さよならの次にくる <卒業式編> (創元推理文庫) (創元推理文庫 M に 1-2)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488473020

作品紹介・あらすじ

「東雅彦は嘘つきで女たらしです」愛心学園吹奏学部の部室に貼られた怪文書。部員たちが中傷の犯人は誰だと騒ぐ中、オーボエ首席奏者の渡会千尋が「私がやりました」と名乗り出た。初恋の人の無実を証明すべく、葉山君が懸命に犯人捜しに取り組む「中村コンプレックス」など、「卒業式編」は四編を収録。デビュー作『理由あって冬に出る』に続くコミカルな学園ミステリ、前編。

感想・レビュー・書評

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  • 「市立高校シリーズ」学園ミステリ第2弾。今回は短編集。
    基本的に葉山くんが主人公なんだけれど、伊神さんにだまされて思い込んで読んでいた物語もあった。
    最後の話は、伊神さんらしい。途中で、本当に、伊神さんっていなかったのかもしれない、と思ってしまった。

  • シリーズ2冊目。4つの話が収録されている。
    葉山くんの小学生の時の話、女子校の絡んだ話、庭園とお姉さんと猫の話、そして伊神さんの卒業の話。今回もこれといって驚く大きなトリックはないが、葉山くんと伊神さんのコンビもいい感じで謎解きの部分も楽しめた。ある一話は「え!まさかあの子がそんな事するなんて!」と一瞬失望するが、その後の展開に思わず失笑してしまった。まんまと騙された私。
    葉山くんの必死さと、伊神さんの家庭での雰囲気が垣間見れる最終話が一番気に入りました。その最終話は謎が残る部分があり次回作に続いているようなので、次を読むのが楽しみだ。

  • この本を読んで、なんだかいろいろ身につまされた感じ。何がというよりかは、全体に醸し出される雰囲気に。

    こうした高校生・大学生が登場する小説をよく読むのは、灰色の高校生活だったことの代償行為なのかもしれないと常々感じるのだけど、なんとなく中二病的ななにかが働いている気もして、若干の痛々しさもなくはなく。

    今回の作品は高校の卒業という、冬から春へ移ろうタイミング。その季節が持つ物悲しさ故だろう、「別れ」の話が多い。高校生の探偵ものという非日常な設定にも関わらず、高校時代の思い出のせいで、妙なリアリティがかぶさってくる。あぁもぞもぞする。

    話としては一区切りがつくのか、卒業してしまった彼が今後どうなるのか。連作短編としての構成もかなりよかったので、次の展開が楽しみ。

  • 前後編の前編、なのだけれど連作短編形式なのに視点人物が……だし、探偵役の伊神さんもさっさと卒業してしまうし、いったいどうなるの?というもやもやの中で、後編へ。

  • 前作が望外に良かったのでホクホクと読んだ続編。しかし実はこれは言ったら中編にあたっており、この最後では非常に宙ぶらりんな状態なのであった。急いで後編に進むべし。

  • いい加減半端になってるシリーズものを読破してしまおうと思い立った第1弾。 葉山&伊神シリーズ第2弾。 だと思ってたんだけど、この巻で伊神さん卒業しちゃったよ。 伊神さんが好きで読んでるようなもんなのに、早くも心折れそうになる。 残り全部借りてきてるから読むけど。 内容は可もなく不可もなくな印象。 猫の話は何かの伏線なのかな。

  • 後編にまとめ。

  • (卒業式編)
    名探偵が卒業するのか・・・続かないもんだと思いつつ読了
    前作で知り合ったメンバーなので読み進むのが早い
    新キャラ、容貌がと整っているのにぶっといメガネをした一年正が一人部活(美術部)に配流(=入る)
    前作も殺人は無かった、学生生活の細かな謎に答えを授けてくれる便利な名探偵だが、キャラづくりの為か行動がオカシイ・・・というのが、3巻の伏線になっているので慎重に読み進めてね(´・ω・`)

  • 市立高校シリーズ第2弾の学園ミステリ。高校生たちの甘酸っぱい青春とミステリがいい感じに融合された作品で、ほんわかしつつも謎はしっかり謎。葉山くんが可愛くて好き。

  • 別の著者の本も読もうと思っていたが・・できなかった。まだまだ忙しくて、肩のこる本は読めない。そして、やはり期待通りの面白さだった。
    今回は短編が4つ含まれている。前作の物語より時系列が前のものもあるが、卒業編とあるように、最後は卒業式の日の物語だった。「市立高校シリーズ」はたくさんあるのに、2冊目でメンバーが卒業したり進級したりするのは意外だと感じた。まだ先を読んでいないのでわからないが、卒業した伊神さんはこれからもちゃんと探偵をやってほしい・・お願いします・・
    4つの短編のうち、最初のものは、正直なところこれを実際にできるものなのかな?と感じてしまった。2作目の「中村コンプレックス」が一番面白かったし、著者の力の入れようも特に感じた。
    前作でも感じたが、自分は葉山くんに性格が似ているような気もする。苦労性で、面倒ごとに巻き込まれやすく、伊神さん的な人の助手的ポジションの立ち回りが多いことなど。だから本シリーズを好きになったのかもしれない。でも、自分には残念ながらミノのような親友はいない。それにしても前作の序盤と比べるとミノはとても頼りになる感じである。

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著者プロフィール

1981年千葉県生まれ。2006年『理由あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選しデビュー。「市立高校」シリーズ、「戦力外捜査官」シリーズ、「楓ヶ丘動物園」シリーズなどの人気シリーズの他に『難事件カフェ』『迫りくる自分』『きみのために青く光る』『シャーロック・ホームズの不均衡』『レジまでの推理~本屋さんの名探偵~』『101教室』『彼女の色に届くまで』『100億人のヨリコさん』『名探偵誕生』『叙述トリック短編集』『そこにいるのに』『目を見て話せない』『生まれつきの花 警視庁花人犯罪対策班』などがある。

「2023年 『育休刑事 (諸事情により育休延長中)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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