ぼくが死んだ日 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488515034

作品紹介・あらすじ

「ねえ、わたしの話を聞いて……」偶然車に乗せた少女、メアリアンに導かれてマイクが足を踏み入れたのは、十代の子どもばかりが葬られている、忘れ去られた墓地。怯えるマイクの周辺にいつのまにか現れた子どもたちが、次々と語り始めるのは、彼らの最後の物語だった……。廃病院に写真を撮りに行った少年が最後に見たものは。出来のいい姉に悪魔の鏡を覗くように仕向けた妹の運命は。ノスタルジー漂うゴーストストーリーの傑作。訳者あとがき=三辺律子

感想・レビュー・書評

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  • 始まりからジーナの話の話にかけて面白くて引き込まれたけど、あとはまあ普通だった

  • Webミステリーズ! : 創元推理文庫で暑い夏を涼しく~夏のお薦めその2~ キャンデス・フレミング『ぼくが死んだ日』
    http://www.webmysteries.jp/archives/23857382.html

    nine seasons.
    http://kiyoko9.blogspot.com/

    ぼくが死んだ日 - キャンデス・フレミング/三辺律子 訳|東京創元社
    http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488515034

  • 十代の子どもばかりの墓地に呼び込まれたマイクに、幽霊の子どもたちが自分がなぜ死んだかを語る。
    誰かを助けようとして死んだ子もあれば、自分の行為が跳ね返ってきた子もあり。
    呪いや奇妙なものも絡み、程よいホラー感に包まれている。
    どれも面白かったが、猿の手はちょっと本家そのまま過ぎるのでは…。
    年代はバラバラだけれどシカゴが舞台で、シカゴの歴史も楽しめた。

  •  読み始めて七ページで鳥肌立った。

     子供の幽霊が、自分たちが死んだときのことを語る話。九人分の話と、プロローグ、エピローグ的なもの。さっくり読める。訳文も読みやすかったし。
     怪談なんだけど、現実寄りというよりはファンタジィ寄りな怪談。ホラーマンガのコミック雑誌あるじゃん。あんな感じに似てるなって思った。死因が現実的なもの(焼死とか圧死とか)もあるんだけど、モンスターやゴーストが普通(?)に出てくるので、そこを踏まえたうえでそれを楽しめるひとには全力でお勧めします。面白かったんだよ、一気に読んじゃうくらいには!
     本当は最後、マイクも死んじゃうのかなって思ってたんだけど、救いのある方向で良かったのかもね。好みだけで語れば、マイクも実は死んでてその墓地の仲間入りをして、次に話を聞いてくれるひとがくるまで順番待ちをしなきゃいけなくなってた、っていうオチだったらよかったのにとは思った。
     最後さぁ、子どもたちは話を聞いてもらえて成仏できたってことでいいのかな。成仏って言い方はしないんだろうけど。リリーはコリンに会えたみたいだし。ただでもそしたら、キャロルアンはどうなるの。毎年誰かを墓地に連れてくるって言うけど、キャロルアンはずっと成仏できないままじゃね? かわいそうじゃね?
     話のなかではエヴリンのやつが一番好き。兄弟ネタに相変わらず弱い。
     抜粋はエヴリンより。


     わたしたちは別々にこの世界にやってきた。
     でも、去るときはいっしょだった。


     この話、最後、ブランチが現れるところがすごい好き。

  • 10代で死んだ子供たちが埋葬されてる墓地で語られる、彼らが死んだ理由。

    語るのは、死んだ本人。
    聞き手は、不思議な力によってその墓地に連れてこられた若者。

    ミステリー? ホラー小説なんだけど、あまり怖くなく、アメリカンノスタルジー。

  • 通勤時に丁度いい文庫だと思った。

    「みんなの話を聞いて」 忘れられた墓地で 十代の十人の子どもたちが語る 彼らの生きた証から死ぬ瞬間までの物語。

    十人の子ども達が話す物語の中で私が特に心に残ったのは「ジーナ」の話。

    シカゴの名前はないが固い絆で結ばれた地域で「うそつき」呼ばわりされているジーナ。しかし、ジーナはぱっと浮かんでくる物語を語っているだけ。そんなジーナは転校生のアントニーと出会い、本当の嘘つきというものを知る。

    ヤングアダルト小説といっても奇想天外な死のストーリーの数々に引きづりこまれページをめくるうちにいつの間にか駅を乗り越してしまう危険性があります。

  • 真夜中に少女に導かれて墓場に来たマイク。そこに眠る10代の子どもたちの幽霊が自分の死んだ時の話を語り出すのを聞く。皆、自らの行為のせいで死んだ子たち。

    生きていた年代は様々で現実離れしたSFチックなお話もある。
    ゾッとするのもあったが、ホラーというほど怖くはなく、ちょっぴり切ないノスタルジックな怪奇小説だった。
    表紙の絵も素敵。

  •  思ってたよりもお話がSFっぽくてビックリしました。最後がせつない...

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1383355

  • 深夜のシカゴ郊外を自動車で飛ばしていた16歳のマイクは、突然現れた少女に導かれ、うち棄てられた墓場に辿り着く。怯えるマイクの元に、早すぎた死の物語を聞いてくれと霊たちが続々集まってくる。そこは十代の子どもばかりが埋葬された墓地なのだった。古今の物語をマッシュアップしたヤングアダルトホラー。


    面白かった!枠物語はジェントルゴーストものだけど、墓地の子たちの来歴はちょっとワルい話しが多くて、例えるなら『チャーリーとチョコレート工場』で脱落してった子たちの話を本人視点で聞くような感じ。
    語り口の書き分けが上手で、思いっきり現代のティーネイジャー口調の子もいれば、ことあるごとにシェイクスピアを引用する子、古典的な怪奇小説を思わせる独白をする子もいる。最後のパターンに属する「エドガー」はその名の通りポーのオマージュなのがわかるけど、話の筋自体はサキやビアスに近い。ホラー映画のオマージュもたくさん。「デイヴィッド」はグレムリンすぎる。
    〈因果応報〉という言葉は出てくるけど、特に反省を促すような教訓話になっているわけではない。「エドガー」の終わりでマイクがすっかりエドガーの肩を持っているところなど、この墓地特有の倫理観に呑まれていて笑える。
    後ろのエピソードほど面白く、特に最後の「トレイシー」にでてくるヴィオラ叔母に関しては、この人の一代記で長編一本書いてほしいと思うくらい、派手なモチーフがてんこ盛りに詰め込まれている。問わず語りのように見えて各話にテーマ的な繋がりを持たせていたり、幽霊たちの生前の暮らしぶりからシカゴの歴史を浮かび上がらせていたり、小ざっぱりしているがセンスの良い作品だった。

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