世界記憶コンクール (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 340
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488421120

作品紹介・あらすじ

ある日、萬朝報に載った『記憶に自信ある者求む』という求人広告。見たものを瞬時に覚えられる博一は、養父の勧めもあって募集に応じた。見事採用となり、高い給金を得て記憶力の訓練を受けていたのだが-。心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、二人の青年をはじめ明治の世に生きる人々の姿を人情味豊かに描いた、「帝都探偵絵図」シリーズ第二弾。表題作を含む五話収録。

感想・レビュー・書評

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  • 前作のぎこちない感じが抜けて、いろんな視点からの帝都ミステリー。
    あんまり深刻にならないのは良さかな。とっても人情的。
    前のを読んだときは現代ミステリ寄りだと思ったんだけど、古い用語を使い倒した回りくどさが時代小説っぽい。でもまだ次作も読みたい。

  • 主人公周辺の登場人物が魅力的。
    優しさの感じられるストーリーも良いが、舞台となる時代の描写に浸るのが心地良い。

  • 最初の作品とは視点を変えた作品が集められている
    欲張りな一冊になっているかな
    2冊目から読んでもいいかも

  • シャーロック・ホームズが縁で知り合ったふたり、という前提を思い出させるような第2巻。
    1巻同様にふたりが中心となった日常の事件を解決していくのかと思いきや、1巻で登場した人物の視点で描かれる作品あり、時系列の異なる作品ありで動きがあって面白い。
    まだ親しくなる前のふたりも描かれるこの巻で、恵少年から見た「そばで見ていても眩しいくらいの信頼関係」というふたりの距離感も描かれるのが面映ゆくて良かった。

    どの話も良かったけれど特に印象に残ったのは『生人形の涙』かな。あえてすべてを描かず余韻を残す結末。
    時間の流れと信頼や絆を感じさせるお話がまとまっている巻だなと思う。

  • 第1作の方が話としては好き。高広と義父は本当の親子のよう。

  • 謎の背景には、親子の絆。

    お得意の分野、明治+美形+ホームズ&ワトソン。〈帝都探偵絵図〉シリーズの第二弾。とはいえ、実は小説で読むのは初めて。会話中心で読みやすかった。主人公コンビである雑誌記者の里見高広と美貌の天才絵師有村礼が直接かかわらない話もあり。何組かの親子が出てきて、それぞれの関係がある。優しいものも、厳しいものも。親が子を、子が親を、思っている、だけではない。でも全体的な雰囲気は、優しく、後味もよい。

    「第一話 世界記憶コンクール」まさに「赤毛組合」でした。似たような条件が揃ったらわくわくしちゃう有村先生の気持ち、わからんでもないホームズファン。

    「第三話 黄金の日々」過去の事件の関係者・東京美術学校予科の森恵と、その学校で出会った西洋風の顔立ちの同級生・唐澤幸生。これまた主人公コンビとは違うけれど、興味深い二人。西洋の血を引き、養父に有名な陶工を持つ、しかし家族の縁には薄い幸生。二人に共通するのは、彫刻への愛情と、家族への複雑な想い。でもきっと情熱を注げるものと、一緒に精進する仲間が、二人を守ってくれる。

    ホームズ&ワトソンっていうと、ホームズ(=探偵役)が傍若無人の天才肌っていうイメージになりがちだけど、高広はむしろ礼のために(そして関係者のために)事件を解いている感じがあるよね。優しいホームズは苦労するんだろうな、と。

  • 和製ホームズ&ワトソン?の第二弾。
    しかし二人をメインにした話は表題の「世界記憶コンクール」のみ。
    これは、「赤毛連盟」によく似ていて、だからこそ礼がはしゃいで高広に事件に関わるようにそそのかすわけですが。「赤毛連盟」を読んでいた方が、楽しめるお話です。

    「氷のような女」は高広の義父と夫人との馴れ初めの話。この頃は氷が貴重で詐欺まであったんだなぁ、なんてしみじみ思ってしまいました。
    あまりに鈍い基博が面白かったです。

    「黄金の日々」は前作に出てきた恵の後日譚で、「生人形の涙」は高広と礼の出会いの話。

    前作と変わらず幻想的でふんわりとした雰囲気と、明治の少し暗い世界観が合わさった作品です。
    今後、怪盗ロータスとの対決がどうなるか楽しみです。

  • 明治東京を舞台に、しがない雑誌記者がホームズ役、その友人で超有名人でもある天才絵師がワトソン役(?)な日常系ミステリー。といっても全体的にちょっと重め、暗め。
    主役をはじめ大人の男が多いせいもあるか。ただシリーズ1作目「人魚は空に還る」にくらべ各章の主人公が前作の脇役だったり時制も色々なので、より奥行きが増した。
    謎解きとはいえ痛快という言葉とは程遠い。徐々にほどけていく感覚が楽しい。

  • 第2段。ライト過ぎる気もするけど面白い。手軽に読める。

  • 20150624 読了

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著者プロフィール

1975年生まれ。秋田県出身。2008年、第2回ミステリーズ!新人賞最終候補作となった短編を改稿、連作化した短編集『人魚は空に還る』(東京創元社)でデビュー。他の著書に『クラーク巴里探偵録』(幻冬舎)、『百年の記憶 哀しみを刻む石』(講談社)などがある。

「2019年 『赤レンガの御庭番』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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