- Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488696184
感想・レビュー・書評
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主人公の「職業人としての生きがい」と「自分個人」のあいだをうろうろ具合が良い。
若干、大きな展開を受動するだけ感は否めないけれども。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
言いたいことはただ一つ、この中途半端さこそがディックだ!
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ひとりディック祭り継続中。この時代にくるとだんだん面白い作品が多くなってくる。(と同時にへんな作品になってくるような気が・・・)
延々と続く核戦争を逃れて市民は地下シェルターで戦闘ロボットの生産ノルマを与えられての苦しい生活。
しかし、政府のプロパガンダも嘘で塗り固められていたのだ。
ごまかし、嘘からの脱出を図ろうとするものの、ほんとうにそこから逃れることはできるのか?というやるせないテーマに奇妙なガジェットの数々。贋物代表格のシミュラクラも大きな役割を果たしています。暗殺用ロボットとして登場し、逃げ切れないとわかると古いTVに擬態する兵器が気になる~
比較的ストレートなSFですが、ディックの不安な世界認識がうつってくるようで怖い。このあたりの作品からが、なんか変だけど凄いディックの始まりなのか。 -
尻切れトンボな印象
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核戦争後ものSF。P.K.Dとしては悪夢色が薄味かな。
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前半なかなかテンポが上がらず読み進めるのがつらかった。中盤以降の展開はなかなか良い。他の有名な作品に比べるとインパクトには欠けるが。
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東西対立により核戦争がもたらされた未来、人々は戦禍を逃れるために地下にもぐった。十数年にわたって、未だ戦禍は絶えない……と地上の情報では伝えられてきたが、実は戦争は数年で集結していた。地上は今、少数特権者の支配下に置かれていた。
解説によれば、本書は様々な短編のモチーフを寄せ木しているようである。以下、覚書として。
・「地球防衛軍」
・「歴戦の勇士」
・「ヤンシーにならえ」
・「融通のきかない機械」
設定は面白いのだが、いまひとつ、登場人物に感情移入できない。
アント・タンクのプレジデント、ニコラスは半ば強制的に地上に駆り出された身の上で、本来なら「無知」ゆえの狼狽ぶりがあってもいいはずなのだが、変に冷静で、どこか傍観者の気さえある(確かに地下のトラブルを解決せんと来ているわけだから、地上のいざこざなどどうだっていい、という思いもあるかもしれない。だとしても、冷めすぎている)。
登場人物の薄さ以外は、やはりディック、偉そうに言ってしまうが、面白い。 -
図書館より。
核戦争から逃れるために地下に移り住んだ人々、しかし戦争はとっくに終わっていて…という設定がとても面白かったです。マスメディアに対しての皮肉ともとれるストーリー展開も好きでした。
惜しかったのは登場人物たちの個性が弱かったことや、設定をもっと生かせそうなところがあったところでしょうか。少しアイテムやキーワードを盛り込みすぎて、消化しきれていない感じがしました。 -
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