百万のマルコ (創元推理文庫) (創元推理文庫 M や 3-4)
- 東京創元社 (2007年3月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488463045
作品紹介・あらすじ
黄金が溢れる島ジパングで、大冒険の末、黄金を捨てることで莫大な黄金を手に入れた-。囚人たちが退屈に苦しむジェノヴァの牢。新入り囚人"百万のマルコ"ことマルコ・ポーロは、彼らに不思議な物語を語りはじめる。いつも肝心なところが不可解なまま終わってしまう彼の物語。囚人たちは知恵を絞って真相を推理するのだが…。多彩な謎が詰まった、文庫オリジナル連作集。
感想・レビュー・書評
-
フビライハーンに仕えたマルコポーロ。
ジェノヴァの牢に幽閉され、そこで三人の囚人と過ごすことになる。
退屈に苦しむ彼らに、東方見聞録を聞かせ、一時の脱獄を与える。
法螺吹きマルコの語る物語はいつも肝心なところが解せぬまま終わってしまう。
そこで、三人は知恵を絞るのだが...
マルコポーロの東方見聞録を下地に創作されたミステリだが、ちらりほらりと「生きて虜囚の辱めを受けず」の戦陣訓が見え隠れするのあたりが柳氏らしい気もする作品でした。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ホラ吹きマルコとゆかいな仲間たち。笑
退屈に蝕まれる牢の囚人たち。そこに新たにやってきた囚人は、世界の果てを旅したというマルコポーロ。彼は、自分の冒険譚を、他の囚人たちに語る(騙る?)のだが、その話には必ず一つ謎が残されていた。
囚人たちはその謎を解き明かそうと躍起になり、そうして退屈という牢獄をその時ばかりは抜け出すことができた・・・。
短篇集ですが、◯分間ミステリーみたいな感じ。全編牢屋の日常⇨マルコの語り⇨クイズ⇨牢屋で話し合い⇨マルコの解答⇨オチという流れ。だもんで、気が急くと「牢屋で話し合い」をすっ飛ばしたくなります(笑)
楽しくどんどん読み進められますが、小説を読んでいるというよりは、クイズ本を読んでいる気分でした。マルコ含め、囚人たちのキャラがいいですね。 -
捕囚となったマルコポーロ(果たして本物か偽物か?)が捕囚仲間に語って聞かせる小話を集めた、という体の短編集。最後にきちんとオチもついている。本編は気楽な読み物だしそれなりに難癖をつけるようなところは特になしだが、おまけの解説がなんとも頂けないものでマイナス評価したいほど。
-
うまいよ、柳さん!
マルコ・ポーロが獄中で囚人たち相手に、自分が元のフビライに仕えていた時の話を聞かせるのだが、その話にはいつも謎解きが含まれている…という脳トレみたいな面白さ。
一話ずつはすごく短いのに、すごく充実してる。
解き明かされると「ああ〜」と思うのに、自分じゃ全然わかんないんだよね。
まあだからこそ、私はミステリを楽しめるんだな。笑 -
イマイチで、中断終了
-
ジェノヴァの牢屋の中で、囚人たちの退屈を紛らわせているのは、百万(ホラふき)のマルコことマルコ・ポーロが若い頃に大ハーンに仕えていた時の不思議な冒険譚。
黄金を自国のものと交換したり持ち帰ることのできないジパングから、どうやって黄金を持ち帰ったのか、など13のミステリー短編が収められている。謎解きというよりも頓智というか、人間の心理的な盲点をついた”頭の体操”的な話が多い。そういう意味では、同じ作者の『D機関』シリーズにも通じるものがあるが、本書はもっとライトな雰囲気で楽しめる。
米澤穂信氏がテレビ番組で推薦していた作品だが、変化球好きの米澤氏がいかにも好きそうな話がたくさん詰まっていた。 -
何も考えずただほうほうと読んでしまった。頭の体操なのね。