紅はこべ (創元推理文庫 507-1)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488507015

感想・レビュー・書評

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  • フランス革命勃発! 1789年の英仏海峡を挟んで、共和政府に捕えられ処刑を待つ貴族たちを逃亡させる、謎の秘密結社「紅はこべ」とフランス側の諜報員との熾烈な争奪戦が展開する歴史ロマン大活劇!・・・20世紀初頭にオルツィ名義で出版されたの本書は、ディケンズの『二都物語』が下敷きらしいが、巧妙な計画と機略を用いて暗躍する<紅はこべ団>の首領は、ルブランの<アルセ-ヌ・ルパン>を彷彿させる神出鬼没の好男子ぶり! 絶体絶命の物語後半部での浪漫あふれる活躍は、胸躍らせる圧巻の大団円!

  • 小学生のころ、講談社の少年少女文学全集で読んだのはお子様向けダイジェスト板。今回初めての完訳で読了。この本に先立って読んだ小泉喜美子の「血の季節」の中で「紅はこべ」がイメージモチーフとして何度も登場することに触発されたという訳で。読み始めれば、手に汗握る大活劇!一気呵成に読み終わった。翻訳が古くて大時代的な言い回しが多少気になったけど、いつの間にか馴染んでしまった。確かディッケンズの「二都物語」も同じ時代。小デュマ?の「黒いチューリップ」はもう少し時代が下るか。
    小学校の図書館を思い出すわ。

  •  人を見た目や自分の価値基準で判断すると、真実が見えなくなるということを感じました。主人公の生き方が凄く格好良くて憧れますね。誤解されていても信念を貫ける男になりたいです。

  • 昔、ジュブナイル版で読んだ超絶活劇を再読です。マルグリートの出自と今の立場(フランスの共和党員の妹で、イギリスの従男爵夫人)の微妙さが、前半のモヤモヤを醸し出していましたが、夫の正体を知って、海を越え突っ走る様はもう心臓に悪いくらいのスリルとスピード…だからハッピーエンドのカタルシスが半端ない。ブレイクニー卿、かっこよすぎ〜!
    舞台は1792年、恐怖政治はまだこれから、という時代。こんな英雄が、無益な殺戮にブレーキをかけてくれたら、という願いは虚しいのでしょうか。

  • 宝塚の『THE SCARLET PIMPERNEL(スカーレット ピンパーネル)』の原作。

    フランス第一共和制の国民公会の時代、フランスの貴族がイギリスへの脱出するのを先導するのが「紅はこべ」。
    『ベルサイユのばら』でも有名なヴァレンヌ事件では、国王一家が逃亡するように、理由がわからないままの処刑が横行している中、貴族階級は生きた心地がしなかったのでしょう。脱出劇も立場を変えればやむを得ない事でしょう。

    物語的には、秘密結社っぽく設定されているけど、さすがに”貴族様の脱出”の演出で、お上品というか、豪華な脱出風景が滲み出ています。これが一般庶民の脱出だと、もっと凄い(とても例示できない)ところに隠れて、すし詰め状態(座ることもできない)で脱出するかもって。

    お上品だから、秘密結社が必要だけど、この程度の脱出なら、数はしれているような気がします。捜査はするが、結構おざなり感が伝わる。250年の歴史の違いは、こういう体制や逼迫度にも、垣間見える思いです。(時世は、どんどん世知辛くなっているのか、厳密になっているのか)

    最後に、逃亡した貴族の方は、フランスにいたからこそ貴族でいられたけど、イギリスに渡ったあとは、従来のような生活はできたのでしょうか? 気になります。

  • スカーレット・ピンパーネル

  • フランス革命が舞台のロマンチック冒険活劇。
    中盤の、夫婦のすれ違いのところがとても良かった。
    主人公が頭脳明晰な女性と書かれている割に、全体的に力ずくだったのが期待と違って拍子抜け。

  • ふと懐かしくなり、久しぶりに本棚から引っ張り出して一気読み。

    やっぱり文句なしに面白い。単純にワクワクドキドキできる。
    確かにディケンズの『二都物語』のような深味もメッセージも感じられないし、歴史的な題材の取り上げ方も表面的だし、紅はこべの正体もかなり早い段階で予想がついてしまう。が、並外れた容姿・知性をもつヒーロー・ヒロインが冒険の末に幸せな結末を迎え、敵役は陰謀に失敗する、という紋切り型のハッピーエンドを心地よく感じる気持ちは誰もがどこかに持っているものなんじゃないかと思う。
    子どのも頃はこういう話がほんとに好きだった。大人になるにつれて読む本の幅は広がっていったが、やっぱり今でもこういうの好きなんだな~自分、と再認識。(2007.10.2)

  • いつの時代もこういう話に需要があるよね。と思わされる一冊。痛快だし、ほっこりする。

  • フランス革命の最中に突如出現した「紅はこべ」という秘密結社の正体が徐々に明らかとなっていく歴史ロマン。
    「隅の老人」の作者として有名だが、探偵小説の合間に息抜き的に読める作品と感じた。

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著者プロフィール

1865-1947。ハンガリー低地地方のターナ= オルスに生まれる。14 歳でロンドンに移住。1901 年から『ロイヤル・マガジン』誌で「隅の老人」シリーズの連載を開始。本作の主人公はのちに「シャーロック・ホームズのライバルたち」に数えられ、「安楽椅子探偵」の嚆矢ともされる。他の代表作に、1905 年に演劇として上演され、小説も10冊以上が刊行された「紅はこべ」シリーズなど。

「2019年 『世界名作探偵小説選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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