- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488737061
作品紹介・あらすじ
夏休みに入った美心国際学園(BIS)ビブリオバトル部は、造り酒屋を営む部員の家で合宿を開催する。合宿の目玉は夜、ロウソク一本の明かりのなかで行われるビブリオバトル、テーマは夏の夜にふさわしく〈怖い話〉! さらに、合宿明けの八月には、〈戦争〉をテーマに公共図書館でビブリオバトルの実演をすることに。部員たちは本を通して、体験したことのない〈戦争〉の問題と向き合う。本格的ビブリオバトル青春小説シリーズ第2弾。
感想・レビュー・書評
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これだけの情報量をテンポ良く読ませる作者の文章力に拍手。心に残ったのは“戦争”をテーマにしたバトルで朝日奈先生の「現実の戦争で、兵士が殺した敵のために泣くなんて、あると思いますか」という質問に、考えた末に空が答えた「(略)フィクションだからこそ、事実にとらわれずに、“正解”が描けるんだと思います。(略)」という言葉。ラストではまたキャラの濃そうな新キャラ登場で益々次巻が楽しみになった。
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第2弾のテーマは「恐怖」と「戦争」。今回もビブリオバトルを通して作者の博識ぶりが発揮される。ストーリー性は前作より薄まった感じ。でもほとんど書評だけで最後まで引っ張る力業はさすが。紹介された筒井康隆作品が懐かしくて久しぶりに読み返したくなった。
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埋火家での夏合宿兼家族を含めてのビブリオバトルと
図書館でのエキシビジョンビブリオバトル(テーマは戦争)
埋火家での明日香先輩の選書はズルい
身近な人を亡くした事のある人は絶対に票を入れてしまうではないか
そして、まんまと読みたくなって藤野恵美の七時間目シリーズを買ってしまう僕
読者に実際に本を購入させるような文章を書ける人ってすげぇなと改めて思う
前巻の「小学四年生の世界平和」と「フェッセンデンの宇宙」「野崎まど劇場」も買ってしまったんだけどね
それぞれ紹介してる人が違うあたりに、僕にとってビブリオバトルの投票基準が自分の読書傾向の本とは限らないのがよくわかる
あと、お母さん なぜBLの掛け算の前後の意味まで知ってるんですか
一般人はそこまでの知識ありませんよ?(笑)
ただ、ミーナの主張もわからんでもない
あの3人で組み合わせるなら銀くんはどうしても受けはかわいそうで攻めを想像せざるを得ないし、武人くんは逆に受けを想像せざるを得ない
銀くんの無邪気攻め、武人くんの強気受け?
必然的に部長は相手によってリバーシブルなのもまぁわかる
でも精神的には武人くんは攻めなんだよなー
他の人に自分の主張を受け入れて欲しいという思いがね
で、銀くんはここぞという場では自分の主張をちゃんと皆に受け入れてもらっているので、攻め気質なのは変わらず
などと、腐談義はほどほどに
戦争というテーマでビブリオバトル
どうしても重くなっちゃうよなぁ
武人くんみたいにうるさそうな人がいるし、図書館主催と言うことで参加者の想定もそれなりに考慮しないといけないしね
それを踏まえると、紹介された本もバラエティに富んでいたし、更に内容も戦争批判の一辺倒なものでもなくよかったと思う
個人的に読みたくなったのは、銀くんが紹介してた宗田理のぼくらのシリーズのやつかな
ま、実際に読みはしないけどね
確かに事実を知ることは大事だけど、面白くなきゃ読みたくないもんね
そんな意味では、部長と武人くんの二人だけの話の内容がすっげーわかる
僕も一時期艦これをやってたけど、それをきっかけにWikipediaとか読んだりしたものね
興味を持つきっかけとして、不謹慎だと一概に批判してよいものではないと思うよ
あと、明日香先輩の紹介した「戦争における「人殺し」の心理学」
これも読書会で知ってた本なので読みたくなったものの、データの収集方法という意味で信頼性に欠ける部分があるんじゃなかったか?
テーマとしては面白いんだけど、実際に読みたいと思うにはもうちょっと説得力が欲しい
全体的に見れば、前巻と同じように重めな社会的なテーマを扱いつつも、主義主張を押し付けるでもなく聴衆に色々と考える切っ掛けを与えているのは良いと思う
そう言えば、伏木のウルトラセブンの謎が解明されてないけど、謎は謎のままがいいという結論だろうか? -
シリーズ2作目。埋火君の、作品個々を無視してジャンル自体を否定する様なスタンスにはダメ出しをしたい。
とはいえ、今回も面白かった。元来SF者であった身としては、作中に出てくる作家や作品に思わず顔がにやけてしまいますね。ウルトラセブン関係の話もちょっと出て来ますが、私は「超兵器R1号」が一番好きです。 -
テンポよく、面白く、一気の読めます。さすが山本弘。
そんな中で、今回のテーマは「戦争」。
「あの戦争」を知る人が殆どいなくなった今の時代、私たちは戦争をどのように捉えるれば良いのか?
「戦争」を考える上で所詮は絵空事である「フィクション」は有効なのか?いわゆる「萌えミリ」は不謹慎なのか?
そういった、私も感じているアレコレに、作者なりに応えてくれています。きっと、この本の対象にもなる、今の若い人にも考えてほしいんだろうな、戦争のこと。
作中で紹介される本の多くは、毎度のことながらすごく読みたくなる。
もう一回読もう。 -
BISビブリオバトル部の2作目。
前の巻からお馴染みのメンバーが、今回は武人の実家で夏合宿をするところから始まるが、〈恐怖〉をテーマにバトルが始まった筈なのに、そのままには進まず、次に催されるバトルのテーマ〈戦争〉についての話へ移り、フィクションvsノンフィクションどっちがどうよとなり、次にはカードゲームの話(これは何だったの)に変わって、「11人いる!」は何となく落ちがついたが、「ウルトラセブン・円盤が来た」への引っ掛かりはどうなった?…と、何だかとっ散らかった印象のまま話が進む。
終盤の〈戦争〉をテーマにしたバトルには作者の苦労が思われるが、語るメンバーほどにはグッと来ず、寿美歌の登場も思わせ振りなだけ?
相変わらず作者の博覧強記ぶりと読まれた本の数には感心するが、あれもこれも出て来て、揚句に山本弘(作者本人だよね!?)に言及しては『オカルト批判で有名な人ですよ』と言わせるなど、ちょっといいように振り回された感じ。 -
夏休みを迎えた美心国際学園(BIS)ビブリオバトル部は、造り酒屋を営む武人の家で夏合宿を開催する。夜、武人の両親や祖母を招待して行われたビブリオバトルのテーマは“恐怖”。部員たちはロウソク一本の明かりのなか、それぞれ得意ジャンルを生かしてとっておきの怖い本を紹介するが、投票段階にはある不思議な出来事が…。
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人に本を紹介してもらうのが好きな自分にとってありがたいシリーズ。登場人物たちがそれぞれ得意なジャンルを持っており、自分からはあまり読むことのないジャンルの本との思いがけない出会いに期待してしまう。
結局なんだったんだ?と思ったまま終わってしまう謎あり。 -
前作『翼を持つ少女』に続き、山本作品三作目。やっぱり面白い!今回のテーマは「恐怖」と「戦争」。空とある人の出会いが両テーマを上手〜く橋渡ししており、とても良かった^^ 戦争はなくなって欲しいけれど、絶対なくならない!!早く次巻も文庫化されないかなぁ。