- Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488423117
作品紹介・あらすじ
ポチこと須川くんが一目惚れしたクラスメイトの女の子、不思議な雰囲気を纏う酉乃初は、凄腕のマジシャンだった。放課後にレストラン・バー『サンドリヨン』で腕を磨く彼女は、学内の謎を抜群のマジックテクニックを駆使して解いていく。それなのに、人間関係には臆病で心を閉ざしがち。須川くんは酉乃との距離を縮められるのか-。"ボーイ・ミーツ・ガール"ミステリの決定版。第19回鮎川哲也賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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本格ミステリにマジックの要素を合わせた日常の謎。マジックは人を驚かせるエンタメであり、同じく驚かされるミステリととても面白くなる。一話ごとに提示される謎が面白い、そしてリアルな高校生の青春。最後に連作短編の、物語が一つに収斂する伏線回収も鮮やかだった。
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’21年8月30日、読了。Kindle Unlimitedにて。相沢沙呼さん、2作目。
とても、楽しんで読み終えました。
最初、主人公須川君の語りが、「うえぇ、またこれか!」となりました。僕の苦手な、「高校生(あるいは、若者)が、友達に語りかけているような文体」だったので。速攻で、中断しようとも思いましたが…我慢して、読み進めました。で、我慢してよかった!
もう一人の主人公、酉乃初が、マジックを使って、犯人(!?)達に救いの手を差し伸べる、という、いわゆる「日常の謎」系の、ミステリー。そこに、二人の恋愛が絡んで…と、よくある感じです。でも、なぜか、「頑張れ、若者よ!」と、フィクションなのに、思えてしまった…。
ラストにも、軽いどんでん返しが用意されていたり、登場人物もみな個性的&魅力的に思えたり…ほんわかした、読後感。面白かったです。
続編があるらしいので…読んでみたいと思います。 -
コージーミステリー。主人公が魅力なさすぎ( 一一)酉乃さんもなんかつかみどころなくて、、、それが魅力になる場合もあるけど、これはいまいちでした。説明的すぎてマジックにも興味が持てなかった。
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マジックが上手いが自分に自信がない酉乃。そんな彼女に近づきたい須川。その二人が日常の謎を解いていく。
悩んでる人の悩みに気づく。助けてあげたいけど、距離の取り方を悩む。その気持ちがすごく伝わってくる話だった。
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デビュー作を読んだ事がなかったため早速読んでみました。
ミステリーより学園青春(恋愛)の方が高く感じましたがテンポ良く読み進める事が出来ました。
マジックを絡めながら伏線を上手く回収していく物語に続編も楽しみな一冊。 -
高校生マジシャンが謎を解く学園ミステリ。
須川くんは、高校に入ってクラスメートの酉乃初に一目惚れ。
窓の外をぼんやり眺めていることが多い彼女は、長い髪の美少女。
孤独がちな暗い雰囲気で、話しかけることも出来ないでいた。
姉につれられて入ったレストラン・バー「サンドリヨン」で、マジックを披露している彼女に遭遇。そこは初のおじの店だったのだ。
別人のように華やかで大人っぽい彼女に、ますます惹かれる。
昼食も一人で食べる初と一緒にすごそうと探し回る須川君。
不思議な出来事が起きると彼女に相談を持ちかけたり、何かと努力するのだが?
中学時代のあだ名がポチという、やさしい男の子。
酉乃初の心をつかめるか?
内気な酉乃が抱えていたこととは。
八反丸芹華(本名)という派手な女子は酉乃と中学が同じで、露骨な敵意を向けてくる。
それにも理由があったのだが‥
マジックの技も楽しめるミステリ。
頭が切れる酉乃初だが、心はナイーブな16歳。
さらに、ヘタレ気味の須川君の視点から描かれるので、もどかしくもかわいらしい青春ものになっています。 -
ギークであることの表現として「WindowsパソコンにRubyがインストールされている」ことに言及していて、いまどきな感じがした。
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そう来たかーーー!っていうクライマックスはさすが!!どうしても翡翠ちゃんのイメージが強い作者さんだけれども、そのいしずえは既に固められていた。
舞台は埼玉県の私立共学。
はっきり言おう。
埼玉県の公立女子高出身の私からすると母校の女子生徒をすべて敵に回すかのような甘酸っぱい青春ストーリーである。こんな感じでデートしたいなー(埼玉の高校生ver)を見事に演出してくれてるくっっっっっそ!!!
というのは置いといて、やはりマジックを取り込んだミステリーというのは面白い。私はどう足掻いても見破れない。悪意を全面にぶつけられて胸がはりさけるシーンもあるが、それも乗り越えないといけないのだと思い知らされた。
所詮、他人。でも、手を差し伸べる行動は嘘偽りなんてないと思うんだ。表面のウソばかり見るのは、やっぱり浅ましい。 -
デビュー作から、最後の畳み方の巧みさにうっとりさせられる。ただし「城塚翡翠」のシリーズよりはそういう伏線の存在が隠れきれておらず、「ここ、気になるな」となっていた描写が最後にちゃんと集合するイメージ。読み口はだいぶライトだが、そういえば当時こういう傾向の、流行っていたなと。
最後にアレを首に付けてあげる場面は、なんか青春だなぁ〜恋愛だなぁ〜と胸キュンでした♪
最後にアレを首に付けてあげる場面は、なんか青春だなぁ〜恋愛だなぁ〜と胸キュンでした♪