量子宇宙干渉機 (創元SF文庫) (創元SF文庫 ホ 1-19)

著者 : ジェイムズ・P.ホーガン 内田昌之

• 東京創元社 (1998年10月1日発売)

感想・レビュー・書評

[yoshidamasakazuさんの感想 · 2020年11月5日]

ＪＰ ホーガン 「量子宇宙干渉機」

パラレルワールドなＳＦ小説。量子コンピューターを媒介して、複数世界(それぞれの世界にいる自分)へ転移していく。量子力学の多世界解釈というらしい。物理学の知識がなくても読める。

完全な世界は実現できなくても、世界を改善することはできる というのが 著者の世界観。

世界滅亡の前に 人間は何ができるのか というのが テーマにあると思う。この本のアプローチは
＊転移による別世界への逃避
＊西洋科学と東洋哲学の融合
＊人間の直観による科学の進化
＊進化による淘汰、分化、自制


量子力学の多世界解釈＝多元宇宙
＊あらゆる可能性が 実際に発生していて同じように現実である
＊起こりうることが すべて 現在のみでなく 過去、未来も含めて どこかに存在している
＊人の体験となる一連の出来事は 全体の中を貫く 一つの起こりうる流れに過ぎず、偶然や選択により決定される

量子コンピューターが媒介する 別世界の私(コピーでない私)
＊それぞれの私が独立して存在しているわけではない
＊私の構成要素が 各自の置かれた環境で異なった行動をとる

転移＝別世界の私へ乗りうつる
＊短距離の移転であれば 行き先は この世界と似た場所
＊長距離のジャンプは 別の世界、別の歴史、別の人生


科学と洞察力、合理的と直観的
＊多元宇宙において繋がっている
＊合理的な自己利益の追求は 戦争に繋がる
＊難しい決断において最善の選択肢を見つける


世界は改善できる
＊生涯を終えたとき 世界をより良くするために 少しでも貢献できたなら、その人生は意義あるものだった
＊相手を憎まない方法を学ぶ〜他人を放っておく

[loulu310さんの感想 · 2019年4月12日]

並行世界が互いに干渉し、人格（意識）が移行するという設定の物語だ。ホーガンの特徴は、この人格が別世界の本人を支配するのではなく、共存するという観点で表現していることだろう。それゆえ、身勝手な振る舞いとならずに済んでいる。あるいは身勝手になるがゆえにそのような展開にしたのかもしれない。いずれにしろ、これはハードSFの形を取った古典サスペンスだ。イーガンのような圧倒的な世界を期待できるわけではない。ただし、そのハードルの低さゆえに、理解しやすい世界を構築できている。小説がエンタテイメントである以上、このような書き方もあるということだが、ハードSFに慣れた身には少し食い足りない気もする。

[escape2009さんの感想 · 2018年11月26日]

量子宇宙干渉機 (創元SF文庫)

[duketogo13さんの感想 · 2017年2月15日]

2017/2/01

[hopehilleastさんの感想 · 2016年12月2日]

うーん、読んだ当時、多元宇宙的なパラレルワールドの説(？)が聞かれだした事もあって食いついて読んだ。
並行世界との通信がなんの役に立つのかと思いきや、物事の真偽の信頼度を多数決・統計的に数値化するアイディアは単純だがアリかも。

それ以降はファンタジックな内容になったが面白かった。

[dipnoiさんの感想 · 2015年12月20日]

これこれ！こういうのが読みたかったんだよ！

[kall1017さんの感想 · 2014年4月8日]

しばらく積ん読してたのを掘り出す。最近続いてるパラレルワールドSF。ホーガンらしいハードSFで、話の流れもある意味いつも通り。ハードSFの作家ってのは、お話を作りたいんじゃなくて、理論を紹介したいからか話のパターンにはあまり幅がないよね。テーマの選び方掘り下げ方が上手いから、それでもすごい面白い作品になるんだけどね。

[umisuzume0303さんの感想 · 2014年2月9日]

"If"の世界に旅立てたら。ちょっとした選択肢の違いにより人生がずれた自分に憑依できたら。そんなとんでもない設定を違和感なく読み進めることができた。
また、そのようなテクノロジーを手に入れた人はどのような振る舞いにたつのか。後半戦のスリルも楽しめた。
物語としてももちろん面白かったが、「今の世の中に無駄は多いなと。現実世界の人は無意味なことに結構な割合のエネルギーを費やしているんだよなぁ」、とあらためて気づかされる一冊であった。。

[k10bookさんの感想 · 2011年1月22日]

未来は無限、選択は苦渋。

[tls842さんの感想 · 2008年3月23日]

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