- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488430078
作品紹介・あらすじ
なぜか心惹かれる「青蛇」と呼ばれる男を巡る、五つの事件の顛末を描いた、芦原すなお渾身の女性私立探偵ミステリ。ふーちゃんこと山浦歩との出会いも描いた、シリーズ最新刊。
感想・レビュー・書評
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女探偵・笹野里子ものとしてはシリーズ2作目のよう。
図書館で背表紙を見て手に取りました。
中身は、「青蛇」と呼ばれる孤独な殺し屋の話といったほうがいい‥
タイトルが「青蛇」だったら読者が減る?(笑)
笹野里子は夫が遺した探偵事務所を継いで、淡々と仕事をしている40歳ぐらいの女性。
やる気もなさそうな冷静さだけど、ある刑事に惚れられているのをてきとうに逸しながら情報を引き出したり、実はけっこう有能で、勇敢さもある。
元教え子の調査を教師に依頼されてから、ある殺し屋の姿が行く先々でちらつくようになるのです。
里子が訓練を受けているジムのオーナーがかって教えていた青年。
何かを抱えた激しさのある彼に、スポーツとして格闘技のプロになってほしいとオーナーは願っていたのだが‥
猫を探してほしいという女の子の可愛い依頼に動き出すと、関係者の勤め先で、思わぬ関わりが出来ていき‥
猫は賢くて猫らしい猫です。
しゃれた会話とヒロインのさっぱりした性格で、すいすい読めます。
ある目的のために技を磨いた美しい殺し屋の思いと過去は痛ましいけれど、鮮烈な印象でまとまり、シャープでカッコいい。
これはなかなか、めっけもの~読後感は悪くなかったです。
さかのぼって前の作品も読みましたよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
夫の遺した探偵事務所を継いだ『わたし』の元へ、元教え子の亡くなった事件を調べてほしいという依頼が舞い込んでくる。それが『わたし』と『青蛇』との出会いとなる事件だった。
私立女探偵『笹野里子』の語る連作短編集。
前作と呼べる同じ主人公の作品があるらしい。未読でも支障はなかったが、読んでいれば尚楽しめたかもしれない。
一冊の中で幾つかの事件が語られているが、通して関わってくるのが『青蛇』と呼ばれる不思議な魅力を持った男だ。いわばこの短編集は、青蛇の生き様を追った話なのである。
主人公ももちろんだが、その他の登場人物(主に男性)も中々個性的で、事件を追うよりも面白味を感じる。
前作や他の作品も読んでみたいと思えた -
わたしが「青蛇(あおへび)」と呼ぶ、どこか心惹かれる男との最初の出会い──それは、元教え子の女性が亡くなった事件を調べてほしいという、さえない男性教師からの依頼がきっかけだった。
亡き夫が遺した探偵事務所に持ち込まれる、一筋縄ではいかない依頼の数々。
『雪のマズルカ』から、さらに切れ味と凄みを増した女私立探偵・笹野里子の活躍。
直木賞作家・芦原すなお渾身の連作短編集。
解説=中辻理夫 -
国産ミステリの女性私立探偵といえば、柴田よしきの下澤唯、若竹七海の葉村晶、そしてこの芦原すなおの笹野里子だろうな里子と遠藤警部のやり取りが、悲しみに満ちたこの連作の中で、数少ない癒し。
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『雪のマズルカ』から引き続き、里子のカッコ良さは際立つ。ジェイソンの存在は大きい。てか、ジェイソンと青蛇には似た部分があるよなぁ。”向こう側”に行きたくなるような経験をジェイソンがしてたら、とちょっと怖くもある。
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【収録作品】青蛇/クリスクロス(いきちがい)・六本木/猫とアリス/ディオニュソスの館/無間奈落
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2015.8.15-47
探偵笹野里子が関わる青蛇に纏わる短編5編。青蛇、クリスクロス六本木、猫とアリス、デォニュソスの館、無間奈落。
探偵の会話がテンポよく軽く読み進めるものの、青蛇の出生と幕引きが切ない。