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みんなの感想・レビュー・書評
月の骨シリーズ第四弾。天才建築家が、ある国の君主に犬博物館を依頼される話。一見関係本筋とは関係なさそうな話が展開されたと思えば、大きな伏線だったりするから油断なりません。油断ならないといえば、ブタックユーモアのセンスも秀逸で、「喜びの宮」は壷にはまりました。それと前作で印象的だったシャーマンのヴェナスクの独特な活躍が見れたのも嬉しかったです。そして、なんてところで切るんだ、こん畜生! 見事な印象を残す終わり方だからこそ、この先どうなるのか気になります。同じシリーズのどこかで暗示されることを願っています。
「月の骨」に始まる、時代と舞台が(登場人物も)微妙にリンクしたシリーズの第四弾。「空に浮かぶ子ども」は映画監督ウェーバーを主人公に才能とモラルのせめぎあいが描かれた“ダーク・ファンタジー”となっていたが、謙虚さとは無縁の天才建築家ハリーを主人公にした今作では、むしろ事象としてはアンハッピーな出来事が起きるにも関わらず、人間の才能が神との関係を取り戻すハッピーエンディングストーリーになっていると感じられる。“犬”は“DOG”であり、“GOD”を指し示す。災害、戦争、悪意、そうしたものが世界を取り巻いていようとも、解決する方法もそれを実現する才能も神は人間自身に与えているのだという、“罪”を巡る物語から一歩進んだ感のあるキャロルの世界観が美しい。
大阪で地下鉄が止まってる時に読み終えて、泣きそうになって非常にやばかった。とはいえ、気がつくと日にちがたってしまっているし、熱のせいで頭はアホウになってるので、上手くまとめられないけど、ダークファンタジーと言われながらも、キャロルは「人の力」とか「善意」とかを強烈に信じているのだなと、思った。
ジョナサン・キャロルは何を読んでもハズレなく面白いのだが、大どんでんがえしが大好きなので数冊読むと「ハイハイ、このひとがきっと本当は悪い人なんでしょー」とか「どーせラストはこーなんでしょー」と言いたくなってしまうのがミソ。でもこの作品はちょっと予想を裏切られました。






