Aサイズ殺人事件 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488447014

感想・レビュー・書評

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  •  大分こじ付けがましい推理だけど、おもしろかったです。

  • もともと書かれたのは約40年前ということもあり、時代を感じさせる。昭和20年代がそれほど昔でないとか、過激派、火薬とか。たった40年で遠い昔の出来事のようになった感がある。まもなく「昭和」も2つ前の元号になってしまうことだし、昭和がどんどん遠くなる。事件解決までの道筋を補うための、奇妙な和尚の質問。その突拍子もない外れ具合によって起承転結の「転結」がキラリと光る。本編とは関係ないけれど、「生臭坊主」という言葉があるからには昔からそういう人が多くいたということなのかな?

  • 僧侶が囲碁の相手をしながら、そこで耳にしたわずかな情報をたよりに事件の謎解きをするという、いわゆる《安楽椅子探偵》モノの短編集。

    北村薫の「円紫さん」にせよ、戸板康二の「中村雅楽」にせよ、「黒後家蜘蛛シリーズ」の「ヘンリー」や『九マイルは遠すぎる』の「ニッキイ・ウェルト教授」、『黒いハンカチ』の「ニシ・アズマ」にせよ、こちら側の世界に属していながらもどこか超然とした浮世離れしたところがあるのがぼくの考えるところの《安楽椅子探偵》の魅力であるのに対し、たぶんに狙ってのことではあると思うが、この阿刀田高の作品に登場する「方丈さん」はその個人的な理想像とはあまりにもかけ離れている。というよりも、むしろ正反対。ぼくにとってはその存在がややノイジーに感じられるが、これは完全にぼく個人の趣味嗜好の問題なのでなんともいえない。面白くないわけでは全然ないのだけれどね……。

    読書にも、登場人物との相性というのがあるのだなと再確認。

  • 阿刀田 高の短編推理集。さっと読めて斬れ味あるが、ちょっといそがしいか。

  • 妙法寺の和尚を探偵役としたシリーズ8篇を収録。碁を打ちつつ事件の話を聞くだけで、たちどころに謎を解いてみせる安楽椅子探偵もの。「被害者のブラジャーのサイズ」、「容疑者は蟻が好きか?」etc、事件の話を聞いた和尚が発する珍妙な質問がどう解決に絡んでくるのかが見所。謎解きもなかなかトリッキーで愉しい。

  • 佐村刑事が事件を持ち込み、盃片手に碁盤の上で白黒を戦わせながら和尚が事件を紐解いていく…
    そんな流れで進んでいく短編集です。

    佐村刑事と和尚の会話がちくちくとしながらも小気味よく、すらすら読めます。
    和尚の、とても仏門の人間とはおもえないような種々の知識は面白い。

    しかし扱うのは毎回短編サイズの事件であり、謎は解明されるとはいえたいていぼやっと終わるので、総合してやや起伏に欠けるように感じました。

  • ミステリー連作短編集。ブラックジョークとちょっぴり怖い要素が満載。お坊さんと刑事が囲碁をしながら事件の絵解きをします。お坊さんが優勢になるほど、坊さんの推理がさえてきます。全8話。

  • 難航する事件を抱えた現役刑事が、碁仲間の住職の元を訪れる。
    そして、碁を打ちながら、事件のあらましを聞いて解決してしまう住職は、安楽椅子探偵ですね。
    探偵役がの住職が世俗に通じていて、事件もまた俗っぽいあたり、味があります。

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著者プロフィール

作家
1935年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞。95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞。日本ペンクラブ会長や文化庁文化審議会会長、山梨県立図書館長などを歴任。2018年、文化功労者。

「2019年 『私が作家になった理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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