銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)

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著者 : 田中芳樹
制作 : 星野 之宣 
  • 東京創元社 (2007年2月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488725013

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銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)の感想・レビュー・書評

  • 中学生の頃、好きな場面は暗唱できるほど繰り返し読んでいた。それまで漫画しか読まなかった私に小説の魅力を教えてくれるとともに、その後の価値観の形成に多大な影響を与えてくれた作品。

    当時、同級生の間ではライトノベルが流行していたが、その多くは内容が貧困で興味が持てず、さりとて純文学を味わうには人生経験が足りず、私は「小説なんてつまらない」と思い込んで、漫画ばかり読んでいた。そんな私が、某アニメ情報誌に特集されていたことがきっかけで興味を持ち、軽い気持ちで手に取ったのがこの作品だった。

    そしてまず、序章で大きな衝撃を受けた。自分の知らない世界がそこにあった。漫画では到底不可能な、空間的時間的に壮大なスケール。さらに読み進めていくうちに、完全にその世界観の虜になっていた。宇宙艦隊の戦術戦略、国家規模の権謀術数、主要登場人物はもとより、脇役たちにまで及ぶ生き生きとした愛すべき人物造形。そして、あの独特の文体…。「華麗な文章」というものが存在するのだと、読書子として未熟な私はそのとき初めて知った。

    当時の私には難解な表現が多く、当初は単語の解読にかなりの時間を要した。国語辞書を片手に、ぶっとおしで8時間かけて第1巻を読破したのは、今では良い思い出だ。巻を重ねるにつれ辞書は必要なくなり、いくらか短時間で読めるようになった。こうして全く副次的な効果として語彙が増え、その後は読書が容易になり、結果的に読書が好きになった。ある意味で人生を変えてくれた、思い入れの深い作品なのである。

    それから、歴史の面白さを教えてくれた点も忘れられない。架空の物語とはいえ、作者の歴史に対する造詣の深さゆえに、歴史のダイナミズムが圧倒的なリアリティをもって迫ってくるのが、この作品の大きな魅力だ。歴史の流れの中で、大局的な視野で物事を把握するのが如何に重要であるか、「後世の歴史家による記述」という独特のスタイルを採ることで、言外に教えてくれるのだ。

    さらに、「賢明な君主による専制君主制と、衆愚と化した大衆による民主共和制では、どちらが好ましいか?」という思考実験も試みられている。歴史の中で人々がどのようにして「自由」を勝ち取ってきたのか、そして、どのような場合にそれを自ら放棄するのか。自由には常に責任が伴う。「煩わしい責任と共に自由を放棄する権利」は、認められるべきか否か。作者の答えは限りなく「否」に近いが、自分ならどう思うか、読みながら考えてみるのも一興だろう。

    全巻あわせると相当なボリュームなので、忙しい社会人には薦めにくいのだが、時間にゆとりのある学生さんには、頭の柔らかいうちに是非とも読んでもらいたいと思う作品である。

  • 超有名小説なので今更語る部分はないのだけれども、やっぱり私がこの小説に中学生のころに出会えたのは幸運だったかな~と思う。今読むと、また違った感想があるかもしれないけれども、思い出補正をつけてレビューをしたい。

    私は帝国と同盟のどっちが好きかというと、断然同盟のほうで、正直言えばラインハルトの魅力があんまり分からない人間だった。なんというか、絵に描いた天才キャラなので、発展性がないというか、自己完結しているというか。で、帝国はラインハルトという太陽が中心にあって、周囲を凡人(と言っても超優秀だけれど)な将軍たちが固めるという要素は、今であれば、もっと洗練されたかたちで表現できたのではないかと思う。

    で、その「洗練されたかたち」になっているのは、実はヤン・ウェンリーを中心としている同盟側で、こちらはヤンという全能感のあるキャラと、周囲の人々との対比が帝国側よりも上手くいっている。たぶん、ユリアンという存在が大きかったのだろうし、君臣の関係で語られる帝国よりも、仲間の関係で語られる同盟のほうが、チームとしての魅力があるのだと思う。

    ラインハルトは天才ではあるけれど、全能感はないんだよね~。あれだけのことをやっておきながら、「上手くいってる」感があまりない。キルヒアイスも2巻で突発的に死んじゃうし、ことあるごとにヤンが立ち塞がるし、ロイエンタールに裏切られるし、オーベルシュタインはいけ好かない。

    最終巻の後書きに、キルヒアイスの死が早すぎたということを作者自身が問題点として書いている。でも、あそこでキルヒアイスが死ぬのは妥当だったと思う。そこから物語は、ラインハルトが「余のことを理解してくれるのは、もうお前だけやねん!」とヤンににじり寄っていく構造になるけれど、それが果たされないままヤンが死に、ヒルダとやっちゃうという流れは、欠落を抱えた人間が満たされたときに死ぬという話の完成形のように思うのだ。

    逆に、キルヒアイスが5巻辺りまで生きていたら、それ以降の展開があまり上手くいかなかったのではないかと思ったりもする。誰がキルヒアイスを殺すの? とか、ヤンとラインハルトの関係が薄まるのでは? とか。

    まあ、歴史にifがないように、完結した小説もifはないよね、と後世の歴史家が言ったとか言わなかったとか……そんなオチをつけたいと思う。

  • 思わず読んでしまった。



    アニメを放映していると思わず見てしまうこのシリーズ。まぁ登場人物の多いこと多いこと、名前のややこしいこと、加えてドイツ名の面倒なこと、これは小説だと大変だな。
    原作を読むことはまぁないだろう、と考えていたがたまたま手に入ったので思わず読んでしまった。
    スペースオペラと分類がされている本作だが、読んでみてこんなにも文章が綺麗だとは思わなかった。いや想像していたものと現実の文章を比較してみると、目から鱗とも言える程に文章表現が綺麗で読みやすい上に粋だ。とても20年以上も前の作品とは思えない。
    さらっと読めそうなので、シリーズ制覇したいなんて思ってしまうが、漫画的な魔力があるのでちょっとペンデングにしておこう。


    やっぱりヤンはかっこいいな。
    幼き頃の私にとって『三銃士』のアトスとヤンは憧れの人物であったのだが、やはり今も変わらないと見える。

  • 壮大な銀河の物語、これはその序章。

    大河が好きだ。歴史モノが好きだ。外国モノが好きだ。これまでSF文庫というだけで、敬遠していたことを強烈に後悔した。どこまでも私の好みの小説だ。帝国と陰謀、腐敗した貴族と美形の天才、素敵な女性、陽気で個性的な仲間たち。30年前に書かれたなんて! ライトノベルなんてことば、まだなかった頃。本気で構築された世界にくらくらしながら読みました。建国から腐敗した今へと、そして革命を経て未来へと続く熱気が、淡々とした文章でつづられているのが、本当にいい。手にとってよかったです。

    歴史を愛するヤンが好きだ。歴史を研究する意味を、このようにしっかりと語られているのが嬉しい。過去を検証することで、今を考えるために、歴史学があるのだ。

  • 人生で2番目に好きな小説。
    1982年に刊行されて以来、現在も多くのファンが愛してやまず、2018年の再アニメ化でますます多くのファンを虜にするであろう作品。

    序章で合わないと感じた人は飛ばしていいので次の章から読み進めて欲しい。とまらなくなるほど面白い。

  • ラインハルトが颯爽としていてかっこいい。ヤンとは1巻からこんなに凄い戦いをしていたら、この後はどうなっていくんだろうと気になります。
    個人的にはローエングラム侯よりローエングラム伯の方が響が好きですね。

  • 銀河系の一大帝国の若き“常勝の天才”ラインハルト・フォン・ローエングラム。
    民主主義を掲げる自由惑星同盟が誇る不世出の軍略家“不敗の魔術師”ヤン・ウェリー。
    二人の智将の邂逅と銀河系の命運を描く壮大な宇宙叙情詩。

    読み終えてまず思ったのは、これが20年以上も前の作品なのか、ということ。
    そして文章の緩急がとても上手であること。
    ヤン・ウェリーの皮肉すぎる運命には、争うことの虚しさを覚える。

    ミステリ :☆
    ストーリー :☆☆☆☆☆
    人物 :☆☆☆☆☆
    読みやすさ:☆☆☆☆☆

  • 最初に銀河帝国・自由惑星同盟それぞれのおこりが説明され、
    以降は帝国軍のラインハルト、自由惑星同盟のヤンという若くして才能溢れる2人の軍人を中心に両軍の戦争の様子が描かれる。
    双方の視点から緻密に練られた戦略が絡み合うのが面白い、スペース・オペラ作品第1巻。

  • 銀英伝第一巻。
    理想的専制君主vs腐敗した民主主義。その絶望的にも見える究極の選択が提示されることにこそ、この作品の醍醐味があると思います。そして、戦争の時代を舞台にして、英雄を描きながらも、他方で戦争に一貫して否定的であり、そして、これだけ人類を愛してる小説も珍しいと思うんです。けれど、どうもこの辺りは誰に言っても理解されなくて寂しい限りです(笑)

  • シリーズ通して帝国軍が好きです。
    マイン・カイザーって言って、
    プロージット・カシャーン! 
    をやりたいです。

  • 日本のスペース・オペラの嚆矢。それにしても、アニメ版は小説をほぼ忠実に映像化していることに、気づかされ、いまさらながらその凄さに圧倒される。

  • 青春時代をともに過ごした本ですw
    100人を超える横文字のキャラが覚えられなくて、ノートに人物名を書きながら読んだ覚えがあります。

    誰かが死ぬ度に泣いて泣いて。
    どんないい人でも、大事な人でも死は突然に訪れるんだと知った本でした。
    勧善懲悪でもなく、戦争の愚かさがわかる壮大なストーリーは必見。

  • 銀英伝はわたしの中での「SF」の領域を明らかに広げた。深く豊かな人間性をもつキャラクターたち、戦争の意味と国家の在り方についての教訓を含んだ鮮やかなストーリー展開、ひたすらリアリスティックで感傷を誘うような美辞麗句は排除してあるにも関わらず詩的な筆致力、これらの魅力に完全に首根っ子をつかまれてしまった。今3巻まで読んだが、息つく暇もないほどおもしろいとはこのことだ。20代後半となり当時より多少分別がついた今でこの熱中なのだから、中高時代で遭遇してしまっていたらどうなっていたか。おそらく自分の受験戦争における勝利よりも、紙上における銀河戦争の観察責任を重視しただろう。

  • 面白かったけど、勉強の息抜きに読むのはちょっと違う笑
    現実から逃れたくなる

  • 昔から、あまりにも熱烈なファンが多いこのシリーズ。やはり一度は読んでおかなくてはと手にとった。ライトノベルのイメージがあったので、思ったよりもかたい内容に驚いた。おそらくそう思う人はとても多いと思うけれど、ヤンの人柄がとても魅力的だった。歴史が動いていくそのただ中に生きた人々は、どんな思いで日々をすごしていたのかと、しんみり考えてしまった。

  • とにかく読みづらい。文体が硬い、漢字が多い、言い方が回りくどい、改行が少なく字がびっしり。なかなか読み進められない。でもユリアンがかわいいのでがんばる(>_<)

  • まだまだ続いていく。楽しみ。
    これからどうなるのだろー
    それにしても序盤で人が死に過ぎではないだろうか??

  •  ヤンとラインハルト。2人の直接対決は片手に足りないほどしか実現しない。そのうちのアスターテ会戦、アムリッツァ会戦が本巻で描かれる。しかも、イゼルローン要塞攻略も。そういう意味でも実に密度の濃い第1巻。今後、物語の中心となっていくであろう人物の性格描写も確かな足取り。ヤン、ラインハルト、キルヒアイス、アンネローゼ、そしてユリアン。この辺りは勿論だが、オーベルシュタイン、シェーンコップ等も実は丁寧。秀作長編SF(というより、宇宙を舞台にした歴史絵巻の趣き)の序章にふさわしい。

  • 宇宙三国志

    ラインハルトに頑張ってもらいたい。

  • B913.6-ギン-1~10
    1:黎明篇 300508520
    2:野望篇 300508538
    3:雌伏篇 300508546
    4:策謀篇 300508553
    5:風雲篇 300508561
    6:飛翔篇 300508579
    7:怒濤篇 300508587
    8:乱離篇 300508595
    9:回天篇 300508603
    10:落日篇 300508611
    軽読書です。遠未来、人類は宇宙に進出し、「銀河帝国」と「自由惑星同盟」という二つの恒星間国家に分かれて長い戦争が続いています。「帝国」の皇帝に姉を奪われ、心に復讐を誓う帝国の青年将校ラインハルト・フォン・ローエングラムは、「常勝の天才」として敵味方に勇名を轟かせます。一方、首脳に煙たがられていて不利な戦局でなければ指揮を任されてもらえない「同盟」の若き参謀ヤン・ウェンリーは、ぼやきながらも負ける戦を五分五分ほどに戻して「不敗の魔術師」と呼ばれます。「常勝」と「不敗」、二人の英雄の変遷と戦いを軸に、二人の周囲の多彩な(多才な)登場人物が物語を彩ります(オッサンばかりですが)。やがて、それぞれの勢力でトップとなる二人(ヤンはやや違いますが)の政治観もアクセントとなり、長い物語ですが飽きさせません。架空歴史物、英雄譚、政治物など、色々な側面を持つベストセラー小説であり、私がちょうど君たちの年代のときに繰り返し愛読しました。ぜひお奨めします。

  • 冷静で飄々としてるヤン・ウェンリーが好き。可愛いユリアンが想像出来て楽しい。ラインハルトはなんか気に食わない。名前がカタカナばかりで脇役はよく忘れがち☆フェザーンと地球の思惑はなんか面倒くさかったので少々読み飛ばしてしまった。

  • SFというよりファンタジー。「宇宙戦艦ヤマト」を思わせるスペースオペラの序章。見事な人物の書き分けが、想像力をかき立てます。挿絵が無いので、自分なりのイメージを作って楽しめました。アニメも面白そうですが、小説を読んでから、後のお楽しみといたします。アイス・ブルーの瞳、金髪のイケメン主人公とか、長身でルビー色の髪の腹心の友とか、タカラヅカみたいと思ったら、本当にタカラヅカの演目になっているではありませんか。大東亜戦争の本と平行で読んだため、戦争の現実とお話の世界のギャップに戸惑うこともしばしば。

  • 「今までで一番面白かったアニメは?」といったたぐいの質問には必ず「銀河英雄伝説!」と即座に応える僕。

    しかしながら原作を読んでおらず、このまま原作を読まずに死ぬとしたら人生結構損するかもしれない、という思いで、遂に2016年4月小説版銀河英雄伝説読書開始。第1巻読破。

    1982年の文章とは思えない壮大かつ緻密な世界観設計とキャラクタープロットは34年経過した今でも全く色あせないグルーヴをもっていて圧巻!と同時にアニメ版の忠実以上なる魅力的なキャラクターデザインや声優アサインにも改めて感心!全員、脳内変化されてしまう!

    歴史と戦略を想像力という武器で描き上げられたまさしく銀英伝は日本SF小説の金字塔。全10巻、人生をより良いものにするために生活に取り込み読破したいと思います。

  • ウン年越しで気になっていました。 SFモノは普段あまり読まないのですが、文章だけで陣営の形体や進路がだいたい把握できてしまうことに驚きと興奮。 今はただ2巻を手にするまで、続きのネタバレを検索してしまう気持ちを必死にこらえています。 少女漫画が好きな身としてはラインハルトに惹かれるところです。

  • 中学のときにはじめて読んで、読書によりいっそう夢中にさせてくれた作品のひとつです。ヤン・ウェンリーのキレキレっぷりが素敵。情景描写が秀逸で、スペース・ウォーが目の前に浮かぶよう。ずっと大好きです。はやく2巻が読みたい~!

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銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)の作品紹介

銀河系に一大王朝を築きあげた帝国と、民主主義を掲げる自由惑星同盟が繰り広げる飽くなき闘争のなか、若き帝国の将"常勝の天才"ラインハルト・フォン・ローエングラムと、同盟が誇る不世出の軍略家"不敗の魔術師"ヤン・ウェンリーは相まみえた。この二人の智将の邂逅が、のちに銀河系の命運を大きく揺るがすことになる。日本SF史に名を刻む壮大な宇宙叙事詩、星雲賞受賞作。

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