何かが道をやってくる (創元SF文庫) (創元推理文庫 612-1)

  • 東京創元社
3.79
  • (58)
  • (61)
  • (95)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 765
感想 : 49
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488612016

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ─その避雷針を売る男は、嵐のすこし前にやってきた。─
    この本文最初の一文に、これからやってくる『何か』に対する期待が否が応でも高まってきました。
    この嵐を背負うかのようにやってきた男が、十三歳の少年ジムとウィルを悪夢のような冒険へと誘う案内人のように思えたからです。

    ジムはずっと早く大人になりたかったんだろうなと思いました。
    ジムはママに言います。
    「人間はみんな死ぬんだもの」
    「これだけわかっていれば、充分じゃない、ママ」
    そして、
    「ママ、ママはパパの顔をおぼえてる?ぼくはパパに似てる?」
    と尋ねます。
    ジムの中で死は誰にとっても避けられないもの。そして死はいつ訪れるのかもわからない。ならば、どんどん先に進んで行きたい。
    そして大人になった自分の顔を通じて、パパに会ってみたい……そんな思いもあったんじゃないのかなぁ。
    そのチャンスが思わぬところから到来したのだから、彼が今を生きることを見られなくなったのは仕方のないことかもしれません。
    私にはジムが生き急いでいるように思えました。抱きしめたくてもその腕をすり抜けて、ひとりっきりで駆け抜けていっちゃうような……そんな寂しい感じにです。

    一方、ウィルは今を楽しむ本来の男の子です。
    未来のことなんかより、ジムと共に過ごせる毎日が楽しくて一番大切。
    それなのに、あの「カーニバル」が来てからというもの、ジムはひとり大人になろうと走っていきます。その後ろ姿に、戸惑いや憤りを感じながら、それでもウィルは一生懸命彼に置いていかれないように走ります。
    ウィルのことを、もしかしたら冒険に飛び込めない気弱な男の子として最初は目に写るかもしれません。
    でも、ウィルがいてくれたからこそジムは大人から戻ってこれたんです。
    ウィルはパパであるチャールズとジムを助けるため、諸悪の根源であるカーニバルに乗り込み、それを率いるダークと対決します。
    そこにはジムの背中を追うばかりでない、格好いい男の子としてのウィルが存在していました。

    そして、チャールズ。彼は年老いた自分に諦めた頼りない父親でしたが、少年たちとの冒険を通じていきいきとした大きな背中の父親に変わっていきます。
    私にも、もう年だからって考えるときがあるけれど、自分がどう生きたいのかに年齢って関係ないよねと思わされます。

    大人になりたかったジム。
    今を生きたいウィル。
    若い頃に戻りたいチャールズ。
    大人になれば大切なものを失くしてしまうことがあること。
    人生は後戻りできないこと。
    だからこそ今を生きることがどれほど大切なことかと教えてくれるようでした。

    読み終えた今、『何かが道をやってくる』の『何か』がなんだったのか。
    それを考えて、これだと突き詰めてしまうことは、私にはできないなぁと思いました。

    子どもの頃って、何か分からないものだからこそ、怖くてびくびくしちゃって、そして勇気を出して暴きたくなって。そんな気持ちになりました。私はそうだったなぁ。
    楽しかったり嬉しかったり、そんなワクワクする気持ちははっきり口にできたり、形にできそうなんだけれど、考えたくないこと、恐ろしいもの、不安なこと……そんなものは、うまく形にできなかった。
    確かにそこにあるのに。
    もやもやとした仄暗さが漂っているんだ。
    それは人によって形を変えるんだよね。
    音もたてずに忍び込んでくる。
    その恐怖は、それはそれは恐ろしい!
    この『何か』に正解はあるのかもしれないけど、私は、何だかわからないけど、それでも何かがやってくる……そう思うことにしました。(結局タイトルのままですね 笑)

    最後に。
    本書のプロローグの前に
    『 おれは、さきざきのことをみんな見通しているわけじゃねえが、しかし、どんなことが待っていようと、笑ってそれに立ち向かってやる。』
    白鯨スタブの言葉が載ってありました。
    それが、今回の戦いに勝てた秘訣であり、これからもやってくる『何か』に立ち向かう術なんだと改めて気づきました。

    • 地球っこさん
      しずくさん、こんにちは!
      ブラッドベリ、タイムリーでしたね。
      本が紡いでくれたご縁でしょうか(*^^*)

      私はまだこの本しか読んで...
      しずくさん、こんにちは!
      ブラッドベリ、タイムリーでしたね。
      本が紡いでくれたご縁でしょうか(*^^*)

      私はまだこの本しか読んでいませんが、ブラッドベリは叙情的、幻想的な作風ですよね。今回、とても詩的な文章にびっくりしました。
      それに『華氏451度』や『火星年代記』などは、たくさんの方が読んでおられますよね。まだまだ知らないことばかり。

      読書は果てしのない旅だと思ってます。
      その行く先々で待っていてくれるたくさんの本。
      しずくさんも『たんぽぼのお酒』今なら読めるかもしれませんよ。
      もし今回も読めなかったとしても、縁があればまた読むタイミングが巡ってくると思います。
      お互いに無理せずのんびり読書ライフを過ごしましょう♪
      2020/01/18
    • 沙都さん
      地球っこさん、コメント失礼いたします。

      タイムリーというか、奇遇というか……時代小説を読み終えて、次は海外SFでも読もうと思ってブラッ...
      地球っこさん、コメント失礼いたします。

      タイムリーというか、奇遇というか……時代小説を読み終えて、次は海外SFでも読もうと思ってブラッドベリの『刺青の男』を読み始めたところです。地球っこさんのレビューを読んだ後に、しれっと自分も同著者の作品のレビュー書くのも何だか気恥ずかしいなと思ったので、コメントしてしまいました。

      ちなみに自分は『火星年代記』と『華氏451度』は既読です。『華氏451度』は本の内容が大学の卒論でも使えそうだったので読んだのですが、内容や展開はもちろん本が燃やされる場面や、ラストの場面の描写や文章が印象的でした。『火星年代記』も幻想的な描写がたくさんあった記憶があります。今読んでいる『刺青の男』も書き出しの妖しさと幻想的な描写が素晴らしく、やっぱりブラッドベリいいなあ、となっているところです。

      話は変わりますが、上でnejidonさんのコメントにもあるように、nejidonさんをフォローさせてもらい、またフォロー返しを頂きました。nejidonさんのレビューも素晴らしいものばかりで、地球っこさんのおかげで、また素敵な方と繋がれました。ありがとうございました。
      2020/01/19
    • 地球っこさん
      とし長さん、おはようございます。
      そういう偶然ってありますよね!
      コメントくださった“しずくさん„も、ブラッドベリの作品が出てくるDVD...
      とし長さん、おはようございます。
      そういう偶然ってありますよね!
      コメントくださった“しずくさん„も、ブラッドベリの作品が出てくるDVDを最近、観賞したことを教えてくださいました。
      知らないうちに偶然が重なっていくなんて、何だかワクワクしちゃいます(*^^*)

      とし長さんとも『ブラッドベリ読もうタイミング』がバッチリだったなんて、何だかブラッドベリ祭?みたいで、嬉しくておぉっ!となっちゃいましたよ。

      とし長さん、しれっと書くのが気恥ずかしいだなんてお気遣いなく。
      全然大丈夫ですよ~(*^^*)
      私は、とし長さんとタイミング合っちゃっても、しれっと書きますからね。
      先に言っておきますよ 笑

      『火星年代記』と『華氏451度』は読みたいです。
      読みたい、読みたいと思いながら、ずるずる来てしまいました。
      これもタイミングでしょうか。
      今年こそは読めそうな気がします。

      『何かが道をやってくる』は、昨年の春頃の東京創元社文庫創刊60周年フェアの時に買いました。
      約10か月ほど経って『ブラッドベリ読もうタイミング』になったみたいです。
      『さよなら、シリアルキラー』バリー・ライガと一緒に買いました。
      『さよなら、シリアルキラー 』は天野明先生の表紙買いだったんですけどね☆
      どちらも少年が主人公でした。
      あ、そっか。
      私、少年が主人公の冒険とかミステリとかSF、ファンタジーとかが好きなのかも!
      今気がつきました。

      nejidonさんは格好いい方だと思います。
      本に対してのビシッとした気構えと愛情の深さを感じますから♪

      また長くなってしまいました。
      私の方こそ、もう少し奥ゆかしくしないと。あれもこれも言いたい放題ではダメですね。
      それでは失礼いたしました。
      2020/01/20
  • '20/11/1
    秋になると条件反射的に読みたくなる作品。

    思春期にさしかかる少年の描写が心に響くなぁと思っていたけれど、何だか今回は登場する大人に目がいった。ハロウェイの父>の苦悩する姿だったり。自分も共感できるおっさんに心身共になったということですね。
    しかし、今回この父が見せる後半の活躍にはびっくり。あれこんな話だっけ!

    "売店から、ベーコン・エッグやホットドックやパンケーキなどの晴れた土曜日に匂いが、風に乗って流れてくる。"なんてうき>うきする表現!やっぱりブラッドベリはすごいな。
    しかし、最新のカバー絵ひどいな。

    '17/10/29
    この季節、冷たい雨が降ってくると雰囲気ぴったり。
    ウィルの父親の年代なので、そちらの視線で読んでも新しい発見があって面白い。
    子供時代の溌剌とした感性が見事に描かれていますが、底辺に流れているのは死。しかも死=虚無として捉えられていて、ベタベタなファンタジーとは一線を画しているなって感じで全く色褪せない。やっぱり、傑作です。

    '13/10/29
    やっぱりこ季節になると手にとってしまいます。
    13歳の二人の男の子が主人公というより、54歳なのに老人とまで言われてしまう老け込んでしまった父親の再生の物語でもあるのだ!
    善と悪との対立といった単純な構図でないのも好ましいです。誰しもが抱える闇に立ち向かう勇気こそが大事。

    ’09/10/14
    そろそろハロウィン。この時期になると読みたくなるのがこの作品。毎年10月になるとあちこち開いてみたりしていました。いつだったか挿んでおいた楓の葉がページの間から細かな破片となってぱらぱらと落ちてきたのを見て、10数年ぶりに読み通してみました。「それは、子供たちにとってとりわけ楽しい月、十月のことであった。」から始まるこの物語は、晩秋の曇りがちで雨も多く薄暗い季節をとても不気味だけれど魅力的な世界に変えて行きます。13歳の二人の男の子が住むアメリカの片田舎に不気味なカーニバルがやってきて、次々に不思議な事が起こって行く話なのですが、子供たちの描写だけでなく、54歳のちょっと老けた父親がまたすばらしく描かれています。図書館からの勤め帰りに酒場で一杯だけウィスキーを飲むシーンがあるのですが、最高です。冷たい雨の音や雷、夜の空気の匂いを何であんな風に描けるのでしょう。やっぱり大傑作です。

  • 人々の命や時間を弄ぶ邪悪で奇怪なカーニバルに、二人の少年と、一人の父親が立ち向かうファンタジー小説。
    入墨男、骸骨男、一寸法師、魔女、時間を操るメリーゴーラウンド、鳴り響くカライアピー(蒸気オルガン)――登場人物や装置は不穏ながら鮮やか。しかし、叙情的な語り口や、高潔ささえ感じさせる結末が、同時に物語に優しさをも与えている。

    表紙は、藤田和日郎による期間限定カバー。藤田自身、『からくりサーカス』がこの作品から影響を受けたことを公言しているけれど、確かに小説の世界によく合っている。

  • レイブラッドベリの怖くて綺麗で人を惹きつける素晴らしい作品の一つだと思う
    読んでいて怖くて仕方なくて背中がゾクゾクして夜が来て欲しくなくなるような本なのに、読むのをやめられなかった
    確か10月はたそがれの国などでもサーカスがやってくる話があったと思のだが、レイブラッドベリはサーカスになにかしらの特別な感情があるのだろうか

  • レイ・ブラッドベリの本はバイブルだったかも。・・・たぶん今も。
    子供の頃始めて『何かが道をやってくる』を読んだとき、そのナニカ、得も言われぬ…まるで死んでいくことを見せられた気がした。
    でもそれは暗いモノではなく、何故か納得とか理解に近いモノだったことを覚えている。

  • 面白かったなぁ!去年「永遠の夢」でRブラッドベリさん作品を初めて読んだ。始め難解で、退屈で、でも段々に引き込まれていく不思議な読書体験だった。夢の中を旅行しているような。そしてもっと読みたいと思った。
    今回も、始め何が始まっているのかよくわからなかった。自分は何を読んでいるんだろう?と思いながら段々に話の輪郭がはっきりしてきていつの間にか引き込まれている。このお話はもっとはっきりした物語だった。ふわふわと終わらせない映画のような展開。途中から頭の中で再生する絵が、藤田和日郎先生の絵になる。そういう圧倒的活劇のシーンがたくさんある。
    少年のポケットのフレーズと、終わったとほっとしたのに三人が回転木馬に惹かれてしまう辺りが最後までドキッとさせて好きだ。
    お父さんもね、うすらぼんやりした老人のようだったのに、いつの間にか仲町サーカスの親方みたいな頼もしいお父さんに!面白かったなぁ。また他の作品も読みたい。

  • イリノイ州のとある街に住む、13歳のジムとウィル。2人はお互いに競争し合い、いたずらをし合いながら育ってきた。その10月のある日、街はずれに「カーニバル」がやってくるという告知を目にする。夜中に鉄道で現れたカーニバルには、全身入れ墨だらけの男、魔女、奇形の人々などがいた。その準備中、入れ墨男と話をしたところから、ジムとウィルはカーニバルから目をつけられるようになる…。

    古典SFを消化する夏。ブラッドベリの中でも有名な一冊で、てっきり宇宙人か異形の怪物の話だとばかり思っていたが、「サーカス」ものですな。サーカスという恐怖が共有されていた時代の話。

    回転木馬のカライアピー(オルガン)から、ジムとウィルはこのカーニバルがこの世のものではないことに気がつき、それを目にしてしまったことからウィルの父親のハロウェイ氏を巻き込んだ冒険が始まっていく。

    子供向けのファンタジー的な部分と、ブラッドベリらしい詩的な、別の言い方をするとわかりにくい文章が混在しており、一体どの年代に向けて訳されたのかがよくわからない作品でも有った。

    全体に「カーニバル(サーカス)」「カライアピー(オルガン)」など、原文に忠実に訳そうとの努力なのだろうが、現代では通じない訳語が多いのは、ブラッドベリの古い作品らしい。つまり、読みにくい。

    また、一つの文章の中に主語が2つあったり、ハロウェイ氏中心の章なのに、突然ジムとウィルの話に置き換わってしまいわかりにくいなど、これまでブラッドベリ作品を読むたびにわかったようなわからないようなという感覚になった理由がよくわかった。

    とはいえ、登場人物の数も抑えられているし、最後のそれで解決かいと突っ込みたくなる部分以外は冒険活劇として十分に楽しめる作品であり、小難しい比喩などサラリと読み飛ばして、単純に楽しんで読むのが正しい作品だろう。名作と言われるだけの、つかみの強いストーリーである。

    子供向けに、平易に訳し直して出したら良いのにね。

  • 私は普段、海外ものはあまり読まないけれども、ブラッドベリの小説は好きだ。
    なぜか分からないがものすごく郷愁にかられる。
    私の読書人生を語るうえで外せない作家の一人なのだ。


    『何かが道をやってくる』 レイ・ブラッドベリ (創元推理文庫)


    SFファンタジーである。
    この文庫の初版が出たのは、なんと私が生まれる前の年で、私が持っているのは1987年の43版だ。

    「その避雷針を売る男は、嵐の少し前にやってきた。」

    という、謎めいたシーンからこの物語は始まる。

    ウィル・ハロウェイとジム・ナイトシェイドは、ともに13歳。
    ある日、彼らの町に「クガー・アンド・ダーク魔術団」という、いかにも怪しいカーニバル団がやって来る。

    真夜中の三時。それはやって来た。
    誰も弾いていないのに鳴るカライアピー、刺青男のダーク、気球に乗ってやって来る魔女、逆さまに回る回転木馬。
    様々なおどろおどろしい材料が揃うにつれ、ジムとウィルがどうやら団長のダークに狙われているらしいということが分かる。

    私は最初、これは想像力たくましい二人の子供たちの空想の世界だと思っていた。
    例えば二人一緒の夢を見ていて、実際には何も起こっていないのでは、と。
    が、現実だった!

    ジムとウィルの学校の教師ミス・フォレーや、ウィルの父チャールズ・ハロウェイが関わってくることで、ぐっと真実味が増してきて、しかも、ディテールをぼかさず徹底的に心情や情景を描く真剣勝負なやり方に、これは心してかからねばならん、と思わず居住まいを正してしまったのだった。

    自分の“何か”が見える鏡や、前に回ると歳をとり、逆に回ると若返る回転木馬は、“大人”をこそ誘い込む。
    避雷針売りのセールスマンも、テトリー氏も、理髪屋のクロセッティ氏も、ミス・フォレーも。
    そして、チャールズ・ハロウェイは自らもどうしてもそこに惹きつけられながらも、息子ウィルとともに闇のカーニバル団と闘うのだ。

    チャールズ・ハロウェイを通して大人の心理がうまく描かれている。
    子供は早く大人になりたいけれども、大人は若い頃に戻りたい。
    そんな人間の心理の襞にあるものが、鏡の迷路であり回転木馬なのだ。

    回転木馬に乗ってしまったジムを、ハロウェイ親子が助けるシーンは感動する。
    闇の死神たちの好物は涙だから、とにかく笑えと父が息子に言い、彼らはめちゃくちゃに飛んだり跳ねたり、歌ったり踊ったり、陽気に笑い合う。
    ジムは助かり、ラストシーンは彼らの笑顔で終わる。
    その場面が素晴らしい。

    もう今は動かない回転木馬を見る三人。

    「たった三周だけ乗ろう、とウィルは思った。」

    「たった四周だけ乗ろう、とジムは思った。」

    「たった十周だけ逆にまわろう、とチャールズ・ハロウェイは考えた。」

    しかし、とチャールズは思う。
    一度乗れば、また乗りたくなるだろう。それから友達を誘って乗せたくなる。
    そうするうちにその友だちがだんだん増えて、しまいにはこの回転木馬の所有者になり、カーニバルの経営者になってしまうだろう、と。
    誰もがダーク氏になる可能性を持っている。
    が、そうならない。
    そこが人として大事なところで、チャールズ・ハロウェイは子供たちに身をもってそれを示し、ジムとウィルは木馬に乗らなくても大人になった。

    SF界の抒情詩人と呼ばれる作者の、言葉の美しさ、怖さ含めて、語彙の豊かさには圧倒される。
    どっしりとした読み応え。
    大好きな本です。

  • どちらかというと詩のような感じ。一応話の筋はあるけれど、とっ散らかっている。雰囲気と飾り立てた比喩表現を楽しめ、的な。
    少年がメインなのかと思いきや。後半お父さん。

  • あたしにとってはバイブルに近い。
    いつ読んでも胸がドキドキする。

全49件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1920年、アメリカ、イリノイ州生まれ。少年時代から魔術や芝居、コミックの世界に夢中になる。のちに、SFや幻想的手法をつかった短篇を次々に発表し、世界中の読者を魅了する。米国ナショナルブックアウォード(2000年)ほか多くの栄誉ある文芸賞を受賞。2012年他界。主な作品に『火星年代記』『華氏451度』『たんぽぽのお酒』『何かが道をやってくる』など。

「2015年 『たんぽぽのお酒 戯曲版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

レイ・ブラッドベリの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×