溺れた巨人 (創元推理文庫 629-9)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488629090

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  •  初版  180円
     訳者  大谷 圭二
     カバー 日下 弘・足立 秀夫
     逆説的に終わるがそれもまたいい

  • 前にチャレンジしたときは挫折したのだけど、今回は入り込めた。劇的なシーンは少ない。ぬるぬると、ふわふわと、物語は語られるけど、時が進んでいるのか否かは曖昧。ずっと抜け出せない状況の中で、悲観するでもなく奮い立つでもなく、流されるままに。善悪や幸不幸、狂っているか正常か、そういう判断を超越した、イメージの世界がある。読む者はたゆたうだけ。

  • J.G.バラードの、5冊目の短編集。

    まるで時間が止まってしまったかのような、閉塞的でメランコリックな内的世界の中で、登場人物たちは「死」に向かって静かに歩みを進めてゆく。

    「爬虫類園」「あらしの鳥、あらしの夢」「うつろいの時」が特に良かった。

  • こちらも短篇集。浜辺の情景が美しい。
    表題作『溺れた巨人』、『あらしの鳥、あらしの夢』、最後の『ありえない人間』が好み。
    特に『溺れた巨人』の冒頭、『嵐の去った朝〜』から始まる一文は何の変哲もない文章ながら強烈な印象を残す。
    それにしても、浅倉久志の翻訳はいいよねぇ。

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