少女には向かない職業 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M さ 5-1)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488472016

感想・レビュー・書評

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  • 2019/6/3読了。
    二人の少女が、ふたつの殺人をするお話。とっても桜庭一樹っぽい作品。

  • 所々に感じる登場人物の間抜けっぷりに拍子抜けするところもあるが、語り手が中学生の葵と言うところもあって違和感なく読み進められるし文章的にも読みやすかった。マニアックな抜粋は桜庭一樹の作品を形作るものなんだろう思うと興味深かった。出だしの葵と終盤の静香がお互いを同じ(こいつは本物の殺人者だ)という認識で見ていたことが明らかになって、なんだかすごく気持ちが良かった。

  • 一人もいいものだな、とあたしは思った。周りに気を使うのは疲れる。これは夏休みの正しい使い方というやつかもしれない。こうやって魂の休息をとって、それで夏休みが終わったら、また二学期からがんばろう。友達づきあいとか、いろんなことを。 (P66)

  • 再読。少女を苦しめ脅えさせる家庭環境。それに打ち勝ち、逃れるために犯した殺人に、結局少女の魂は耐えられない。耐えても地獄、行動しても地獄。幼い少女にはそもそも自分で人生を切り開くような圧倒的な力はないのだ。桜庭さんの描く徹底的な救いのなさが、少女という弱者のリアルを語りつくしている。

  • 義父にゲームのカードを潰されてしまうくだり、ああっとなった。たかがゲームのデータ、なんて言ってしまうことは簡単だ。けれど、あのときの彼女にとってあのドラゴンは確かな拠り所で、逃げ場所だったはずで、それを思うとやりきれない気持ちになった。
    田中颯太をめぐる女の子たちのやりとり、仕方のないことだけれど、やはり美少女に惚れてしまうんか……。主人公がグーで殴りにいったところ、最高だ! 仲が良くて、これまで一緒に遊んでて、なのに向こうが彼女を作った途端、二人で遊ぶことは後ろ指をさされる行為になる。いや、常識としてわかるんだけど、なんだかなぁ感あるね。友人も同情してくれないし。
    後半はどきどきしながら読み進めた。「大西葵はあたしにとって特別な女の子」的なこのセリフも、やはり最高! と思った。ラストの終わり方には、うわーっそこで終わるのォ!と思って読み終えた。このあとどうなるか、予想はできるから文句はなくて、ここで終わることのインパクトがただひらすら胸に響いた。

  • はじめの殺人までは引き込まれたんだけど、そのあとは尻すぼみだった…

    すごい行動力があるのに、やっぱり思考がJCで、JCが衝動で人が死ぬように仕向けてしまうところはすごく面白かったんだけど、読者は静香をどう扱えば良かったんだろ…
    静香、よくわからんし感情移入もできないし、最後も結局口ほど強くなかったし

    良くも悪くも、リアルJCなんすかね????

  • アルコール中毒の義父と,母親との三人暮らしの葵は,クラスでも目立たない,ステレオタイプの図書委員といった風貌のクラスメイトとともに,偶然にも義父を殺してしまう.
    クラスメイトに新たな殺人を持ち掛けられ,苦悩する中学2年生の少女の話.

  • 1日で読めた。つい最近、中学生に「今の中学生におすすめしたい本はあるか」と聞かれて、難しい質問だなと思ったが、これなんかいいのではないか。そう考えると、青年のための読書クラブもいい。

  • あたしはもうだめ。ぜんぜんだめ。少女の魂は殺人に向かない。

    読みはじめは静香はただのゴスロリ少女だと思ったけれど、後半すごくすごくキャラクタがよい。

    「用意するものは冷凍マグロと噂好きのおばさんです、と静香は言った」
    第三章のタイトルなんてユーモアが溢れてる!桜庭一樹は、一番乙一ににている作家なのでは?ほかの作品も読みたい。

  • 読みやすかった。でも、その読みやすさとは別に、内容は家族や友達の複雑さがリアルで重かった気がした。そして、この本は子供と大人とで、きっと読んだ後の感じ方が違うと思う。

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著者プロフィール

1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書『少女を埋める』他多数

「2023年 『彼女が言わなかったすべてのこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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