未来世界から来た男 (創元SF文庫 (605-1)) (創元推理文庫 605-1)
- 東京創元社 (1963年9月2日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488605018
感想・レビュー・書評
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ブラウンのショートショート(SS)集。二部構成になっており、前半が「SFの巻」後半が「悪夢の巻」となっている。SFはもとより恐怖小説、コント、艶噺風に寓話と様々なものが取り揃えられている。
軽妙なユーモアにピリッと効いた風刺がこの作家の持ち味だと思っていたが、ここではかなり毒の効いた作品も多い。面白いと思うSSは往々にして物凄い意地悪さを隠している、とよく思うのだが、それに従うならこの作品集に収録されたSSは皆面白い。SF風に進んでいきながら、強烈な皮肉が込められたラストの表題作はかなりの毒。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
買った本。
清水義範の短編集『黄昏のカーニバル』の巻末、牧眞司の解説文を読んでこの作家を知った。
まず、とにかく短いです。2ページ、4ページで終わる作品がゴロゴロしています。ストーリーは1つのアイディアが中心となっています。そのアイディアが舞台の前提条件になっている事もあり、またオチとして使われる事もありますが、どちらにしてもそれをあまり膨らませず、簡潔に書いています。アイディア自体は、2005年現在から見ればどれも使い古されているもののように思えます。そのため、話自体に新鮮味はあまりありませんでしたが、そのアイディアの面白さをストレートに伝える作品でした。
話の傾向としては、皮肉っぽく、軽い、ジョークのようなものが多いです。その軽さと斬新さのためか、当時はブラウンを読んでいればお洒落という風潮があったようです。
この本、僕はとても好きでした。先ほど挙げました短さ、軽さが、通勤中に読むのにぴったりでした。会社に行くまでに何本か、会社から家までで何本か読めてしまいますし、気持ちを引きずられるなんて事もありません。また、どの作品もオチがしっかりしているので、安心して読めました。どのはなしも、最後まで「どうなるんだろう」という期待を持って読んでいました。たぶんこの、期待とオチという小さなカタルシスの連続を、僕は心地よく感じたのだと思います。よい本でした。 -
星新一さんのショートショートに匹敵する面白さ。
ともかく、楽しい。
やっぱり素晴らしいぞ!フレデリック!! -
訳は古めかしさを感じさせますが、なお楽しめる。
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SFというよりユーモア短編集とてもブラックな
時代と国柄の違いでどうしても通じない点感じるのが
星新一の時事風俗を入れない作様につながっているのか -
「いとしのラム」「悪ふざけ」「人形」の完成度が素晴らしい。
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ショート・ショート。SF。ホラー。
2ページから20ページほどの作品たち。
短いものほど面白いと思う。
SFでは「雪女」「遠征隊」「赤ひげ」「身代わり」、ホラーでは「青色の悪夢」「魔法のパンツ」「大失敗」が好き。
星新一の作風に近い印象だが、性的表現を用いるのが相違点の一つ。上記の「遠征隊」「魔法のパンツ」など。 -
短編集。1・2ページで終わるショート・ショートが多い。
前半はSFで後半ホラーやコメディ。
前半の方が面白い。ホラーはオチが分かりにくい作品がある。
作品の出来としては火星人ゴーホーム・天の光はすべて星といった長編の方が良いと思うが、気軽によめて良い。 -
ノートからすると、50年前の本。
「スマートな現代SF」と言っても流石に、
ということで新たな驚きなどはないが
特段古臭さは感じない。
帯にある『強烈なブラックユーモア』も
そうだよね、と思える範囲があるかも。
しかし、鮮やかなオチをぶち込む
短編、ショートショートという楽しみや
バラエティ(『魔法のパンツ』!
原語で読んでみたい)の豊かさも加えて
いまでも充分楽しめるエンターテインメント。 -
昔読んでとても気に入っている本です。