春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
3.60
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本棚登録 : 9902
感想 : 1058
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488451011

作品紹介・あらすじ

小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校一年生。きょうも二人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに、二人の前には頻繁に謎が現れる。名探偵面などして目立ちたくないのに、なぜか謎を解く必要に迫られてしまう小鳩君は、果たしてあの小市民の星を掴み取ることができるのか?新鋭が放つライトな探偵物語、文庫書き下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • 以前から気になってた「小市民シリーズ」

    そもそも小市民シリーズってなんだ?って
    思ってましたが、読んで良く分かりました。

    氷菓や、本と鍵の季節とはまた違った学園もの
    であるものの、
    読みやすさや、一種の優しさの様な著者らしさは
    しっかりとありました。

    夏季も楽しみです。

  • 小市民を目指す高校1年生の、頭のいい小鳩くんといつもその後ろに隠れている小佐内さんのペアは、恋愛関係ではなく互恵関係。目立たない高校生活を望んでいるが、いろいろな問題が降りかかってきて、小鳩くんはつい推理をして解決してしまう。一見、ほのぼのした日常の推理もののように見える。ところが、小佐内さんの自転車が盗まれたことが解決していないなあ、そのまま泣き寝入りなんだと思っていると、最後の短編で思い切り打っちゃられるのだ。米澤穂信さん、なかなかやるね。

  • 小市民シリーズ第一弾。
    いろいろと「やり過ぎな」性格をやり直すために、同じ考えを持つ小佐内とともに小市民を目指そうとする。しかし、身の回りの謎に直面した時には過去の自分が出てきてしまい、後悔するという流れが基本的な話の流れになっている。
    小鳩は波風を立てずに、穏やかな高校生活を送ろうとするという所や本当は自分の能力を使いたくないという所は同作者の『氷菓』シリーズの折木奉太郎と似ているが、ヒロインの小佐内は千反田えるとは違い、危険な考えを持ち徹底的にたたきのめさないと気が済まないという真逆な性格をしており、読んだときはとてもびっくりしました。
    この本の構成は、短編集として成り立っているが、全体として伏線をはり最後の「狐狼の心」で自分の機嫌を損ねた人物の粗を探しそれを使って叩きのめしていくという所はとても強かな人物だと思いました。この2人の対比として堂島健吾の中学の時から何も性格が変わらないキャラクターがいることでより2人の人間性が際立っていて読んでいてとても面白かったです。
    次の夏・秋と続いていくので順々に読んでいきたいです。彼らが小市民になれるのか、とても楽しみです。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    小鳩常悟朗:福山潤
    小佐内ゆき:黒沢ともよ
    堂島健吾:日野聡
    堂島知里:ファイルーズあい

  • 古典部シリーズに続いて小市民シリーズを読んでみた。同じ学園物だが、こちらは小市民を目指す二人の男女の背景が暗く重い。恋愛関係に無い二人は互恵関係で助け合う関係。学園物なので、死体が出ないのは良いが、小さな事件ということか。このシリーズはあと2冊購入しているが、気が重い。

  • 評価は星3としたが3.5ぐらい

    古典部シリーズが好きな人は小市民シリーズもハマると聞いたので読んでみました。
    正直、読む前から期待値を上げすぎました笑
    たしかに古典部シリーズに相通ずるものもありました。
    「互恵関係」とはまた面白い設定を思いついたことです笑

    決定的に違うのは奉太郎は、千反田の好奇心を満たすための答えを出す(推理が本当に当たっているかどうかは曖昧)のにたいして、小鳩くんはしっかり理詰めで謎を解いていく点です。
    どちらも日常ミステリなので、その辺は好き嫌いが分かれると思います。

    ただ読んでいて、小鳩くんが謎を解決するにあたって納得いかないところもあったので個人的には古典部シリーズの方が好みです。

    しかし、小市民シリーズも古典部シリーズとはまた違った魅力がありました。
    また読み進めていきたいです。

  • 2020/11/02読了
    #米澤穂信作品

    小市民シリーズ第一弾。
    小賢しい小鳩と執念深い小佐内さんが
    過去を捨て小市民になろうとするも
    日常の謎に直面し本性が露わに。
    ライトな謎解きが爽やかで良い。
    2人の過去も気になる。

  • 「清く慎ましい小市民」を目指す高校一年生の小鳩君と小佐内さん。
    米澤穂信さんの作品は初めてだったのですが、とても読みやすいライトな探偵物語でした❁⃘*.゚
    小佐内さんの過去が気になるので、引き続きシリーズを読み進めたいと思います!
    健吾が伝授していた「おいしいココアの作り方」が気になったので…今度お家で作ってみたいと思います♪

  • 「小市民」シリーズ一作目。
    同じ作者で同じく高校生が主人公の「古典部」シリーズに比べると、少し雰囲気がジメッとしてるというか、甘そうなタイトルに反してビターな後味でした。
    個人的に小鳩君と小佐内さんの"互恵関係"って設定は面白かった。
    ただし謎は少し小粒に思った。

  • 人の死なない日常ミステリーは嫌なドキドキ感がないから安心して読めるので好き。

    「小市民」になろうとしている小鳩くんと小佐内さんの二人の何とも言えない距離感が面白い。この先もこの距離感を保っていくのかも気になるし、
    小市民になるのを忘れて素の自分に戻ったときの小佐内さんのギャップもすごい。小佐内さんの過去が非常に気になる。

    • まろんさん
      子リスのような小佐内さんが、
      いちごタルトと自転車を盗まれてから見せる豹変ぶりがすごいですよね!
      続きが気になっているんですが、イナカの図書...
      子リスのような小佐内さんが、
      いちごタルトと自転車を盗まれてから見せる豹変ぶりがすごいですよね!
      続きが気になっているんですが、イナカの図書館には置いてなくて
      古書店にもなかなか出回らないので読めないでいます(>_<)
      2012/09/29
  • 祝!アニメ化ということで読んでみました。古典部シリーズが好きなのですが、やはりこれも自分好みの作品でした。

    小市民になろうとする2人ですが、それぞれの短所(小市民を目指すうえでは)があるゆえに謎を解いてしまう姿が可愛らしいです。
    読み始めと後とでは小山内さんの印象ががらりと変わりました。続刊も読み進めようと思います。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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