マヴァール年代記(全) (創元推理文庫) (創元推理文庫 F た 1-1)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (625ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488592011

作品紹介・あらすじ

帝位を継承する者は誰か?大陸暦1091年2月、皇帝ボグダーン二世の崩御とともに噴き出した数々の野望は氷雪の国マヴァールを覆い尽くし、国内外で戦乱と殺戮を引き起こす。身分も違えば性格も違うかつての学友カルマーン、ヴェンツェル、リドワーンを中心に、玉座を巡る権謀術数を描いて物語の醍醐味を堪能させる本格歴史絵巻。著者の真髄を示す三部作を一巻に収めた決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 思ったより長かった…帝国の覇権を巡って争う人々の物語。ヴェルツェルの頭の良さやリドワーンの強さ、アンジェリナの格好良さは十二分に分かったのだけど、カルマーンがそんなに賢そうに見えない…
    どう決着をつけるのかとわくわくしながら読み進めていたけれど、確かに彼らが帝位につくのが一番かもな。
    名も無き平民たちが平穏に暮らせる日が訪れたのがなにより。

  • 二十数年ぶりの再読。

    ここのところ手持ちの日本語書籍を読み直す、というのをやっていて、これはそのうちの一冊。とはいえ、昔持っていたカドカワの分冊版ではなくて、数年前に買った創元でまとめられた版での読み返しになったけど。

    最初から田中節全開なので、読んでいてニヤニヤしてしまった。そうそう、この文体。数ページで田中芳樹だってわかるよ、懐かしい。

    学生時代を共に過ごした3人による友情と野心のお話、とでも言ったらよいのかな。

    しかしヴェンツェルみたいなヤツは、一般庶民からしてみたら迷惑このうえない存在だろうなぁ。己の力量を試してみたい、というのはわからなくもないんだけど、やっていることは下剋上だから、巻き込まれて駆り出される農民にしてみればたまったもんじゃないだろう。人間、もう少し歳を重ねると己の限界、というのが自ずと見えてくるものなんだけど、それじゃ物語にならないしね(笑)。って、昔はこんなこと考えなかったんだけど、読み手のワタシの心境も変化したのか。

    そういえば、途中からベンツェルがロイエンタールとずっとダブって仕方なかった。そのうち『銀河英雄伝説』も読み返そうかな。

  • これぞ田中芳樹節の真骨頂.架空を架空と感じさせない中世ハンガリー史を礎としたバックグラウンドとその世界を躍動的に描く筆致は,アルスラーンを青春の一部としている我が身に懐かしさと侘びしさとを催させる.物語は終えることこそハッピィエンド,アルスラーン戦記や創竜伝がハッピィエンドを迎える日が果たして訪れるのだろうか.

  • 中世歴史のファンタジー。
    男3人の戦い。
    物語の展開が早い。特に後半は急。
    国名、人物名が覚えにくい。
    加えて、少しクセのある文、単語があり読みにくい。
    イメージが湧きにくい地図とか欲しい。
    物語自体は面白い。
    男性なら絶対に好きな友情の話。

  • 作者曰く、中世東欧がモデルだそうですが、陰鬱さが足りないのは作者が根明かだからでしょうか。
    悲惨な話にならずに何とか逃げ切れているようにも想いますが、悲惨さも香ります。

  • 先に久しぶりに再会したタイタニアを読んだので、こちらも再読。古き良き作者の作風で、昔は結構よく読んだなという感で懐かしい。また、作者にしては珍しく全3巻で完結したということと、話をややこしくする妖魔だとか神様とかが登場しない、純粋な人間同士の野望と謀略の話であるので、分かり易い。ただし、完結させるが故に最後は拙速感があるのが残念。

  • 中世っぽい世界を舞台に繰り広げられる皇帝の座をめぐる物語、、、

    年代記、と言うぐらいだから、壮大で世継ぎ物語かな?と思ってたけど、全然そんな事はなく、主に3人の友人を中心としたお話し。

    面白くは読めた。でも、ただそれだけ。

    広げた風呂敷は大きく壮大な感じだけど、細部が適当と言うか。全てがあっけない。
    戦争シーンも、調略や策謀についても、人物の描き方についても、全てが薄い、としか思えなかった。。。

    特に最後の戦闘にいたるところや、戦闘シーンそのものも、え?こんだけ?みたいな、、、

    全体を通して、マヴァール年代記の総集編を読んでいるような、そんな感じでした。

    つまんなくはない。面白く読める。でも、ただそれだけ。。。

  • お、おもしろすぎる…

    また『銀河英雄伝説』が読みたくなってしまうじゃないかあ。
    田中芳樹め。

    お得意の架空歴史小説。SFファンタジー年代記。
    抜群に魅力的な登場人物たちが織り成す権謀録。
    最終章で人がアホほど死にます。

    銀英伝やアルスラーン戦記に比べると
    全三章と短いためか、展開が急なのが惜しまれる。
    まあ長く引き伸ばすと完結しないからな…この人の場合。

    そういや、アルスラーン戦記って完結したの?
    個人的にはタイタニアを完結させてほしいんですが。

  • 中学生の頃にはまった本。田中芳樹のよいところが詰まっているので一家に一冊あればいいと思う。

  • 田中芳樹さんはこんなファンタジーも書いていたのですね。
    アルスラーン戦記は読んだことあったのですが、こちらは初めて見かけました。

    内容はアルスラーン戦記ほど個性的な登場人物ではありませんでしたが、『年代記』というだけあって人物よりも出来事が中心の話だったのかな?普通なら主人公3人を仲良くさせたいのに、そうしてくれないことに作者の無情を感じました;△;
    でもだからこそ面白い…というかキャラが徹底していると思います。

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著者プロフィール

1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年「緑の草原に……」で幻影城新人賞を受賞しデビュー。1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞(日本長編部門)を受賞。2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞した。壮大なスケールと緻密な構成で、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』『創竜伝』『アルスラーン戦記』など大人気シリーズを多数執筆している。本書ほか、『岳飛伝』『新・水滸後伝』『天竺熱風録』などの中国歴史小説も絶大な支持を得ている。

「2023年 『残照』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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