- Amazon.co.jp ・本 (516ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488733018
作品紹介・あらすじ
初期の日本SF界を支えた名手による唯一のSF短編集。流刑星にただ一人閉じ込められた囚人はいかにして殺害されたか。あなたは60年後に殺された、と言って訪ねてきた男。自殺には一千万の税金がかかる時代に無一文で自殺に成功する方法とは。奇抜な着想と洒脱な筆致の短編17編に加え、書籍初収録の幻の中編SFスリラーと、SF出版人としての業績をたどるインタビューを収めた。
感想・レビュー・書評
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タイトルに反し、ミステリはほんの一部。
SF も半分くらいかな?
都筑作品は中学生の頃にかなり読んだので、この本も懐かしい感じで楽しめました。
天狗の話と民話のパロディが楽しいですね。
現代を舞台にした SF は流石に古くさく感じるかもしれません。
ま、ノスタルジックなエピソードだと思うことにしましょうか。(^^;詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「宇宙大密室」
「凶行前六十年」
「イメージ冷凍業」
「忘れられた夜」
「わからないaとわからないb」
「変身」
「頭の戦争」
「カジノ・コワイアル」
「鼻たれ天狗」
「かけざら河童」
「妖怪ひとあな」
「うま女房」
「恋入道」
「一寸法師はどこへ行った」
「絵本カチカチ山後篇」
「猿かに合戦」
「浦島」
「地獄の鐘が鳴っている」
「日本SF出版黎明期 都筑道夫インタビュー」(聞き手/日下三蔵)
あんまりパッとしないかなあ、と思いつつ読んでったら「鼻たれ天狗」に続く妖怪ものがやたら面白くてまいった。
「鼻たれ天狗」「かけざら河童」「妖怪ひとあな」「うま女房」「恋入道」。
木っ端天狗が妖怪の問題をトラブルバスターとして解決するんだけど、毎回酷い下ネタ。他はピンとこなかったのだけど、このあたりだけクオリティがだんち。
一話目の「鼻たれ天狗」からして、からかさ小僧と雪女のカップルが、どうにかして、えー、できないのか、という無理難題が持ち込まれる出だし。ハウダニット(笑)かと思いきや……。
凄いのが、軽々と二転三転する展開。本気で上手い。またこの作者、えろい部分の筆の乗りが善い。ネタも下いし、えろい。でもなぜか明るいユーモア感覚が全体にある。
「うま女房」は下い意味で最悪のどんでん返し(褒め言葉)。 -
面白かったのは『一寸法師はどこへ行った』。また、巻末に収録されているインタビューが興味深い。都築道夫が日本のSF黎明期に果たした役割の大きさに驚いた。
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短編集で複雑な話はなく
ミステリータッチ、時間モノ、艶(エロ?)天狗シリーズ
ドタバタ(トホホ)なアクション喜劇と楽しめる。
『忘れられた夜』を読んで楳図かずお先生の「漂流教室」と
ハーラン・エリスンの「少年と犬」を思い浮かべていたら
解説にエリスン風をうたっており、やっぱりねと思った
が、別に少年と犬じゃないのだろうな。
時間モノで先祖殺しの影響をこのように扱ったものを
初めて読んだので、合点はいかないが興味深い。
シカゴ大学のフレドリック・ブラウン教授
NY科学普及局のアルフレッド・ベスター博士の説がそうなら
広瀬正博士や梶尾真治教授の説も伺ってみたい。 -
2011/07/23読了
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懐かしくて泣きそう。あの頃は、小説をワクワクドキドキしながら読んでたものです。ハヤカワJA版は実家で多分捨てられてるはずw