天使の歌声 (創元推理文庫 M き 4-2)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488453022

感想・レビュー・書評

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  • 確かにどんでん返しだし、意外なオチなんだけど、いまいちすっきりしない。推理が推測の域を出ないうちからフィナーレを迎えてしまうからか?

  • 警告
    小説NON 2000年12月

    白髪の罠
    小説NON 2001年2月

    絆の向こう側
    小説NON 2001年5月

    父親の気持ち
    小説NON 2001年9月

    隠れた構図
    小説NON 2001年12月

    天使の歌声
    小説NON 2002年3月

  • 収録内容は以下の通り。

    警告(2000年12月 発表)
    白髪の罠(2001年2月 発表)
    絆の向こう側(2001年5月 発表)
    父親の気持ち(2001年9月 発表)
    隠れた構図(2001年12月 発表)
    天使の歌声(2002年3月 発表)

    探偵「嶺原克哉」が共通して登場する、著者初の連作短編である。
    読み進めるにつれて仮説が覆されていく展開がよく練られている。
    登場人物たちの家族構成が複雑で、且つ時系列も入り組んだ描写がされていて、話の筋を捉えづらい。終盤の解決に入る前にそれまでの流れを整理しておくと読みやすい。

    カバーデザインは岩郷重力+WONDER WORKZ。、カバーイラストは佐久間真人。

  •  探偵「嶺原克哉」が関わった6つの事件からなる連作短編集。それぞれの短編が,非常に淡々とした文章で書かれている上に,地味な印象の事件が多い。「嶺原克哉」のキャラクターも非常に地味。創元推理文庫らしい作品だ。
     連作短編といっても,シリーズを通した仕掛けがあるわけではない。同じ探偵が登場しているだけである。この探偵が,まるで個性がない。では,面白くないかというと,これが案外面白い。面白いと感じた理由は,個々の短編に無駄がほとんどないからだろう。テンポよく話が進む。多重どんでん返しが魅力とあるが,犯人やトリックに意外性があるというより,意外なオチが用意されているショートショートのようなイメージだった。読む前の期待値が低かったこともあって,それなりに楽しめた。★3で。

    個々の作品の所感は以下のとおり

    ○ 警告
     血液の研究をしている研究者に,遊ばずに研究をするように脅迫をしていた男の話。その研究者の愛人と脅迫をしていた男が殺される。犯人は脅迫されていた男の子どもである隼人という少年であるというオチ。これはイマイチ。

    ○ 白髪の罠
     妻が不倫をしているかもしれないと峰原に捜査を依頼する男の話。不倫ではなく,死んだと思われていた依頼者の父が生きており,妻はその秘密を守ろうと,弟と協力していた。嶺原は妻と弟が父を殺害しないように警告をするというオチ。

    ○ 絆の向こう側
     臓器移植がらみの話。養子でもらった少年に臓器移植ができるように,血がつながった兄を探すが,父が現れ…。オチは,父だと思っていた人物が兄で,祖父だと思っていた人物が父で…ややこしい話だが結構面白かった。

    ○ 父親の気持ち
     中学時代に娘にレイプ未遂をした男と娘の親友が付き合っていることを知り,ショックで事故死した娘の復讐をしようとする父の話。父は,レイプ未遂をした男と娘の親友の間の子どもを誘拐して,殺害したかに見えるが,真相は,レイプ未遂をした男の子どもではなく,そのことがばれないように,本当の父親だった娘の従妹が犯人で…ややこしい話だが,これもなかなか。

    ○ 隠れた構図
     小林成絵の夫,かつてはカリスマ講師と言われた男小林幸造が急死する。塾の講師である粕谷容子が塾を辞めるが,実は容子は構造の愛人。愛人であることをばらすと脅迫をしてくる。成絵は容子を殺害し,トイレの盗撮を利用いしたアリバイ工作するが,そうすることで息子が疑われるおそれがあることを知り,自殺をするというオチ。6作の中では白眉。まさに二転三転するどんでん返し。ややこしく,分かりにくい話ではあるが…。

    ○ 天使の歌声
     表題作。言葉を話せない代わりに聞くものの心を癒す歌声を持つ弟。そして,その母替わりだった愛人。弟の主治医が死に,嘘をついていた愛人が犯人だと思われるが,実際は弟は言葉を話せる可能性があり,そのことがばれないように弟を殺そうとした主治医が事故死した話。これも意外性はある。及第点以上のデキではある。

  • 短編なので真相までにたどり着く時間が短いのに、その中で推理の誘導を二転三転させようとする意図が過多気味なのではないかと感じた。
    大きな話の展開を何度もできるわけではないから、細かな部分の辻褄をあちこちに転がして、それを追いかけるのに多少疲れを覚えもした。
    あと、あらすじ紹介に連作集とあったので興味を持って読んだのだが、主人公?の探偵が全ての短編に登場するだけで、ストーリー自体は全く関係がない話の集まりのようだ。

  • 『僕を殺した女』や『金のゆりかご』など、無機質なタッチでどんでん返してんこ盛りのミステリーを世に送り出してきた北川歩実ですが、短編集はもひとつです。探偵がリクエストを受けて捜査するという構図ですが、いなくてもいいのでは?と思うくらい印象薄いです。解き明かされる謎も、どうも冴えない。目先がコロッコロ変わるので、「で、なにが真相やねん!」と突っ込みたくなる話が多かったです。この作家はある程度の分量がないと自分のやりたいことを表現できないのではないでしょうか? 文庫書き下ろしらしいですが、たしかに週刊誌掲載できるレヴェルではないような気がしました。残念。

  • 親子をキーワードにした、短編推理小説集。
    うーん、ちょっと微妙だなぁ~
    たしかに、どんでん返しがあるんだけど・・・
    それがあまりにも突拍子もないものなので、、、

    なーんかね、机上の空論にしか思えなかった。
    リアリティを感じない。

    謎解きが落ち着く場所まで読み進めるけど、
    あー、そこに落としたのかーって
    ただそう思うだけだったな。

    伏線も手がかりもないから、「読者」は全然「探偵」になれない。
    最後まで「読者」は「読者」ってかんじ。

  • ★★★   表題作はおもしろかったです。ただ、あとの5編も、設定は違えど表題作の派生みたいな真相だったのがちょっと。表題作が最後だったのでおもしろかったのはおもしろかったですが。

  • 正統派ミステリー小説
    探偵・嶺原克哉が出会った6つの難事件
    多重どんでん返しの結末
    読みやすく、楽しい読書時間でした

  • 2011/09/01
    会社

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