インビジブル・インフルエンス 決断させる力

  • 東洋館出版社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784491032917

感想・レビュー・書評

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  • 人は他人の影響を知らず知らずのうちに受けていて、自覚がないという本書の言っていることは正しいと感じる。

    他人からの影響と自分の決断の境界の定義が難しく、決断の99.9%が他人の影響というのはなんとも言えない。確かに自分が得た情報とは他人の言葉や行動を元にしている事はその通りであるが、それを全て他人の影響というのはどうなのだろう?

    著者の例題にあるように猿の餌の例などは確かに他者の影響と捉えられるが、その行動の原理は他者を見てなぁなぁで行動しているなら他者の影響と言って良いが、自分で考えに考えた末の決断であったり、色の違いを気にせず一度試してみて他者と同じ判断をしたのであれば、それは自分の決断ではないかと考える。

    ただし、
    一般的な人を観察しているとこの著者の言うことは腑に落ちるものばかりで、とても勉強になった。
    煮ようとするが差別化を図る、差別化を図りたい範囲や条件なども整理してみると著者の言う通りに私は感じた。

    昨今の日本のネット選挙での票獲得やYouTubeといったものの集客、販売に関するマーケティングなどもこの著者の影響力を使っているのだろう。
    高いお金を出しての広告やCMが何故行われるかは無意識化の安全性と親しみを買って、大きく売るためであることからもわかる。

    こういった無意識への影響力を使うことと、無意識の影響力を無効化するためには、影響力がどんなことで感じられるかを学ぶ必要があり、この本はその学びの手助けになることは言うまでもないので、そう言う影響力に興味がある方にはおすすめな一冊だ。
    合わせて「影響力の武器」も読むと理解は一層深くなると私は感じた。

  • 人が何かを選択するとき何に左右されているかを様々な心理学的実験より推論したものです。
    これを読むと好きになることは自発的なものに見えて外的影響がほとんどであるとわかります。

    丁寧に話が進んでいく印象で、1つの法則に対して複数の実験を引用し、また引用元もしっかり記載されていました。
    そのため内容に対して科学的に信用が持てました。

    私はエンジニアなので直接的に仕事に影響はないですが、良い知見を得ることができました。

  • 社会的影響力について、調査の事例を豊富に交えて紹介している本。
    実際の調査結果を踏まえているので、説得力はかなりある。
    なかなかに読むのか大変なんだけど、定期的に読み返したいかも、これ。

    無意識のうちに周りからの影響ってやっぱり受けてるんだよね。ということは、自分のいる環境をちゃんと選ぶことも大事だよね。付き合う友達だったり仕事場の環境だったり。自分の理想と違うところで、その理想を押し通すのは大変だからなぁ。


    電力使用量を抑えることを頼むのに一番効果があった方法は? 電気代が下がります?社会貢献になります? 実は、みんな節電してます、ということらしい。日本でならまだ分かるけど、アメリカでもそうなんだ。なんだかんだで、みんなやってるよ、は強いのね。

    とはいえ、みんなと全く同じなのは、いやらしい。若い弁護士がみんなBMWを買うらしいが、みんなシルバーだけど、俺はブルーなんだよ!と微妙に違うことで優越感を得るらしい。
    好みに関する調査でも、一人一人個別のアンケート用紙を配るのと、みんなで同じ紙を使ってやるのとでは、有意に差が出るらしい。みんなで同じ紙を使うと、他の人は何を選んでいるかわかるから、それに引きづられるらしい。それでも微妙に違うのを選ぶらしい。赤のBMWが人気だと、違う色のBMWを選んだり。
    同じようにヒットチャートも動く。みんなが聞いているから、いい曲、的な考え方。
    昔の曲の方がよかった、って言うのは、昔を知っていることを主張し、俺は他の人と違う、という優越感が欲しくてやるらしい。

    似ていること、はやっぱり親近感を覚えるらしい。ので、夫婦がだんだん似ていくのは、同じことをすることでお互いに安心感を得ていくから、らしい。

    子育てでも、これを食べたらお菓子をあげる、というと、お菓子の方が良いものって植え付けてしまう、とか。まぁ確かにね、と思うが、現実は難しいよねぇ。

    ブランドの戦略で、自社の服を着ないようにお金を払う、とか。イメージと違う人が着ることでブランドイメージを毀損しないようにするらしい。

  • ゴキブリの話がいい。人は他人に見られていると成果があがる。得意なこと。単純なこと。難しいこと、複雑なことだ反対に下がる。
    人は真似る。親密、安心。一方で同じ服は好まない。

著者プロフィール

ペンシルベニア大学ウォートン校マーケティング教授。国際的ベストセラー『インビジブル・インフルエンス 決断させる力』(東洋館出版社)の著者。行動変化、社会的影響、口コミ、製品やアイデア、態度が流行する理由を専門に研究する。一流学術誌に50本以上の論文を発表。『ニューヨーク・タイムズ』紙、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙、『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌などに寄稿した記事も人気を博している。

Apple、Google、NIKE、ビル&メリンダ・ゲイツ財団などをクライアントに持つコンサルタントでもある。これまで数百の組織とともに働き、新製品の浸透、世論の形成、組織文化の変革などを実現してきた。『ファスト・カンパニー』誌の「ビジネス界でもっともクリエイティブな人々」に選出され、その仕事は『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』誌の「年間アイデア賞」で複数回取り上げられた。

「2021年 『THE CATALYST 一瞬で人の心が変わる伝え方の技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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