秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)

著者 : 米澤穂信

• 東京創元社 (2009年3月5日発売)

感想・レビュー・書評

[cidenonさんの感想 · 2020年10月7日]

犯人も動機も、瓜野がどういうミスリードをやらかしているかもなんとなくわかってしまった。
まあ、物語上小佐内さんは犯人じゃないだろうなという前提があったからだけれど。
北条がどうかかわってくるのかだけ最後まで分からなかったが、関係ないのかよ。

それにしても、登場人物たちはどうしてみんな偉そうなんだ？
健吾を除けば、好きになれる人がいない。

仲丸は小鳩に対して人間失格だなんてどの口が言うんだ。

小佐内さんは裏から手を回すようなことをして何様なんだ。
彼氏に対する不満を直接伝えもせず、嫌がらせをするなんて最低だ。
報復が過剰すぎる。

小鳩も小佐内さんも、前の恋人と比較して一緒にいる人を決めるなんて、失礼だと思わないのか。
誰しも経験のあることだとは思うが、それを悪びれもせずオープンに語るのはおかしい。

共感できる人間的魅力は皆無で、痛快な物語でもない。

[ishii14さんの感想 · 2020年4月22日]

最後の一行でやられました

[もんすずさんの感想 · 2020年4月21日]

毎度の事ながらスイーツの豆知識？は読んでいて面白い！食べるのは好きなので

小山内さんの賢さ？用意周到さ？にニヤリとしてしまう。

[ニセ人事課長さんの感想 · 2020年4月8日]

そして話は下巻に突入。

小山内さんにいいところを見せようと功名心に逸る瓜野くんと、事件と小山内さんの関わりをいつしか心配してしまう常悟朗、それぞれの事情のもとに連続放火犯を追う二人。
う～む、恐るべし、小山内ゆき。。
常悟朗が『小山内さんのやり方じゃない』と呟く以上、このシリーズの読者はそれを信じながらも、では何故…、では誰が…と進むお話。
最後の放火の場面に続き、そして語られる真相は、え～そうなのか…、いやいや…って、なかなかひねりが効いた内容で堪能した。

常悟朗と仲丸さんのパートは本線とはあまり関係なさそうに見えてたけど、＜小市民＞に拘る常悟朗（と小山内さん）にとっては、結構重要な意味を含んでいたのだな。
最後の章で語られる二人の会話は、ちょっとしょっぱい幸福感。
この「秋季限定」の上下巻だけでなく「春季限定」と「夏季限定」もあわせて、＜小市民＞たりえなかった二人の長い話を読んだ感。
それにしても、やはり、恐るべし、小山内ゆき。。。

[Takeru.Kさんの感想 · 2020年3月28日]

一年間かけて栗きんとんか、マロングラッセかを決める。
とっても要約すると、そういう話だった。

[よはんさんの感想 · 2020年3月21日]

推理はおまけで、小佐内さんの復讐をみる話。色んな伏線が綺麗に回収されていた。

[quatorzeさんの感想 · 2020年3月17日]

そして僕たちは対峙する。

連続放火事件は徐々にエスカレートし、部長になった瓜野くん率いる新聞部はその事件を追う。一方、小鳩くんは一連の事件に小佐内さんが関与しているかを考えていた。元新聞部部長である健吾の協力も得て、踏み込んでいく小鳩くんだが、彼女である仲丸さんとの間は微妙な関係が続きーー。

氷谷くんが犯人というのは、意外とあっさりわかるというか。明らかになっても、そんなにカタルシスはなかった。言ってしまえば、一番疑わしい人だから。この事件に関して、ハウダニットはあまり求められていない。むしろ大きな謎なのは、「小佐内さんの犯行ではないのか？」だから。

やはり小鳩くんも小佐内さんも小市民にはなれない。けれど、持っている力をどう使うか、ということを考えれば、小鳩くんの行動は、それほど危ぶむことではない。小佐内さんが連続放火事件に首を突っ込んでいた理由は、最初はとにかく後半は「復讐」だった。これが明らかになったラストシーン、唸った。これが許されない大罪であることだと、きっと仲丸さんには理解できるけれど、小鳩くんには思い当たらないだろう。

小鳩くんが他人の感情や心情に疎いかと言えば、そうではない。常識的な倫理観は持ち合わせているし、他人の観察もよくしていて、そこから情報を引き出している。ただ、恋愛の機微はうまく掴めないようで。仲丸さんがくれた「体温が上昇する」というキーワードを、事件に出会った時と同じに取るのなら、小佐内さんと「恋愛関係」にあればいい。いずれ、小鳩くんにも結論を出せるようになる時が来るだろう。小佐内さんの方が、今のところそこは一歩リードしているか。

[no_identifyさんの感想 · 2020年1月30日]

どんどん本性がでてきますよ(・∀・)

前作もそうだったけど、最後の方で軽いどんでん返しがある。そのこと自体は予定調和(笑)なんだけども、どういう思惑があったのかは楽しめるところ。ダメージの与え方もその動機もまぁなんというか、すごくらしい。

昔、「真実の行方」という映画でエドワード・ノートンが最後の最後でニヤっと笑うシーンがあったような記憶があるんだけども、なんとなくそういう「ニヤ」と思い出した。あそこまでドロっとはしてないんだけども。

あとは冬を残すのみ。高校生活が終わるまでの何かとして、どんなことが勃発するのか楽しみだ。

[ぬまたさんの感想 · 2019年11月19日]

あーー終わっちゃったーーさみしーーめっちゃキャラのたつ締め方で好きーー

[8833ariesさんの感想 · 2014年8月11日]

20140811
読み終わってしまいました。小市民シリーズ。（現在出版されている分。）上下巻に渡る秋期限定栗きんとん事件、解決してしまいました。毎度のことながら人が死なないのにこの満腹感。大満足です。最後の小佐内さんの一言でニヤリ。
個人的に秋期の小鳩くんがなんだか好きです。仲丸さんとの付き合い方がどうも小市民になれない小鳩くんらしい！小鳩くんは本当に誰とお付き合いしてもああなのかな、私とお付き合いすることになっても、きっとああなのだろうな、悲しいな、と思いを巡らせてしまいました。
ああ、もっと米澤穂信さんの手のひらの上で踊らされたい！冬期限定が楽しみで仕方ありません！

著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー＆ホラー部門奨励賞」（ヤングミステリー＆ホラー部門）を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」（長編及び連作短編集部門）、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい！」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい！」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。