者をたちどころに宮部ワールドへと誘っていく名人芸を、とくとご堪能あれ。

  • 『心とろかすような』
    あの諸岡進也が、こともあろうに俺の糸ちゃんと朝帰りをやらかしたのだ!いつまでたっても帰らない二人が、あろうことかげっそりした表情で、怪しげなホテルから出てきたのである!!
    『てのひらの森の下で』
    日課の散歩中、公園で死体を発見!救急車を呼びに行った加代ちゃんを待っていたら死体が起き上がって逃走した!
    『白い騎士は歌う』
    蓮見探偵事務所を訪れた女性の依頼は、指名手配中の弟を探すことではなく、ただ、動機となった「借金」の理由を明らかにして欲しいということだった。
    『マサ、留守番する』
    蓮見家は台湾へ三泊四日の社員旅行。マサが留守番をする事務所の前に誰かが置いていった箱の中には5匹の子ウサギがいた。
    マサが動物の力を借りて事件を解く。
    『マサの弁明』
    おまけ?
    依頼者は新人作家・宮部みゆき

  • パーフェクトブルーは未読だが
    充分に楽しめた

    しかしニンニクを使った料理を飼い主がたまに食べさせてくれるというような描写があり
    そこだけちょっとひっかかりました
    犬にニンニクあげたらダメだよ…

  • 『パーフェクト・ブルー』の続編。
    犬ならではの、マサの視点を活かしたストーリー。
    マサは人間を愛し、人間は動物を思いやる。
    事件そのものは、やるせなかったりするが、根底には優しさがある。
    ユーモアもあり、楽しい作品。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-e824.html

  • 感想記録なし

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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