女神の誓い (創元推理文庫 F ラ 3-1)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (481ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488577018

感想・レビュー・書評

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  • 作者がCoNZealandのゲストオブオナーなので、一冊くらいは読んでおこうと読み始めたのだけれど、こんな面白いファンタジーを見逃していたなんて。ヴァルデマール年代記という壮大なシリーズの一冊で、同じ主人公たちが出てくる本がまだあるというのが嬉しい。鋭い顔立ちの女剣士と、愛くるしい女魔法使いが旅をするのだけれど、二人の背負っている過去は重いのに、二人の会話だったり、行動だったりにユーモアが溢れていて、とても楽しい。

  • 再読し、読了するたびに感謝の念が湧き上がります。
    この作品の持つ、芳しい香りに敏感に感じた自分の嗅覚に。
    そしてそれ以上に、この素晴らしい作品を世に産み出してくれた事へと。

    Mercedes Lackeyさんの壮大なseries、<ヴァルデマール年代記>。
    その、記念すべき第一作です。
    初めてこの作品を読んだ時に感じた驚愕と歓喜は、今でも鮮明に思い出せます。
    素晴らしく頑強な、そして魅力的な世界観に支えられたfantasy。
    まさに、「ハイ・ファンタジー」と呼ぶに相応しい、素晴らしい作品です。
    その一片は、彼女の資質を見出したMarion Zimmer Bradley氏の言葉に集約されています。
    あとがきに、本書に収められている「剣の誓い」の評が収められているので、引用します。<blockquote>「強烈なアクション、誰もが好感を持つキャラクター、リアルな立ち回りに説得力のある魔法――無敵の組み合わせ」</blockquote>Simpleにして、余すことなく全てを表現した、素晴らしい評だと思います。

    本書の魅力は、まず第一に、主人公二人にあると思います。
    あまりにも悲劇的な事件を経験した、二人の女性。
    草原の民、<シン=エイ=イン>にして、<カル=エネイドゥラル>となった剣士、タルマ。
    <白き風>に属し、魔力を帯びた剣<もとめ>を携えた魔法遣い、ケスリー。
    まさに、<b>剣と魔法</b>という伝統そのものの、そして対照的な二人です。
    始まりとなる事件で二人は出会い、そして強靱な絆を結ぶに至ります。
    二人はBest-Partnerであり、素晴らしいコンビなのです。

    そしてもう一つの魅力は、構成力の巧みさです。
    読者をぐいぐいと引き込んで離さない、圧倒的な吸引力を備えています。
    その原動力は、軽快でtempoの良い、洗練された会話だと思います。
    時に刺激的で、時に示唆に富んだ会話の数々。
    そして、簡潔にして必要充分な状況描写。
    それらが相互に絡まり合って、壮大な世界観を編み上げるのです。

    忘れてはいけないのが、訳者の山口みどりさんの存在です。
    この方の訳があるからこそ、本書の魅力があるといっても過言ではないと思います。
    特に会話の軽快さは、間違いなく山口さんの訳で数倍の魅力になっていると確信します。
    例えば<blockquote>「シン=エイ=インが飼っている雌馬みたいに?ん?」</blockquote>という文における「ん?」の秀逸さ!
    この、日本語ならではな独特の「間」を表現出来ることが、本当に素晴らしいと思います。

    <ヴァルデマール年代記>は、fantasy史に残る偉大なseriesです。
    未訳の作品がまだまだ残っているので、訳される日が楽しみで堪りません。

  • 2人の友人がこの作家は超オススメ、と言うのでそうなのか~と図書館で借りて読みました。確かに面白かったです。

    残虐なシーンも戦闘も詳細な描写ではなく何が起こったかという簡単な記述なので助かる反面、ちょっと物足りないかな、と思うところもありました。タルマかっこいい。ケスリーとの友情も傷を舐めあっているだけな感じでないところがまた良いです。でも一番のお気に入りはワ―ルです。ああ言う友人が居たら良いなあ。けむくじゃらの。
    以前読んだ女性が主人公のファンタジー物は、女主人公が男とありていに言うと性行為ばかりしているような本で辟易した覚えがあり、何となくファンタジー系の女性ものは倦厭していたのですがこのシリーズは現実との距離感が納得できる感じで良かったです。(まあ略奪、強奪シーンは多いですが…)

    特にこのシリーズでいいな、と思ったのは男性にとって都合の良いだけの女性とか女性にとって理想の現実に存在しなそうな男性、と言う存在が出てこなかったことでしょうか。作中、好人物と評されているのはきちんと自分の才能を持った人物と言うところが好感が高かったです。(彼らの容色だけが魅力、というわけじゃなくて!)次も楽しみです。

  • タルマとケスリー、二人の女傭兵の冒険譚。
    序盤、物語がぶつ切れに感じてちょっと乗り切れるかな…と思ったけれど、後半になればなるほど尻上がりに面白くなっていった。
    二人とも強くて格好良くて、女性らしい可愛げもあって、女目線で見てもとても魅力的。
    ただの綺麗ごとだけで語られるのではなく、したたかさや自分の意志がきちんとあるところがいい。
    二人の行く末を見届けたいので、続編も読もうと思う。

  • こちらはソード&ソーサラー。図書館で見つけて手に取った
    本だが楽しむことが出来た。ちょっと毛色が違うのは主役が
    女性2人だということ。男性の方が添え物なのだ。主役を
    女性にするために様々なギミックがほどこされているが、
    それがギミックだけに終わらず、きちんとストーリーと融合
    しているところはなかなか。ただ、山場があっという間に
    終わってしまう感じがするのが惜しいかな。普通に書けば
    おそらく2巻か3巻分の話の内容だと思うのだが。

  • 乙女なハードボイルドファンタジー。ヴァルデマールの世界はむか~し原書で数冊読んでたもの。親戚の子が新書を読んでるのを見かけたのを機に古書で購入

  • 剣士タルマと魔法使いケスリーの女二人組。二人とも凄腕。ケスリーは<天恵>こそはないがいわゆる呪文魔法を使いこなす。火を操ったり、使い魔を呼んだり。真理魔法は使えないらしい。
    魔法に関してはヴァルデマールのことにも少し言及。
    タルマとケスリーは、いろいろなところで困っている女性を助けながら旅をする。途中で退治した魔神にリベンジされ危機に陥る。そこをなんとか大司教に助けられて、さあこれからどうしようかというところでこの本は終わる。
    鷹の兄弟、ムーンソング「月の歌」が登場。
    魔獣キリー、ワールも登場。

  • ヴァルデマール年代記と言えば、今までずっと、避けてきたファンタジー小説たちでした。理由は簡単。読みだしたら、絶対にはまってしまうのが判っていたから。 しかし、遂に読み始めてしまいました。 結果物語にぐいぐい引き付けられました。何より、タルマとケスリーという主役二人の女性が魅力的にすぎます。二人とも、過去にけりをつけ、新たな希望のために頑張り、時に仲たがいし、しかし最後には絆を確認する。王道ではありますが、感動してしまいました。

  • 海外物のファンタジーをしばらく読んでなかったので。何か読もうと思っていたところ、本屋で見かけて面白そうだったので衝動買いしました。期待通りのなかなか濃い内容で堪能できました。特に最後のエピソードは、絶対絶命ぶりがかなり強烈で、そこから一体どう逆転させるのだろうと興味津々でしたが、ファンタジーらしいうまい解決。
    続編も楽しみです。

  • 再読ー。

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