孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

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著者 : 有栖川有栖
  • 東京創元社 (1996年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488414023

孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)の感想・レビュー・書評

  • 突然ですが、このシリーズの文庫本は字が小さい。
    字が小さいということは、一冊に折りたたまれている物語が濃密であるということ。
    字が小さい本を読んでいるととても満足した気持ちになります。情報量が多くてわくわくする。
    学生アリスシリーズはすべて東京創元社という出版社が刊行しているのですね。1ページあたりの文字数が多くて読みやすい。この出版社が好きになりました。
    孤島パズルは解説まで含めたら402ページある。
    小さな文字で綴られた大きな物語。
    今回もとてもとても面白かった。
    アリスは江神とともに、新たなサークル会員有馬マリアの伯父が所有する島へ出かける。そこにはパズルマニアの伯父が残したパズルがあった。島全体を使ったパズルを解くと、なんと時下数億円のダイヤモンドが手に入るという。わくわくしながら向かった島では、台風の上陸とともに、殺人事件の幕も上がることとなった…。
    今回も島という閉鎖状況での殺人事件。
    望月と織田がいない分、江神とアリス、マリアはパズルの謎と殺人事件の謎をまさに体を張って追い詰めていく。さらに江神さんが優しくてイケメンだったり、マリアとアリスがいちゃこらしていたりと大変盛りだくさんです。

    この新しい登場人物マリアが、わたしはとても好きです!
    マリアとアリスの微妙な距離感も青春という感じ。
    主人公のアリスは心中ではなかなか痛烈なことを考えていたりするのに言葉では出さない。しかしマリアはそこをあえて言葉にしたりする強さがある。ふたりは上手くお互いをカバーしあっているような気がします。いつか恋愛になるのか、双子みたいな親友になるのか分からないながら、シリーズの最後までこのコンビを見守りたいです。

    毎回ある「読者への挑戦」を受けて犯人を考えるのが楽しい。
    犯人当てれないですけどね…。

  • 寺尾文庫。
    寺尾さんは有栖川有栖が好きらしい。
    わたしはあまり好みではないかな。

  • いかにもな現実にはあり得ない孤島での殺人事件。本格物なんだが、ちょっとふわっとしたところもあり、それが特長なのかな。

  • 「学生アリス」シリーズの2作目。
    孤島を舞台としたクローズ・ド・サークルもののミステリーである。

    とても耐えられないような辛い出来事が起きたとき、何もかも忘れてしまえたりわからなくなってしまえたらどんなに楽だろうか。
    生きている限り、そのとき感じた痛みはどこまでも追いかけてきて忘れることなど出来ない。
    怨みはどれほど時間が経とうと薄れることはない。
    一方罪を犯した側の記憶は日々薄れていくだろう。
    大切なものを奪った者と奪われた者。
    相反する思いを抱きつつ生きていくしかない。

    「学生アリス」シリーズの魅力は何といっても江神の存在にある。
    冷静な判断力と深い洞察力、論理的に導き出される謎解きの答え。
    あたたかな人間性はときに犯人にさえ向けられる。
    犯人には犯人にしかわからない苦しみがあり、探偵には探偵にしかわからない苦しみがあるのだろう。
    読みやすいのにミステリーとしても十分に楽しめる物語だった。

  • 有栖川作品はどうしてもキャラ読みしてしまう……いかんいかん、と思いながら読み終わったら、解説がまさにキャラ読み視点で、なんだ別に気にしなくていいのか、と励まされたような気持ちに。本題とずれている。
    トリックはわからないけど、まあこの人が犯人だろう、イエーイ当たった、みたいな読み方もよくないな〜とは思うけど、読んで面白ければ別にいいじゃないのとも思う。
    学生アリスは詩人だなあ。

  • 2作目もクローズドサークル。
    マリアという新しい部員も加わって、
    学生アリスシリーズの第二弾。

    やはりラノベのようなサラッとした
    読みやすさは良く、
    読み進めると速かった。

    なかなか事件が起きなくてイライラし、
    真相も意外性に富んだものでは
    なかったのが残念過ぎる。

    その練られた論理的なプロットは、
    本格ミステリを愛する人からは
    高く評価されるものだとは思ったが、
    読み物としての満足度に重きを置く
    私にとっては印象に残らない作品だった。

  • ミステリーらしいミステリー物だった。
    謎解きや犯人の伏線などなど
    盛りだくさん。。。。
    しかし、最後の種明かしでは
    「えっ?気持ち分からないでは無いが
    そこまでせんでも・・」と
    犯人に心底同情出来ず★3つ

    個人的には、
    お手伝いでも無く
    雇われているシェフでも無い人が
    一人で10名近いお客さんの食事を作ったり
    後片付けしたり。しかも1日3回・・・
    大変だよなぁ~と変な部分に気が回った。

  • 面白かった。疲れたけど。

  • 双頭の悪魔を先に読んでしまっていたので、どうしても比較してしまったり犯人が当てやすかったり

    パズルというだけあって、きちんと組み立てられた論理を順に重ねていく推理が気持ち良い
    そして、月夜のボートのシーンが印象的で非常にロマンチック
    冷静な論理も綺麗な感性も一冊に収めるのが素敵

  • 論理の組み立てはなかなか面白かった。
    動機がちょっとありきたり過ぎかな…

  • 読了後で気が付いた江神シリーズの2作目だった。1作目の「月光ゲーム」はこれから図書館に予約予定。
    マリアの祖父がのこした孤島のモアイ像の謎や、密室殺人の謎等、盛りだくさんで、おいしい一冊でした。結局自分では一つも解けず、せっかくの読者への挑戦は大外れだったのが心残り。でも、推理ものは名探偵にまかせて単純に名推理を楽しむことができました。

  • 誘われて訪れた孤島のどこかに、宝が眠っている。
    しかしそれを起こす前に、殺人が起きてしまった。

    3年前に死んだ従兄弟。
    この事件とそれは関係あるのか? と言われたら
    当然関係ある、と言えます。
    それが2時間ドラマ(?)のセオリーです。

    この事件の発端となった、モアイ達。
    当然のごとく、じわじわとどこまでも出てきますが
    事件よりもこちらがどうなのか、非常に気になります。
    漫画でもないですので、彼らの言葉と
    作中に出てくる図だけでが頼り。
    見えていたら、もうちょっと考えられるのに…。
    用事があってこられなかった、残り2名の気分を
    読みながら味わえる気がします。

    解答編を読みながら、分かるような分からないような。
    こういう移動パズル、あった気がします。

  • 確か有栖川作品で初めて読んだのがこの作品でした。
    孤島というザ・クローズド・サークルなロケーションに、島全体に仕掛けられた謎解き、そしてそこで起こる殺人事件の謎。有栖川作品の中でも個人的にロジックの美しさが非常に印象に残っている作品です。とある些細な(に感じる)手がかりから犯人指摘の流れが何て綺麗なんだろう。
    とてもいいミステリでもあり、青春小説でもありますね。夜のボートのシーンなど最初に読んだ学生当時からひどく憧れたものでした。ついにそんな体験は出来ずに終わりましたが・・・。

  • 学生アリスシリーズ2冊目。

    孤島に集まった人たちの中で起こる殺人事件。

    最初の、登場人物紹介のような場面で、まだ事件も起こる前から、ちょっと引っかかる人物が。

    が、謎解きの論理は別です。

    自分では解けなかったけれど、組み立てはとてもシンプルで論理的。なるほど、これが本格的謎解きものの醍醐味です。一作目より好き。

    ミステリーとしても、アリスとマリアと江神部長の三人の関係性も好き。アリスとマリアはなんだかとてもかわいいぞ。

    最初に気になっていた人がやっぱり犯人。そしたら、同じ作者の別シリーズの作中で、同じことを言ってる登場人物がいて笑えました。

  • マリアに誘われ、アリスと江神部長は嘉敷島を訪れていた。マリアの祖父は大のパズル好きで、亡くなる際にその島に五億円相当のダイヤモンドを隠し、そのありかをパズルにして遺していたという。アリスと江神部長はそのパズルを解くために遊びにきたのだった。夏休みの南の島、難解なパズル、祖父の別荘に集っていたマリアの親戚たちとの触れ合いもあってのんびりと島での滞在を楽しんでいたアリスたちだったが、嵐の晩に事件は起きた。滞在客の二人がライフルで撃たれ、折り重なって死んでいたのだ。唯一の連絡ツールである無線機も破壊され、なす術もないなか新たな犠牲者が……。

    なんとも切なく美しい話だった。謎自体は小粒なような気がするけど、ものすごくフェアな書き方をしてくれていて、丁寧なので一緒にじっくり考えながら読めたのも楽しい。
    学生アリスは洞察から読み始めてしまってこれが2冊目といういい加減な読み方をしているのだけども、正直男性陣のみの時よりマリアがいるほうがテンポがよくて大変好み。

  • 江神シリーズ第二弾。
    今回は孤島で台風が来て密室殺人が起きて無線が壊されてて・・・いかにもな要素てんこもりです。ミステリ好きの主人公たちが招かれてそのことに一言も言及しないのがむしろ不自然ですらある。
    で、これはこれでベタな面白さがある。変に凝りすぎたものじゃない本格が読みたくなったときにばっちりの一冊。

    しかし、銃で撃たれてから結構みんないろいろやってるのがちょっと不自然に感じました。太腿くらいならともかく・・・即死じゃないの?撃たれた経験ないんでよくわからないけども。

  • 双頭の悪魔を先に読んでしまっていたので犯人になんとなくの検討がついてしまっていたのは良くなかったか。それでも一つの痕跡からアレのアリバイとアレの移動が絡み合って犯人当てに繋がる解決パートには爽快感があった。これでやっと女王国が読める

  • 犯人は雰囲気で目星がつくが
    論理は分かるはずもなく。
    江神さんの謎解きは分かりやすい(当たり前)
    読みやすい。面白い!
    愛に溢れた解説もよかった。
    マリアちゃんは戻ってくるのかなあ。

  • 本格派ミステリー。そこそこ面白かった。

  • 王道ミステリ。
    だいたいこんな感じかな?と推理したのが当たってたので良かった。

    ちょこちょこ素敵な表現が出てきて
    好きな文章だった。

    後味は悲しくて切ない。

  • 有栖川有栖の古き良き本格ミステリを初読。富豪のプライベート島でのサマーバカンス。招待客合わせて13名のうち4名が次々と殺され、残り9名にはアリバイがなく全員容疑者。そんな状況でも、僕アリスと同級生のマリアはいいムードになったりして、キャピッと明るさも失わない。いーね。固定電話は来てなく、無線機も壊され、警察への連絡手段は週一回の船のみ。ケータイの無い時代だからこそ、アマチュア学生探偵が活躍できたのだ。しかもうれしい読者への挑戦付き。やってやろうじゃないの!
    (中略)
    やっほー。大体当たってた。ちょっと考えすぎた。タイトル通りパズル好きにオススメ

  • 孤島の別荘で過ごす一週間のバカンス。
    用意された孤島パズルと
    それが引き金となり起こる惨劇。
    閉じ込められた孤島の中で、犯人が残した唯一つの痕跡を足掛かりに、こつこつと積み上げる論理を道標にし、惨劇に終止符を打つ為の真実へと続く道を踏破できるか。

    江神二郎と学生アリスのシリーズ2作目。

  • 本格ミステリは大好きなのだが、もっと因縁とか呪いとか、古臭い感じの不気味な話が好きなので☆4つ。
    でも久しぶりにこういう系を読んで、楽しかった。

    新本格の作家さんを、開拓したい(*^_^*)

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孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)の作品紹介

紅一点会員のマリアが提供した"余りに推理研的な"夏休み-旅費稼ぎのバイトに憂き身をやつし、江神部長以下三名、宝捜しパズルに挑むべく赴いた南海の孤島。バカンスに集う男女、わけありの三年前、連絡船の再来は五日後。第一夜は平穏裏に更けるが、折しも嵐の第二夜、漠とした不安感は唐突に痛ましい現実へと形を変える。晨星落々、青空に陽光が戻っても心は晴れない…。

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