- Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488663124
作品紹介・あらすじ
ある日、ニューヨーク市の時間がおかしくなりはじめた。全世界でもこの街でだけ、時計がどんどん遅れていくのだ。しかも街の場所ごとで遅れ方が違う。前代未聞の事態に著名物理学者が言うには「異次元世界のエイリアンが我々の時間を少しずつ盗んでいるのです」。議論は際限なく続くが、その間にも時間は本当になくなっていく。大騒動の顛末は。巨匠が贈る時間SFの新機軸。
感想・レビュー・書評
-
SF界の巨匠ホーガンの一種変わった作品。
ある日、ニューヨークの時間がおかしくなる。全世界でも、ここだけ時間がどんどん遅れていく。異次元のエイリアンが時間を盗んでいくのか?
教会の司祭が事件解決の手助けをするあたり、なかなかに面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
SF。時間SF。
時間を盗むエイリアン?
サクッと読めるアイディアストーリー。
ストーリーはシンプルながら、アイディアは良いし、キャラクターも個性的、読後感も良く、十分に満足。 -
気が合う者同士が友情を深めていく、お洒落な感覚。
-
時間泥棒 (創元SF文庫)
-
ホーガンの割りと短めの中篇。ホーガンの小説は2冊目くらいかな。まだ代表作のアレも読んでない。
ニューヨークで起こった謎の時計のズレ現象。何故か最先端のデジタル時計は遅れるのに、手巻きの懐中時計はずれない。また、遅れる地域もあれば、教会などでは遅れない。時間を盗んでいる何者かをなぜか追う羽目になった警察のコペルスキーは…。
前半はぼんやりと時間が遅れていることを表現しつつ、わけのわからない状態を受け入れる主人公たち。古典哲学などで理解をしようとするものの、結論には至らず。そして後半では畳み掛けるように明らかになっていくメカニズムとそこから考える解決策。
敷いた伏線は必ず回収し、ぼんやりとした展開も無駄にせずに解決に使う。
欠点といえば、専門家ではないコペルスキーが、かなり万能にメカニズムを解決してしまう点。もちろん深いトライアンドエラーの思考実験があるわけだが。
短い上に、出オチのような始まり方に戸惑うかもしれないが、ちゃんとSF読みにも納得の展開で、読み応えがあった。後半は一瞬で読めてしまうんだけどね。 -
ある近未来のニューヨーク。
「時間」がどんどん狂っていくー。しかも乱れ方に規則性はなく、その混乱の元を探す任務を課された刑事は困惑してしまう。調べるといっても、いったい何を?
SFって日本ではあんまり一般化されていないイメージだけど、本屋で働いて海外では一大人気を博している分野だということを知った。
その考えもつかないような発想を、一体どこに結論を持っていくのか。
全く予想もつかなくて、ハラハラドキドキ。
ちゃんとオチがつくのか、無駄な心配をしながらイッキ読み。
SFって相当頭がいい人じゃないと書けないんだなぁ、と馬鹿みたいな感想。 -
なにしろ最初に書いてあるあらすじがおもしろそうすぎるんだよ!
創元SFはだいたいそうなんだけど、これは特に。 -
ある日、ニューヨークの時間がおかしくなり始めた。
全世界でもニューヨークだけ。しかも街の場所によって遅れ方が違う。
しかし太陽は普通に昇り、普通に沈む。世界には何の変化もないため、まさしく「時間がなくなっていく」のである。
ニューヨーク市の刑事であるジョー・コペクスキーは上司から、「エイリアンが我々の時間を盗んでいるのだ。つまりこれは窃盗事件である。犯人逮捕に全力をあげろ」と命令される。
コペクスキーとその部下のディーナが聞き込みに行く宗教家や科学者のとんちんかんぶりをユーモラスに皮肉って描いてある。
そんな中、ニューヨークにあって時間が狂っていないある教会の神父と、コペクスキーは事件解決に向けて行動をはじめる。
もしも時間がなくなったらどうなるだろう。
待ち合わせが無意味になるなんて程度ではなくなるかもしれない。
最後にはそういう原因なのか、と驚かされる。 -
可もなく不可もなく、短すぎず長すぎず、よくまとまっていてよかった
SFに関する知識も理系の知識もほとんど無いので所々分からない話が出たが、大筋は理解できるようになっている -
ある日突然ニューヨーク中の時計が遅れ始めた。
ある物理学者は「何者かによって時間が盗まれている」という仮説を立て、一人の警官が問題解決に立ち向かう。
時間が題材だがタイムトラベルやパラドックスを題材としていない珍しい作品。
作者のホーガンには有名な「星を継ぐ者」三部作があるが、本書は内容的にもページ数的にも息抜きにピッタリ。