模倣の殺意 (創元推理文庫)

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著者 : 中町信
  • 東京創元社 (2004年8月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488449018

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模倣の殺意 (創元推理文庫)の感想・レビュー・書評

  • クラシカルな××ミステリで、それもそのはず30年も昔の話というのですからもう十分に古典でしょうね。
    ただいくら時代設定が昔のものとなろうとも、仕掛けられていたトリックはきっとこれから先の世代もずっと楽しめるだろうと思います。
    今の時代はミステリのいろんなトリックが読み放題なのもあるのか、「●●●●はないだろう」とか思ったりしましたが…、騙すことだけを目的に作られてクラシカルなミステリとしてシンプルに騙されましたし楽しめました。さっぱりとした終わり方はなかなか素敵です。

  • 正直、最後まで読んで真相が判明したとき、少しがっかりした。そのトリックがあまりにも大胆というか単純に思えてしまったからだ。だからこそ「騙された!」というような気持ちのいい感覚は得られなかった。
    しかし、真相がわかった上で改めて読み返すと節々に伏線があったことに気づいた。特に序盤にあった「探偵イコール犯人」というワードがこの作品そのものを表していることに気づくと思わず感心した。他にも、秋子側の坂井は受賞したと一言も書いてないなど、真相がわかった後にその緻密な構成を事細かに理解できたので、★4。

  • 物語は昭和40年代。
    特急の名称でああ、この物語は現代(平成)ではないのだな、ということがわかる。
    しかしそれを除けば古さは感じない。

    坂井正夫という男が死んだ。
    自殺にしか思えない状況だが、彼は自殺などするような男ではないという。
    しかし、彼は新進の作家であり、最近ではその才能に枯渇が見られていたようだった。
    二人の男女が別々に独自の調査を進めていくうちに、彼と確執のあった男、彼が盗作したと思われる作品、そして謎の女性と子供の存在が明らかになっていく。
    彼は殺されたのか?
    それとも自殺だったのか?
    探偵役の二人がたどり着いた真実に、読者は二度読まずにはいられない。

    途中で、あるトリックが明かされる。
    それはちょっとご都合主義ではないか、とも思ったのだが、叙述トリックの妙とも言えそうだ。
    人々がそれぞれ自分の視点から語ることで、読者はまんまと著者の罠にかかってしまう。
    解説で鮎川哲也氏がA・クリスティの初期の傑作を思わせると書いているが、私も同感だ。
    と言ってしまうと、詳しい人ならばもしかしてあれかな、などと疑いつつ読んでしまうかもしれないが、できることなら「だまされないぞ」という気持ちではなく「だまされてやりましょう」の方が楽しく読めるように思う。

    解説の方も面白くて、読み終わった後に本作の変遷をたどることができてよかった。
    今でこそ珍しくない、読者への挑戦だが、出版当時にしてみればとても斬新なものだったのではないか。
    ミステリー好きには一読してほしい作品だ。

  • 騙されたー!!!
    途中までは気づいたのにー。
    気持ちの良い悔しさを久しぶりに味わえた良作。
    ミステリを読む楽しさってこういうところだよね。

  • 書店のポップに気圧されて。良いポップだなぁ。勉強になる。帯うらには瀧井朝世さんの短評。
    はてさて中身としては、うーん。開始数ページから読者に身構えさせてしまう文章。詳細までは掴めなくても、疑うには十分な、なんとなくこう、「ざらついた」感じを受けるような。文体は非常に端的なのだけど、その分彩りにかけてしまっているようにも。この段階で人を選ぶ気がする。なんとなく距離をとりながらよんでしまったというか。せっかくポップどおりすごいトリックなのに、そのせいで衝撃を受けきれない。
    あとあれ、主人公たちの推理は確かに意味がわからない。他の人の感想で言語化できた。
    ちょい気になって作家さんの来歴を調べた。なかなかの苦労人だったようで、そこに敬意は評したい。他の殺意シリーズもそのうち手に取る。

  • 約40年前に刊行され、去年ぐらいに「埋もれた名作」として話題になっていた推理小説。ようやく読みました。

    売れない小説家の坂田正夫が、自宅で青酸カリを飲んで自殺した。彼の死に疑問を抱いた中田秋子と久見津伸助はそれぞれに事件の真相を追うのだが・・・。


    読み終わってタイトルに納得!
    気持ちよく騙されました笑

  • 中々の本格推理物でした。
    久々に読みましたが、本格物はやっぱり面白い。

    ただ、私の理解力が乏しいのか途中で大混乱。
    序盤からなんか「アレ?」と思う部分があって、もしやこうなのではと思った案があったのですが「まさかね」と思うようなトリックだったので「まさか」のまま読み進めていたら、まさかの当たり。

    なのにもうごっちゃになっちゃって混乱しました。
    読んでない方には何が何やらさっぱりだと思いますが、なるべく
    ネタバレしたくないので、すみません。

    とりあえずトリックはびっくりしましたが、ちょっと脱力系でした。。。

  • 最初に書かれたのが1971年、その後改題したり加筆修正したりして出版されたものの、暫く埋もれていて、2004年、30年ぶりに再び脚光を浴びたそうな。そういう有為転変を経る作者・作品もあるのだなぁ。
    久しぶりに本格的な推理小説を読んだ。罠はこの辺だな、とわかりつつ、すっかり術中にはまり、読み終え枕元に置いた本を深夜から早朝にかけて何度も読み直し、心地好い完敗感に浸る。

  • かなり古めの作品だが、それも当然。
    解説によれば”このパターン”の叙述トリックを用いたものとしてはおそらく国内初らしい。
    その点を強調しつつ解説者が巻末で醸し出す「今となっては古いが、当時の作品としては画期的!すごいでしょ!」な雰囲気が、
    どうにも押しつけがましく感じられて…。
    どうやら私自身は本作に面白さは見いだせなかった模様。

    解説者はその理由を、既に類似の叙述トリックの作品を多く読んだせいで、
    元祖というべき本作に新鮮さを見いだせなかったのではと指摘するが、
    読んだ順番なんて関係なく、面白いものは面白いと思うんだけどなぁ。

  • 途中までは面白かったんだけどなぁ。中盤以降好みからずれていってしまったなぁ。

  • 最後まで読み終えても最初のうちはどういうことか理解出来ず、結末を知ってから最後の方をもう1度読んでみてようやく理解出来た。手の込んだトリックだった。作者の思い通りに、まんまとトリックに引っかかってしまった。
    よくある推理小説とは一味違い、こういう種類の推理小説は初めて読んだが、私はこの手のものはあまり好きではないなと思ってしまった。
    複雑で、一気に読まないと内容が分からなくなってしまう。

  • なかなか面白かったけれど、ミステリー読み慣れた目からすると、ちょっと弱いかなあ。そんなことあるー?という感じ。昭和48年作?なので、タイプライターや国電、親子電話といった響きがクラシカルで目新しいです。

  • トリック自体に驚きはなかったけども、ミスリードを誘う叙述の巧みさはなかなかのものだと思う。一気に読んだ。

  • 久しぶりのミステリだった。
    期間をあけて読んでしまったので、
    トリックを味わいきれなかったのが残念。



    坂井正夫はなぜ死んだのか。
    その理由を追う津久見と田中。
    それぞれが主人公となる章が交互になっており、
    少しずつ明かされる真実が収束していく様が見ものだ。

    クライマックス直前に作者からの挑戦状。
    過去に多くの推理小説で使われた手法をわざわざ使っている。
    それだけのトリックが読者を待ち受けている。

  • 作家坂井正夫の自殺に疑いを持った、友人津久見、中田はそれぞれ真相に迫っていきます。そして見つかるまるで死の状況を示したかのような作品「七月七日午後七時の死」、彼に持ち上がる大作家への盗作疑惑。いろいろな要素が込み入っている割に、展開もゆったりとしているのでわくわくどきどきというより、じっくりと読ませて頂きました。感想としては、細かい。中町氏の非凡さが感じられる一作でした。解説にもあった通り、現在では似たようなトリックが出ているため物凄かった、とまでは行きませんでしたが再読したい作品になりました。

  •  ちょっと普通じゃない終わり方をした本だった。

     本の帯の煽りに「騙されずに見破れますか?」って書いてあった本だったので、この本の物語の構成自体が一つのミステリなんだろうなって思ってたんですけど、やっぱりそうだったんですね。
     でもそのトリックがなかなかに面白かったと思います。

     話としては、作家の卵が自殺をするところから話が始まって、その死の真相を暴こうと、二人の人間が動き始める。
     一人は死んだ作家・坂井正夫の「恋人」と呼ばれる立場にいた女性。
     もう一人は、坂井正夫と同人サークルで一緒だった同じく作家だった男性。
     二人が坂井正夫の死の真相に辿り着くことはできるのか……?

     という感じの話でしょうか。
     でも、この話って話の筋はさておき、ちょっと他にトリックが隠されていて、それが一つの読者への挑戦状みたいになっています。

     まあでも、ちょっと予想の範囲内って感じもしますね。
     それほどの意外性っていうと、これだけあおられちゃうとなくなっちゃうとあれこれ想像しちゃうので、意外なことが意外じゃなくなっちゃうからちょっとあおりすぎかなあ……と思います。
     そういう意味では煽りを読まないほうが楽しめたかもしれません。

     まあ、何がどうなのかは、読んでから話してくれるといいかなあ……とは思います!

  • ※本書の肝であるトリックの内容に言及しまくっています。これから読もうと思っていらっしゃる方はご注意ください~(^ω^)/

    まず、表紙のタイトルの上に小さく書かれた「2つの年号」と、目次を見てわかる「語り手が二人」という設定に、「ってことは彼らが追ってる事件は同時代の事件じゃないな。つまり、同姓同名の被害者が二人設定やな!」と、「読む前から看破してしまったわ…(微笑)」と勝ち誇っていたわけですが。が!

    なんだか遠からずとも盛大に外れてしまったこの感覚をなんと呼ぼう\(^o^)/うおおおお

    表紙の年代、トリックに全然、関係なかった…(恥)(作品の初版発行年と創元推理文庫での初版発行年でした)。
    読んでる最中、「被害者の姓名はともかく、関係者の名前やその他もろもろ一致するってのはさすがに無理あるなあ…実は加齢してるって描写、あったか?」やら、「語り手の一人、じつはめっちゃおじいちゃん(か、おばあちゃん)で、昔を思い出してるとかなんじゃないの~」やら、最初に思いついたトリックに拘泥しまくるミステリスキーの悪癖がさく裂しました(^^)結果、中途半端にトリックに当たりをつけることができたというね(^^)←

    解説でも述べられている通り、昨今の××ミステリに慣れたミステリファンからすれば、手垢の付いたトリックの一つです。が、これも解説で言っていますが、この作品が世に上梓されたのが今から40年以上前、社会派ミステリ全盛期の時代だったことを思うと、本作を新本格の勃興の先駆けとなった作品とも位置付けることができるんではないかしらとしみじみ思いを馳せたりしたのでした。うーん、この文章、書いてて「私、何様やねん」とセルフ突っ込みしてしまった(笑)。

    文章は堅い感じがして読みにくいし、登場人物の誰一人として魅力を感じられなかったんですが、上記の点を評価して今回は星4つです(^o^)/

    7月7日、午後7時。作家・坂井正夫が服毒死した。現場の状況から自殺と思われたが、遺書はなかった。彼の死に不審を覚えた編集者とルポライターは、それぞれ独自のルートで真相を追求しようとするが…。

  • 内容より、40年前当時の女性の美しい日本語に驚いた。見習わなきゃと強く思った。
    こんな推理小説を読んだことないと、言うのが本音。
    いや〜α波が刺激されましたわ。

  • 埋もれた名作「模倣の殺意」を読んでみた。
    なるほど、展開も早くて読みやすい文章。物語は、編集者の中田とルポライター津久見の二人の視点から交互に語られていくのだが・・・。
    読み進むうちに違和感が・・・。

    まさか、二人が追っていたのが別の事件で、坂井正夫という同姓同名の人物が居たとは・・。

    40年以上前に書かれた作品なので、当時としてはかなり衝撃的だったのではないかと思うが、今、読んでみると、いささか古臭い印象も否めない。よって☆4個だけど、トリックの斬新さは現在でも通用するレベル。

    叙述トリックの名作ということはまちがいない。

  • 読んでいる途中で、もやもや(?)して、何度も前後を読み返した気持ち悪さが終盤でスッキリした。
    40年前に書かれた作品らしく、少し古臭い情景が浮かんだりもするけれど。
    全体的な違和感は感じなかった。
    もう一度読み返したら伏線が辿れて面白いだろうなと思うので忘れた頃に再読してみたい。

  • 面白かった。面白かったが、特にどこがというものでもなく。
    叙述トリックは、なるほど、と思わされるところがあった反面、有効に活かされているようには思えなかった。
    150208

  • こういった形の叙述トリックには触れていたので、あまり新鮮な驚きはなかった。
    著者本人が「エンターテイメント性なるものを度外視した作品」と言っているのが面白い。

  • 全体の筋は奇抜でおもしろい。二つの事件を、さも同じ事件であるかのように思わせるt。中田秋子、津久見伸助という二人の目から、交互に、同時進行であるかのごとく語られるので、読者はまさか違う話だとは最後まで気付かない。二つの事件が実は1年ずれている話であることと、死亡した坂井正夫が同姓同名の違う人物であることを気付かせないように構成されている推理小説のトリックというのは、事件そのものの中に仕組まれるものだと思うが、この小説は、語りで読者を騙して誤解させることを狙っている。小説そのものはおもしろかったが、読者に対してはずるい、ルール違反だと思う。

  • 読むのにすごい時間がかかった。主人公の2人にあまり興味が持てないというか、のめり込めなかった。
    トリックには「はぁ~?」と思ったけど、もう1回読み直してみようとも思わない。へー、もういいや的。
    本が新しかったこともありこんなに古い話だとは思わないで読み始めたので、そこからもう「騙された感」が。。。

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模倣の殺意 (創元推理文庫)の作品紹介

七月七日の午後七時、新進作家、坂井正夫が青酸カリによる服毒死を遂げた。遺書はなかったが、世を儚んでの自殺として処理された。坂井に編集雑務を頼んでいた医学書系の出版社に勤める中田秋子は、彼の部屋で偶然行きあわせた遠賀野律子の存在が気になり、独自に調査を始める。一方、ルポライターの津久見伸助は、同人誌仲間だった坂井の死を記事にするよう雑誌社から依頼され、調べを進める内に、坂井がようやくの思いで発表にこぎつけた受賞後第一作が、さる有名作家の短編の盗作である疑惑が持ち上がり、坂井と確執のあった編集者、柳沢邦夫を追及していく。著者が絶対の自信を持って読者に仕掛ける超絶のトリック。記念すべきデビュー長編の改稿決定版。

模倣の殺意 (創元推理文庫)のKindle版

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