時を生きる種族 (ファンタスティック時間SF傑作選) (創元SF文庫)

制作 : 中村 融 
  • 東京創元社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488715045

作品紹介・あらすじ

『時の娘』につづく時間SFの粋。本邦初訳3編に、7編すべて初の単行本収録作! 巻末の「努力」は海外短編SF史上にその名を刻む大傑作。

感想・レビュー・書評

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  • SF。時間SF。短編集。
    書籍初収録の作品集。
    「地獄堕ちの朝」「努力」は苦手。
    他5作品はまずまず楽しめた。
    特に好みだったのは以下2作品。

    ロバート・F・ヤング「真鍮の都」
    千夜一夜物語。ファンタジー寄り。著者らしくロマンティック。

    L・スプレイグ・ディ・キャンプ「恐竜狩り」
    時間SFと恐竜の設定となると、こうなるよね…という定番のストーリー。恐竜が好きなので、設定だけで好き。

  • 本書は時間SFの7作を収録したアンソロジーです。
    収録された作家は、「たんぽぽ娘」で有名なロバート・F・ヤングやマイケル・ムアコック、シルヴァーバーグ、フリッツ・ライバーと、見知った顔がちらほら。
    とはいえ、以前読んだ、同じく時間SFアンソロジーの「ここがウィネトカなら、きみはジュディ」と比べると、小ぶりな感じは否めません。ヤングの「真鍮の都」は「ええぇ…」というオチでしたし、ムアコックの「時を生きる種族」は視点は面白いものの、なんだか小さくまとまった印象。シルヴァーバーグの「マグワンプ4」は、お手軽なテンポで嫌いではないですが、だからといって傑作でもない。
    そんな作品の中で、唯一いい作品だと思えたのは、T・L・シャーレッドの「努力」。編者の中村融氏も、本アンソロジーの核と位置づけた作品なだけあって、読み応えはなかなかのものでした。余韻の残るラストがとても好きです。

    ▼収録作
    ・ロバート・F・ヤング「真鍮の都」
    ・マイケル・ムアコック「時を生きる種族」
    ・L・スプレイグ・ディ・キャンプ「恐竜狩り」
    ・ロバート・シルヴァーバーグ「マグワンプ4」
    ・フリッツ・ライバー「地獄堕ちの朝」
    ・ミルドレッド・クリンガーマン「緑のベルベットの外套を買った日」
    ・T・L・シャーレッド「努力」

  • 『真鍮の都』(ロバート・F・ヤング)…レトロでロマンティックな一篇。テンポよく読ませてくれた。ちょっとオチに文句の1つ2つ付けたくもなるが、「しょうがないよ、ヤングだもん」とつぶやけば納得。
    『時を生きる種族』(マイケル・ムアコック)…そんな馬鹿なと思いつつも、時間というものに関する斬新な発想が面白い。でも一箇所ミスがあるのが残念。時間の概念がないのに、「これで何日かは保つ」という台詞はおかしいよね?
    『恐竜狩り』(L・スプレイグ・ディ・キャンプ)…古典的な恐竜ハンターもの。なんで金持ちは大型動物のハンティングにそこまでこだわるのかね?
    『マグワンプ4』(ロバート・シルヴァーバーグ)…タイムトラベルものに人種間戦争を絡めたピリッと面白い一作。
    『地獄堕ちの朝』(フリッツ・ライバー)…ダークで幻想的な作品。映像で見てみたい。
    『緑のベルベットの外套を買った日』(ミルドレッド・クリンガーマン)…一冊の本を通して時間を越えた愛が芽生える、ロマンティックな作品。甘ったるいけど案外嫌いじゃない。
    『努力』(T・L・シャーレッド)…ドラえもんのポケットにありそうな道具、それがもし現実に発明されたら…?という硬派な作品。前半の雰囲気は好み。

  • 読まない日があったので(読むきでベットに入って直ぐ寝てしまった)時間がかかってしまいましたが、どれも面白かった!緑のベルベットの外套を買った日、最高!努力・・こっち行くんだ。時を生きる種族、カッコいい。真鍮の都、いいな〜

  • 時間SFをテーマにした全7編。
    いや〜時間ものSFって好きだなぁ。
    「真鍮の都」と「緑のベルベット〜」はロマンチックで良かったし「マグワンプ4」は読んでて面白くて読み終わった直後に「あっ、これ面白いわ!」と再度呟いてしまうぐらい面白かった。

  • 全体的にゆるめぬるめのほのぼのしたSFだった。『地獄落ちの朝』からの三篇は良い。が、『緑のベルベッドの外套~』はロマンティックSFのほうではよかったのでは、と思ったり。でもこの話好き。『たんぽぽ娘』好きな人ならきっと好きなはず。『地獄落ち~』はまさにアル中の幻覚。そういう生っぽさがよかった。

  • 『緑のベルベット~』がかわいい。

  • 時間SFは大好物!ワクワクして読み出したんだけど…、これはちょっと…。

    まず冒頭のヤング「真鍮の都」がほとんどまったく面白くない。解説に「出来がいい」と書いてあったのは見間違いか?と見直してしまったほど。一つ一つの展開があきれるほど安っぽい。これは好みの問題ではないと思う。

    今回の目玉らしいシャーレッド「努力」も、展開に説得力がなくて、解説の言うような「傑作」とはとても思えなかった。楽しめたのは「緑のベルベットの外套を買った日」のみ。他はどれもアラばかり目についてしまった。残念。

  • 好物の時間SF。ハッピーエンドロマンティック時間SFも含むけれど、ちょっとひねりのある作品が多かったかも。個人的には表題作がお気に入り。世界観がいい。続編があるようなのでそちらも是非とも読みたいところ。「努力」も硬派な作品で良かった。これからもこういうアンソロジーをどんどん出して欲しいなあ。

  • 分かりやすいタイムトラベルもの「恐竜狩り」は、単純に楽しめた。他の作品は、それぞれ一ひねりある味わい深い作品。ファンタスティックとサブタイトルがついているが、じっくりと味わってじわりとよさが分かるもの多い。

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