玉妖綺譚 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488569020

作品紹介・あらすじ

異界と現実世界とのあいだにある“はざま”で産する竜卵石は、主の“気”を受けて玉妖と呼ばれる精霊を宿す。なかでもその美しさ、知性から伝説的な存在とされるのが、“難波コレクション”の七つの玉妖たちだ。修行中の駆妖師彩音は、そのひとつ〈くろがね〉を受け継いでいた。同じくコレクションのひとつを受け継いだ姉が、その玉妖に魅入られてしまった。このままでは姉の命が危ない……。創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 石の中にいる精霊等設定は素敵。
    精霊に魅入られた人達中心に話が作られているせいか、とても小さく纏まっていて、設定も世界観も活かしきれて無い気がします。
    色々もったいない。

  • 竜卵石‥‥はざまに出来る石。主の気を受け取って玉妖と呼ばれる精霊を宿す。
    そのひとつ、<くろがね>と共に彩音が動く。人や他の玉妖の助けを受けながら妖に立ち向かう。自立しようと頑張る彼女はなかなかカッコイイです。

  • 異界と現実世界との間に産する竜卵石は、主の気を受けて玉妖と呼ばれる精霊を宿す。中でも伝説的なのが、“難波コレクション”の七つの玉妖だ。
    その一つ〈くろがね〉を受け継いだ修行中の驅妖師・彩音は玉妖に魅入られた姉を救おうとするが…。
    人々の目に見えない妖が跋扈する皇国大和を舞台に、少女驅妖師と相棒くろがねが妖に挑む。

    とてもテンポがよくてスイスイ読めた。玉妖という特定の石に宿る精霊の設定が面白く、それでいて詰め込みすぎな感じもないせいかすんなり理解できる。
    主人公である彩音と、その未熟さをカバーしてくれるクールなくろがねのコンビがとても良かった。これ絶対デレるだろと期待したら、デレた途端に一時お別れ的な展開だったのには残念。ここからが見たいのに!
    難波コレクションほとんどが出てきただけに、蒼秀だけが本筋で名前すら出てこなくて意外だった。でも他の面々はそれぞれ個性がありながらも雅な雰囲気が出てて、宝石関係ということもあって好きだなぁ。名前の響きも好き。
    彩音とお姉さんの問題も結構大変だったけど、個人的に亮輔さんがかなり辛いなぁと。義弟が病んでるのも困りものだけど、予想以上に重いエピソードでした。それだけに彼についてる玉妖かぐやが優しい美人さんで安心する。
    とりあえずお姉さんの問題は解決したけど、個人的には続きほしいなぁ。でもくろがね復活を見越すと数年飛ばなきゃいけないのか。彼が出ないのはやっぱ寂しいなぁ。

  • 美しい石に宿る妖の物語。とても読みやすく正統派ストーリーが良かった。主人公の心情をもう少し書き込んだ方が共感できたかも。玉妖に好かれやすい理由もいまいち伝わらず。あと、くろがねがほとんど活躍しないのが残念だった。こんな石あったら、たまごっち感覚で流行りそうだ。私も欲しい。

  • 石に宿る精霊の描き方が絶妙。
    持ち主の気によって、竜卵石に精霊が宿るという設定が、玉妖に生き物と無機質な物との狭間のような独特な雰囲気を与えている。


    世界観が魅力的という点をのぞくと、書きっぷりは物足りないというか、すごく味がある!という感じでもないけど
    新人賞を受賞しての書籍化なので、今後に期待したいです。

    世界観がとても好きなので、続きを読みたい気もするけど
    安易にシリーズ化させて、話が劣化するのも嫌なので…
    続編を出すとしても、短編なり、違う主人公にするなりして、違う方向からこの世界にスポットを当ててほしいなぁ。

    応援の気持ちも込めて★4つ。

  • ファンタジーのヒロインならもっとチヤホヤされるとか、お相手になりそうなヒーローが居るとか、何かしら羨ましく萌え要素ありそうなものですが、たった一人の肉親である姉は色ボケして最大の厄介ごとだし、味方になりそうな男どもは皆主人公に対して素っ気無いし、主人公に同情するわ~~。まだまだ物語が始まったばかりの一冊なので、これからの展開に期待しましょう。

  • 綺麗な石と精霊と風景がいっぱい出てくるお話。
    しかしうーん。好みとは少し違った。

    何より文章が合わなかったかな。
    「〜だが、〜」という構造の文を多用している割に、前の文と後の文は必ずしも相反していないように思うし、そもそも一文に繋げる必要を感じないものがままある。
    あまり関係ない文章を「だが」「だが」とつなげていくので、文のフォーカスがずれて、結局何が言いたいかよくわからなくなっている。

    こうした文に象徴されるように、ストーリーの各シーンや時系列も、お互いの関係性が整理されないままに繋げられていて、単純なお話のようなのに何がどうなったか今ひとつ追えない。
    おそらくキャラクターもそう。それぞれ思い悩むのはいいけれど、想定される反対意見に配慮して「でもこうも思う」「でもああも思う」と繰り返すあまり、各キャラの主義主張がボケてしまい、結局は何も考えていないかのように見えてしまう。特に主人公。

    ようはあまり理論的ではないのだ。
    その辺りもう少し気をつければ、いいものになったんじゃないかとは思う。

  • 石に宿る精霊玉妖を巡るファンタジー。

    玉妖の主となった少女が異界の妖を退治する驅妖師になって、妖絡みの事件を解決していく、そんな痛快な話になるのかなあと思ったら違った。
    むしろ玉妖に魅了され身を滅ぼす人間の話で、これはちょっとなんというか、ワクワク感が足らないなあ。
    それに主人公の玉妖は素っ気ないしあんまり活躍もしないし、ならば主人公はというと、なんだか歯切れが悪くて、う〜んという感じ。
    この題材ならもっと面白いお話が書けるだろうになあ。
    ちょっと残念だ。

  • 主人公があまちゃん過ぎてなんだかなぁ。玉に宿る玉妖とか刀とかモチーフは好きなんだけど、戦いシーンが迫力に欠けるというか。3部作らしいけど、続きは気が向いたときに図書館かな。

  • 石に宿る精霊「玉妖」と、それを操る「驅妖師」が様々な問題を解決する現代系ファンタジー。
    主筋は主人公姉妹の成長物語だと思うのだが、それを取り巻く人物が問題解決を行うケースが多く、残念ながらあまり馴染めなかった。何となくお話上書くべきこと(主人公の話)と、書きたかったこと(周囲の人々)が剥離していたんじゃないかと感じた。
    石と妖怪と人という設定は好みなのだが、作中ピンと来る所もなく残念だった。

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