月光亭事件 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M お 6-1)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488490010

作品紹介・あらすじ

引退した名探偵・石神法全の後を継いで探偵事務所を営む野上英太郎の元に、ある日猫を連れた少年が訪れる。卓越した推理力を持つその少年・狩野俊介は、石神との出会いを契機に探偵を志していた。野上は彼を助手として、直後に舞い込んだ依頼-大病院の院長の妻に取り入り、一家の館に居座る奇妙な宗教家の正体を暴くこと-に乗り出すが。少年探偵・狩野俊介シリーズ第一弾。

感想・レビュー・書評

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  • 事件自体は家族の愛憎と打算が渦巻いていてどろどろしているが、警察に協力する探偵の野上英太郎と12歳の助手狩野俊介が気持ちのいい人柄で、爽やかな後味を残す。俊介君と子猫のジャンヌはなかなか可愛い。大掛かりなトリックが使ってあるけど、まあ楽しめていいかも。探偵が警察に協力するなんて御伽噺の領域だが、構成や人物の描き方が上手なので読まされてしまう。

  • 少年探偵狩野俊介第1作。探偵野上は病院長から妻を誑かす宗教家の正体を暴く依頼を受け、俊介と屋敷に向かう。敷地にある月光亭で導師が消え、磔にされた院長夫人の死体が発見された。大胆なトリックと複雑な人間関係で楽しめた。

  • 可愛い表紙なのでもっと子供向けの本なのかと思ったら、殺人はあるし不倫、婚外子の話ありとなかなかハードな内容だった。殺人トリックは金持ち道楽トリック。続き物のようなので、機会があれば読んでみようかな。

  • 怪しげな宗教家、双子、密室、相続争い、手毬歌など、推理小説のガジェットが満載。伏線の配置や回収も堅実で犯人当ての楽しさを味わえますが、密室トリックは誰にも気づかれず小音かつ短時間で実行出来るというのはほぼ不可能に等しいので微妙に感じてしまいます。
    それでも少年探偵・狩野俊介の純真無垢なキャラクターがとても愛らしく、今後の成長を見て行きたい気にさせられます。

  • ※ネタバレ甚だしいのでご注意下さい〜( ^ω^ )狩野くんの探偵術に触れずにはいられなかったのです…

    麻耶先生のメルカトル鮎ものを直前に読んだせいでしょうか。
    少年探偵・狩野くんの心優しい謎解きに、「外道な探偵にウキウキしてしまった私って奴は…っ」と、なけなしのミステリ的良心が痛みましたわ…( ´ ω ` )

    読みやすい平易な文章と、シンプルなトリック、程よいアドベンチャーに、聡明な少年探偵という、ジュブナイルと言って十分に通る作品です。死体も三つほど量産してるのですが、連続殺人の悲惨さは感じられないのですよね〜。

    下手に熟れてしまった大人は、「登場人物リスト」から隠された人間関係を物語を読む前から予想できてしまいます。
    「固定された死体と椅子」、「不自然に荒らされた部屋」、「奇妙な死斑」からは、大胆なトリックの大枠が早々に分かってしまいます。
    そうと確信していても尚、トキメキを覚えてしまうのがミステリスキーの性なのですよね〜( ^ω^ )

    そして何より、少年探偵の生真面目さと優しさに、終始キュンキュンします。
    自分が導き出した真実のあまりの惨さに、泣き出してしまう狩野くんが、本当に、優しい。愛しい。抱き締めたい←
    久しぶりに探偵にキャラ萌えした…犀川先生以来じゃないかしら…。


    「今夜、奇跡をお見せしましょう」
    そう言って外から南京錠をかけた密室の中に閉じこもった男は、忽然と姿を消したーー代わりに、一体の奇妙な死体を残して。
    名探偵・石神法全の後を継いだ野上英太郎と、探偵を志す少年・狩野俊介は、一癖も二癖もある関係者に四苦八苦しながら捜査を進めて行くが…。

  • 狩野俊介シリーズ、第1弾。

    探偵に憧れる少年が、探偵に弟子入りしながら、事件を解決していくというようなストーリー。
    第1弾の本作は、1週間居候させてもらうという設定でしたが、今後どうなるのかは不明。
    本作のトリックは、ちょっと反則だろって気もしますが、今後も読み進めたいです。

  • とても読みやすかった。

    そんなとこに、謎の答えがあったのかぁ…っと思うくらいに、事件のナゾの答えを解く鍵みたいなものが、散りばめられていてとても楽しく読めました。

  • 甘栗シリーズで太田忠司さんを知り、他のお話も読んでみたくなって手に取った。

    文体が私の読み方に合っているのか、とても読みやすい。

    スラスラと読めるけれど、内容もしっかりと頭に入る。

    ミステリーをサラッと読むと、ややもすると伏線を見逃したり、話を理解する上で重要な設定や要素が印象に残らなかったりしやすい。

    けれど、このお話は雑な読み方をする私でも最後まで置いて行かれることなく読めた。

    事件が起きた家が金持ちで、いけすかないヤツらで、家族関係がギスギスしている、といった基本的な設定は、ありふれているなあ、というのが正直な感想。

    でも、このシリーズは一通り読みたいなあ。

  • 『娯楽』★★★★☆ 8
    【詩情】★★★★☆ 12
    【整合】★★★★☆ 12
    『意外』★★★☆☆ 6
    「人物」★★★★★ 5
    「可読」★★★★☆ 4
    「作家」★★★☆☆ 3
    【尖鋭】★★★☆☆ 9
    『奥行』★★★★☆ 8
    『印象』★★★★☆ 8

    《総合》75 B

  • 俊介君と子猫のジャンヌはなかなか可愛い。大掛かりなトリックが使ってあるけど、まあ楽しめていいかも。

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著者プロフィール

1959年名古屋市生まれ。名古屋工業大学電気工学科卒業。81年「星新一ショート・ショートコンテスト」で「帰郷」が優秀作に選ばれる。その後、会社勤めをしながら「ショートショートランド」「IN★POCKET」にショートショートを掲載。1990年、長編ミステリー『僕の殺人』を上梓してデビュー。2022年『麻倉玲一は信頼できない語り手』が徳間文庫大賞2022に選ばれる。

「2022年 『喪を明ける』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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