時間のかかる彫刻 (創元SF文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488619022

作品紹介・あらすじ

正直な話、読み返すたびに驚かされる。もっと臆面もなく喜びを表現できるように、これが他人の作品だったら、と思うくらいなのだ-著者お気に入りの中編「ここに、そしてイーゼルに」を劈頭に、ヒューゴー/ネビュラ両賞受賞の表題作、地球を追われた少年少女の成長譚「箱」、トイレット・ペイパーに端を発するSF法螺話「"ない"のだった-本当だ!」や、古式ゆかしい教えを今に伝える「フレミス伯父さん」など、全十二編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 【代官山 蔦屋書店】「SFカーニバル 2022」『時間のかかる彫刻』復刊決定!大サイン会第一次参加作家情報。|カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社のプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000969.000009848.html

    スタージョンは健在なり (1983年) (サンリオSF文庫) - 著者:シオドア・スタージョン | ALL REVIEWS
    https://allreviews.jp/isbn/B000J7EKA0

    時間のかかる彫刻 - シオドア・スタージョン/大村美根子 訳|東京創元社
    http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488619022

  • 作者の経歴の中では後期(~末期)に位置する中短編集。
    原典は『Sturgeon Is Alive and Well...』(1971年)で、
    この本は最初の邦題『スタージョンは健在なり』の改題版。
    思索の中でルドヴィゴ・アリオストの長編叙事詩
    『狂えるオルランド』の物語と戯れ、
    傍目には奇怪な行動を取り続ける画家が、
    スランプを脱却するまでの心の動きをグネグネと綴った中編
    「ここに、そしてイーゼルに」(1954年)+短編11編。
    ヒューゴー賞、ネビュラ賞を受賞した表題作
    「時間のかかる彫刻」 (1970年)は、
    盆栽も人間の精神も、完成までには紆余曲折、
    まるで時間のかかる彫刻作品のようなもの――
    という話なのだが、
    過去いくつかスタージョン作品を堪能してきて初めて
    「ウッ」とたじろいでしまった。
    テーマには頷けるが、盆栽を、よりよい形に導くことと、
    病気になって不安に襲われる女性を
    快方に向かわせることが同列に語られていて、
    男が気に入った女を更に
    自分好みのタイプに仕立て上げようとするかのような雰囲気に
    モラハラの匂いを感じてゲンナリしたのだった。
    サイコホラー漫画、
    円山みやこ「葉隠しの家」【※】を連想したからかも――
    というのは言い過ぎかもしれないが(笑)。

    【※】実際に起きた誘拐監禁事件がモチーフで、
       少女を意のままにしようとする犯人と、
       見て見ぬフリを決め込む母親が
       盆栽の枝ぶりを矯正する様子が描かれる。
       https://booklog.jp/users/fukagawanatsumi/archives/1/4883793109

    それはさておき、
    スタージョンにとって四番目の「運命の人」の存在が
    よくも悪くも随所に見え隠れ。
    女が男あるいは子供たちのために自己犠牲を払う話からは、
    作者が惚れた女性に様々な――過分な――
    期待を寄せていたのではないかと思わされ、
    その点にも少々「何だかなぁ」と。
    面白かったのは、本当は嫌なのに離れられない、
    過去の因縁に縛られた
    歪んだ友情を描いた「ジョーイの面倒をみて」(1971年)。
    これは共依存か……。

  • 初スタージョン。『ここに、そしてイーゼルに』以外は割とすんなり読めた。『ここに、・・・』は、悪ふざけが過ぎると思った。やりたいこと全部やっちゃいました感たっぷりの作品だった。個人的には『箱』『ジョリー、食い違う』『人の心が見抜けた女』がお気に入り。全体的にSF色は薄いが、ついつい読みいってしまう何かがあった。

  • 短編集
    サンリオ文庫の『スタージョンは健在なり』の改題

  • シオドア・スタージョンの全12編からなる中・短編集。個人的に良かったのは、次の3作品。
    ・「ここに、そしてイーゼルに」
    ・「箱」
    ・「フレミス伯父さん」

    「人の心が見抜けた女」と「ジョリー、食い違う」は後味がかなり悪いので要注意……。

  • どの短編にも、キラリと光るアイデアが必ずひとつはある。それと人間への暖かい眼差しが。
    Sturgeon is alive and well !  やっぱりスタージョンは素晴らしい。

  • 「箱」と「〈ない〉のだった―本当だ!」は、そこそこ好みかな。少し読むのにつかれた。

  • こんなに優しいひとだっけ
    ほっこりする短編集

  • 泉若林

  • サンリオSF文庫の『スタージョンは健在なり』を改題復刊したもの。
    中篇『ここに、そしてイーゼルに』が凄かった。

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著者プロフィール

シオドア・スタージョン(Theodore Sturgeon):1918年ニューヨーク生まれ。1950年に、第一長篇である本書を刊行。『人間以上』(1953年)で国際幻想文学大賞受賞。短篇「時間のかかる彫刻」(1970年)はヒューゴー、ネビュラ両賞に輝いた。1985年没。

「2023年 『夢みる宝石』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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