折れた竜骨 上 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 3498
感想 : 213
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488451073

作品紹介・あらすじ

魔術や呪いが跋扈する世界で、推理の力は真相に辿り着くことができるのか? 第64回日本推理作家協会賞受賞ほか、各種年末ミステリ・ランキング上位を総嘗めにした話題作!

感想・レビュー・書評

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  • 中世ヨーロッパ、ブリテン島の沖に浮かぶソロン諸島を舞台としたミステリー仕立てのファンタジー。

    ソロン諸島の領主エイルウィン卿が暗殺騎士エドリックの邪悪な魔術〈強いられた信条〉により殺されてしまった。直接手を下したのは暗殺騎士に〈走狗〉として操られた身内の誰かだ。エイルウィンの娘アミーナは、暗殺騎士を討ち果たすためソロン島を訪れていた(そして殺される前日に暗殺騎士が命を狙っていることをエイルウィンに警告した)聖アンブロジウス病院兄弟団の騎士ファルクとその従者ニコラとともに、暗殺騎士に繋がる〈走狗〉の痕跡を追う。探偵役はファルク。

    中世ヨーロッパの独特の雰囲気、孤島=密室で起こった殺人事件、そして怪しげな魔術の数々。こういう世界観、好きだな。

  • 上下巻読んでの感想です。魔法が出てくる世界と、ミステリー要素、どう絡み合っていくのかと思い、なかなか先が読めなかったので最後まで楽しく読了出来ました。また続きがあるなら読みたいと思える作品でした。

  • 十二世紀のイギリス近くのソロン諸島が舞台。外れのない作者の小説とは分かっていながら、「剣と魔法の、、、」とか言われると流石に食指が動かず、後回しになってしまっていた。
    これ特殊設定ミステリなんです。しかもガチガチのフーダニットです。領主が殺されたときの容疑者は8人。しかも、犯人は魔術によって操られているため、動機は一切ないが、当人にとって論理的に行動するというルール。こんなの最高じゃないですか。
    外国人の名前ばっかりですが、登場人物のキャラクターも立っていて、分かりやすく読めます。食わず嫌いせずに読むとのめり込めます。

  • お借りした本
    ファンタジー×推理小説
    上巻はだいたいの世界観と
    各登場人物の背景説明が主

    異世界の推理小説で言うとSFだけど
    「破壊された男」を思い浮かべる(追い詰められる犯人側のパートはないけど)

    科学が進んでいないので、呪いや何らかの迷信めいたものとして自然現象が語られていたり、科学を超えて魔術が存在したりする妙なバランスの中で探偵役の騎士が活躍します。

    あんまり読まないジャンルですが
    この作家さんを信頼していて下巻が楽しみ。
    どうしてもアニメ版の「氷菓」の人物に置き換えようとする脳を押さえつけて読んでます。

    世界観を登場人物の心の中に織り込んでる技(ある人の行動を見たときに、バチが当たらないか考えたり、その世界で信じられている一般的な考え方をする描写)がすごい良いです。

  • ミステリだが、舞台は中世ヨーロッパのソロンという島である。そこで起こった領主殺人事件を謎解くというので、もっと小品をイメージしていたのだが、そうではなかった。
    ソロン島を奪おうとする「呪われたデーン人」との攻防、魔術を駆使する暗殺騎士を追ってきた騎士と従士が抱えた過去、領主が呼び寄せた傭兵たちのやり取り。
    壮大なファンタジー映画ができるのでは……。
    戦々恐々としつつ、下巻に進みます。

  • 米澤作品で外国を舞台にした長編を読むのは初めてで、新鮮な気持ちだった。最初は読みにくく感じ、なかなか読み進めれなかったが、なんとなく雰囲気も掴めてきて、やっと上巻を読み終わった。
    ソロン諸島を舞台に魔法も絡んできて、ゲームのRPGの様な展開。一体、領主を殺したのは誰なのか、暗殺騎士との決着はつくのか。下巻に期待します。

  • 特殊設定ミステリブームの火付け役というかそもそも特殊設定ミステリというワードの初出とも言われる米澤穂信『折れた竜骨』上下巻読了。中世ヨーロッパ的な魔術の実在するファンタジー世界での島の領主殺害の謎を核としたミステリ。魔術ありの世界でミステリを成立させる丹念な記述とフェアに徹した伏線が秀作足らしめている、とは思う。が、わりに力業な部分が気にならなくも。。。

  • 他の米澤作品とは毛色が異なる中世ヨーロッパのミステリー。内容自体は面白く感じるが、下巻が楽しみというほど没入はできていない。何かフワフワした感じが強く、登場人物の誰にも思いが乗らないのかな…今後の劇展開に期待したい。

  • ファンタジーは米澤穂信では無いところで好きな分野だった為なんとなく後回しに積読していた。
    読み始めるとちゃんとミステリー。

    下巻の解説でハイファンタジーについて触れられているようなので、読後の楽しみの一つにしよう。

  • 上下巻読んでの感想です


    ファンタジー+ミステリーと聞いて読みたくなった
    世界観も楽しかったし、謎解きも面白かった
    そして少女と少年が新しい一歩を踏み出す話でもあった
    ファンタジーはその世界のルールをインプットするのが手間取ったりする事もあるけれどこれは読みやすかったです

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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