双頭の悪魔 (創元推理文庫)

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著者 : 有栖川有栖
  • 東京創元社 (1999年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (698ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488414030

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双頭の悪魔 (創元推理文庫)の感想・レビュー・書評

  • 順番どおり丁寧に読みたい学生アリスシリーズ。
    3作目のこの作品は、前作で心に傷を負ったマリアが旅に出て、ある村から帰ってこなくなったところから始まる。
    マリアはなぜ戻ってこないのか?心配したマリアの両親から頼まれ、推理研の4人はマリアがいる木更村へ出かける。四国にあるこの村は、芸術家が集う有名な村だった。心配するアリスたちの話と、マリアの独白という二つの視点から物語は進んでいく。

    実は私にとって、この作品は学生アリスシリーズに手を出した切っ掛けだ。
    もともと作家アリスシリーズを読んでいたのだけど、この双頭の悪魔に出てくる登場人物の一人が探偵役の火村の原型なのだと知ったために俄然、学生アリスシリーズが読みたくなったのだ。ただし学生アリスシリーズは青春物語でもあるため、シリーズを順に読んでいく必要があった。わくわくしながら読み進めて、ようやくこの作品にたどり着いた。

    アリスら4人は木更村、という人を寄せ付けない村に居ついたマリアを、奇襲攻撃をかけて取り戻そうとする。江神部長はなんとかもぐりこむが、大雨で村と外をつなぐ橋が壊れ、村から出られなくなってしまう。そんななか村に集まっている芸術家が殺される。村に入れなかったアリスたちのほうでも、同じ旅館に宿泊していた男が何者かに殺されてしまう。容疑者になりながらも地道な捜査を始めた…。
    この作品の面白いところは本来探偵役の江神のそばにいるはずのアリスが二手に分かれていること。マリアが代わりにワトソン役を勤めるが、アリスたちは望月・織田と3人で議論を交わしながら推理を進めていくのだ。江神部長のほうはなんとなく「大丈夫!」と思えるが、アリスたちの迷走しながら真実に肉薄していく様子も面白い。
    そして3回もはさまれる「読者への挑戦」!なんとなくこの人かなあ?とアタリを付けることができても、その論理的な根拠が思いつかない…。ミステリの醍醐味だなあ。一応、今回も犯人と理由を考えてはみました。外れました。いいとこいった推理もあったんですけどね…。悔しい。初読の面白さです。しかしながら再読にも耐えうる、厚みのある作品。今回も楽しく読めました。
    みんなやんちゃですばらしい。

    火村の原型はかなりヘビーな過去を持っているのですが、火村が持つ謎のヒントになったりするんだろうか…。
    ところで学生アリスは推理小説を書いていて、そこには「臨床犯罪学者」の人物が描かれている。こういうの、どきどきしますね!つまり作家アリスは学生アリスを書いていて、学生アリスは作家アリスの話を書いているという。(ファンなら周知のことですけど)あー面白い!世界観が面白いなあー!

    そしてさらに4作目に飛び込んでいくのです…。

  • 寺尾文庫。
    有栖川有栖って人気作家だけど わたしはもういいかな。すごく面白くないってわけじゃないけど 惹かれません。

  • 夏森村に残されたワトソン役たちが頑張ってます。

  • 本格推理小説。江神探偵が冴える。

  • 新本格を読むのは2作目。ページ数の割にはすいすい読めた。学生ノリが良いのかも。読後感としては、なるほどという感じで可もなく不可もなし。とりあえず、三部作は読んでみるか。

  • 「孤島パズル」の衝撃から立ち直れずにいたマリア(有馬麻里亜)は一人旅に出る。
    友人に会うために訪れた村で芸術家たちだけが暮らす木更村の存在を知ったマリアは、好奇心もあり木更村に向かう。
    世間とはほとんど没交渉の木更村は、とある資産家の個人が所有する村だった。
    マリアの両親からマリアを連れ戻すように依頼されたアリス(有栖川有栖)たりは、さっそく木更村へと向かう。
    木更村での出来事はマリア視点で、夏森村の出来事はアリス視点で語られ、物語はふたつの村に分かれて進んでいく。
    木更村へ渡る唯一の橋は台風の影響で壊れてしまい、木更村は陸の孤島と化していた。

    「自分より情けない女の子を発見して、同情しながらほくほくしてるのよ。
    あなたはいつまでたってもそうなのね。それが性根なのよ」
    マリアの心の声である。
    同時に語られる高二のときのエピソードとあわせて、マリアがどんな女性なのか、片鱗が伝わってくる。

    一方のアリスは、「弱い者にしか向かっていけない者がこの言葉(報道の自由、言論の自由)を口にするのを聞く時、僕は心底不快になる」
    夏森村で偶然知り合ったカメラマン・相原と会話をしているときのアリスの心の声である。
    まっすぐなアリスの性格をよく表している。

    木更村にある鍾乳洞内で殺された画家の小野。
    彼は木更村の現在の持ち主菊乃の婚約者でもあった。
    遺体や彼の持ち物に振りかけられていた大量の香水。
    そして、切り取られた耳。
    夏森村ではカメラマンの相原がやはり殺されていた。
    そして、推理小説ではお馴染みの読者への挑戦状が計3回提示される。
    1. 小野博樹を殺害したのは誰か?
    2. 相原直樹を殺害したのは誰か?
    3. 第三の殺人を犯したのは誰か?そして事件の全貌は?

    ひとつひとつが整合性のあるロジックで構成され、伏線も多くしっかりと回収されている。
    料理のメニューをめぐる会話など、ごく自然な流れの中に重大な事件のヒントが隠されていたりと、ミステリー好きにはたまらない。
    不自然さのない事実の積み重ねやそれぞれのキャラクターの個性に合った行動が交錯して、純粋に読んでいて面白かった。
    切なくてどこか哀れさが漂う事件の結末だったけれど、閉じかけていたマリアの世界がようやく外に向けて開かれたようなラストで、ホッとした。

  • 休みを使って一気読みしたー
    長かったから疲れたーーー笑
    でも面白かったです。

    難しくないから分厚いけどそれなりに直ぐ読める(*^▽^*)
    学生アリスシリーズはお気に入りなので、楽しめました。
    女王国の城はもう読んじゃったので、あと1冊で完結するらしい…悲しい

  • 有栖川有栖は短編は読んだことがあったが、長編は初めてなのかな。

    読者に挑戦する箇所が3箇所あって、それぞれが別の謎解きになっている。
    謎解きの部分はとてもフェア。
    正統で正しいミステリーだとは思う。
    ただ、正統で正しいければ面白いのかというと、それは別なんだなあという感想。
    正しくてあまり面白くないミステリーと、無茶苦茶だけど面白いミステリーはどっちがいいんだろうね?

    ということで☆3つくらいで。
    長いよ。文庫で700ページ近くもあるよ。

  • 長すぎ!

    新本格ミステリーが好きなので読んでみました。

    シリーズ三作目だけど、これが一番オススメらしいのでいきなりこれから読みましたが、前二作を読まなくても問題なし。

    で、内容はというと、芸術家が集まって暮らしている廃村で殺人事件が起きる。そして別の場所でも…

    正直ちょっと期待してましたが、兎に角話が長くて展開が遅い。

    語り部がコロコロ変わってテンポが悪いし、何よりキャラが弱いので引き込まれる感じが皆無。

    ラストは江神が探偵の役割を発揮して俄然面白くなりましたが、そこに辿り着くまでにヘトヘトで、とても手放しで傑作とは言えないですね。

    文庫で700ベージという分量以上に長く感じさせるお話でした。

    前半はホントに山場が無いので、飽きっぽい人にはあまりオススメしません。

  • 3
    フーダニットの本格推理小説。
    2つの村の殺人事件がつながっていくなかなか面白いプロット。読者への挑戦であまり考えずに先に進んでしまうので面白さを味わいきれてない気も…

  • タイトルが秀逸。
    とにかく長い。
    導入も長いが、解決編も長い。

    読者への挑戦状通り、動機は考えに入れずに論理的な推理だけでまずは考え、その上で動機を考えると、もしかしたら全貌も推測出来るのかもしれない。
    しかし、何だか拍子抜けする全貌だった。
    逆に単純過ぎるっていうか…

    あと、犯人が死んでばっかなのがちょっとなあ。
    そういう性格の人たちが犯人だからしょーがないのか?

    こういうの書く時って、トリックから先に考えるのかな?
    舞台設定が大仰過ぎる気もしたけど。
    もうちょっとコンパクトにならなかったもんかなあ。

  • 運命は逃げるものを小突き回す、というマリアの独白が印象に残った。
    火村先生のモデルというか原型?のキャラクターが出てきた。詩人だ。火村先生が時々びっっっくりするくらいキザなこと言うのも、納得。そして火村先生が殺したいと思ったのは自分の父親なんだろうか。

  • 著者とがっぷり四つの正統派ミステリ
     学生アリスシリーズの、ひいては有栖川有栖を代表する人気作。分断された村の内側と外側で巻き起こる殺人事件。江神、有栖川、両者の冴えた推理に注目です。
     読者への挑戦が3度用意されるという類を見ない試みですが、全てが論理的な説明をもって解決できます。ただし、着眼点を変えることで芋づる式に犯人が判明するわけではなく、推理に必要な情報を拾って組み立てる必要があるので、難易度は高いと思います。私はお手上げでした。
     とはいえ、大ボリュームながらそれを感じさせないリーダビリティに満足。特に江神と犯人が対峙する場面には釘付けでした。

  • パズル系推理小説の中でも傑作。シチュエーションが好みでワクワクする。

    分量的にも分断された2つの世界としても、小説を2冊並行して読んでいる感覚だった。
    最後の繋がり方も納得しつつ読めたが、後から思うと閉ざされた空間内でそこまで水面下でやりとりをするのは難しいのでは?と感じたり。。。
    動機面からもう少し考えてみればトリックは比較的楽に分かったかもしれない(負け惜しみ)

    状況を説明するにも美しい表現を使ってくれるので、長さの割に飽きが来ない。
    人物たちの会話もキャッチーで次々読んでしまった。

  • 学生アリス(江神二郎)の長編シリーズ。
    評価が高いミステリと知って調べたらこれは三作目だというから、折角ならと前二作を読み終え、ウキウキしながら手つけた。
    はりめぐらされた伏線。全てきっちり回収してくれて気持ちがいい!パズルがカチッとハマる爽快さ!
    楽しめた。

  • 江神二郎シリーズ長編第三作。一番評価が高いとされてるのがこれ・・・だったような。たしか。
    で、やっぱりおもしろかったです。谷の向こう側とこちら側で断絶された状況でそれぞれ事件が発生して最終的にすべてが合致していく感じがなんとも。齟齬が出ないように書くのが大変だったんだろうなあ・・とか余計なことまで思ってしまいました。

  • 学生アリスシリーズの3作目。700ページと長いが謎解きの楽しさが詰まった一冊。

  • 初の有栖川有栖でした。
    めずらしく、ドラマの影響で。
    面白かった〜
    これを期にしばらくミステリーに
    はまりそうです。
    読者への挑戦がある所がいい。
    ここで推理してくださいね、
    って言ってくれてるみたいで
    にぶい私でも推理することが
    できてすごく嬉しい。
    続き物だったみたいで真ん中から読んで
    しまったらしいが、
    それはそんなに気にならなかった。
    他のも絶対読んでみようと思う。

  • 他人を寄せ付けず奥深い山で芸術家たちが創作に没頭する木更村に迷い込んだま、マリアが戻ってこない。救助に向かった英都大学推理研の一行は、大雨の中木更村への潜入を図る。江神二郎は接触に成功するが、ほどなく橋が濁流に呑まれて交通が断絶。川の両側に分断された木更村の江神・マリアと夏森村のアリスたち、双方が殺人事件に巻き込まれ、各々の真相究明が始まる……。

    マリア編とアリス編が交互に描かれるので長くても辛くはなかった。

  • 双頭の悪魔、なるほどなー、そういう動機ってあるんだねえ。全然思いつかなかった。さすが有栖川有栖先生!

  • 江神さん不在の推理研チームが、議論しながら真実に辿り着いていくのが面白かった。本人らに実感薄いのも含めて…
    志度さんの存在感や、作中にずーっとつきまとう香り、マリア・アリス・そして江神さんの珍しい感傷。このロマンチックさが好きなんだな。謎云々の評価は分からない。ただ前作の方が頭を使って読んだ気がする。

  • 普通の推理小説なのですが、章の途中で「読者への挑戦コーナー」が設けられており、「ここまでの小説を読んだ中で、あれこれの謎を解け」と問題が出題される面白い構成です。恐らくサスペンスファンの方は、問題出題されるまでもなく、自分で色々考えて推理しながら読むのでしょうが、私は推理しながら読む方ではなかったので、結構新鮮でした。
    芸術家たちが隠れ住む村ということで、登場人物がオシャレ感満載。香水を調合する人が登場する小説とか読んだことなかったです。

  • 長かったけどそこそこ面白かった

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他人を寄せつけず奥深い山で芸術家たちが創作に没頭する木更村に迷い込んだまま、マリアが戻ってこない。救援に向かった英都大学推理研の一行は、大雨のなか木更村への潜入を図る。江神二郎は接触に成功するが、ほどなく橋が濁流に呑まれて交通が途絶。川の両側に分断された木更村の江神・マリアと夏森村のアリスたち、双方が殺人事件に巻き込まれ、各々の真相究明が始まる…。

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