日本怪奇小説傑作集1 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488564018

作品紹介・あらすじ

イギリスに伍して、怪奇幻想小説の最も広大な沃野と、奥深い背景を備えている国は日本である。民話、説話から近世の草双紙を辿り今日にいたるまで、妖異奇談の類は膨大な数にのぼる。この傑作集は、日本の怪奇小説が最大限のおもしろさと多様性を発揮した、明治以降の精華を選りすぐったものである。読者よ、本書を手がかりとして、"もう一つの文学史"の発見に到達されんことを。

感想・レビュー・書評

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  • 色んな日本作家の怪奇小説。
    明治〜昭和初期頃の時代背景です。読んだことのない作家もたくさん入ってますが、短編なのでどの作品も読み易くて面白かったです。 
    『後の日の童子』切ない怪奇話でした。

  • 小泉八雲「茶碗の中」
    泉鏡花「海異記」
    夏目漱石「蛇」
    森鴎外「蛇」
    村山槐多「悪魔の舌」
    谷崎潤一郎「人面疽」
    大泉黒石「黄夫人の手」
    芥川龍之介「妙な話」
    内田百閒「盡頭子」
    田中貢太郎「蟇の血」
    室生犀星「後の日の童子」
    岡本綺堂「木曾の旅人」
    江戸川乱歩「鏡地獄」
    大佛次郎「銀簪」
    川端康成「慰霊歌」
    夢野久作「難船小僧」
    佐藤春夫「化物屋敷」

  • (借.渋谷区立図書館)
    明治35年から昭和10年に発表された作品を集めたもの。さすが文豪と呼ばれる人たちの作を中心に紀田順一郎氏が最終的に選んだものだけあって小説としての出来が良い。中では、大泉黒石という人については最近知ったのだが(大泉滉の父なんですね)、長崎の中国人社会が舞台ということもありちょっと読みにくいけどなかなか興味を引かれた。ただ、イマイチ没入できなかった作品としては、川端の心霊学関連、また夢野久作「難船小僧」は乗った船すべてを沈める少年がなぜ上海にいるんだというところ(大小かかわらず沈めるんだったら救命ボートだって沈めちゃって海外に行けないのでは)が引っかかって、その後の展開も含めてちょっとどうなのかなあと思ってしまった。

  • アンソロジー。
    『波』2016.12にて。
    谷崎潤一郎『人面疽』
    ものすごくスルスル読める。文章うまい…!
    『リング』に影響与えた?

  • <閲覧スタッフより>

    --------------------------------------
    所在記号:文庫/913.6/ニホ
    資料番号:10245964
    --------------------------------------

  • どれもその時代を感じさせる素晴らしい雰囲気で。
    室生犀星って蜜のあわれ位しか読んだことなかったのですが、やはりその会話文に、文豪ってすごいんだなー、と感心。

    黄婦人の手。
    割と好きな感じ。

    難破小僧。
    船長理系で素敵だけど・・・これ少年が憐れ損じゃん!

    化物屋敷。
    やはりあの辺りは当時からなんかあったのですね。でも下宿の描写が好き。

  • 初読で特に印象に残ったのは、小泉八雲「茶碗の中」、森鴎外「蛇」、谷崎潤一郎「人面疽」、大佛次郎「銀簪」。初めて読む作家も多く、いろいろな作家の作品を読んでみたいと思わせてくれる。
    再読で改めて素晴らしいと思ったのが岡本綺堂「木曽の旅人」。この簡潔で無駄のない語り口が、派手さはないのに冷たいぞわぞわとした感覚を際立たせている。

  • 2005年11月11日、4版、並、帯無
    2016年7月16日、松阪BF

  • 「悪魔の舌」
    これほどの質感を感じられる小説はなかなかないと思う。
    「鏡地獄」
    乱歩の作品を他にも読んでみたいと思いました。
    「銀簪」
    最後の展開にゾッとした。

    この3つが印象に残りました。

  • 初めて知る著者もいてなかなか楽しめました。
    やっぱり怪奇小説は海外より日本が馴染むなぁと改めて思った。
    この空気感がたまらない。

    気に入ったのは
    完結してないものの記憶に残る『茶碗の中』
    夏目漱石と森鴎外の二つの『蛇』、『悪魔の舌』、オチであっと言わされる『妙な話』と『木曾の旅人』
    あたりが特に好みでした。
    乱歩好きなので何度も読んでる『鏡地獄』ももちろんですが。

    次は気になる著者が多いので2を飛ばしてとりあえず3を読もうかな…

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著者プロフィール

評論家・作家。書誌学、メディア論を専門とし、評論活動を行うほか、創作も手がける。
主な著書に『紀田順一郎著作集』全八巻(三一書房)、『日記の虚実』(筑摩書房)、『古本屋探偵の事件簿』(創元推理文庫)、『蔵書一代』(松籟社)など。荒俣宏と雑誌「幻想と怪奇」(三崎書房/歳月社)を創刊、のち叢書「世界幻想文学大系」(国書刊行会)を共同編纂した。

「2021年 『平井呈一 生涯とその作品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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