食の堕落と日本人

著者 :
  • 東洋経済新報社
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本棚登録 : 24
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492041529

作品紹介・あらすじ

本書では、現代日本人の食の堕落の現状を検証するとともに、この堕落が単に食の世界だけにとどまるものではなく、ひいてはこの民族の存亡にかかわるきわめて重大な現象であることに警鐘を鳴らすものである。

感想・レビュー・書評

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  • いつものユーモアは控え目に留め、現代日本の「食」に警鐘を鳴らす書。一々お説ごもっともではあるのだが、現状を変えるのは難しいだろうな。

  • かなり先生にしては
    文体がきつい作品になっています。
    そのため違和感を感じるかも…

    だけれどもきちんと要点はついており、
    特にすぐに流される国日本というのは
    私たちも反省しないといけないな、と
    感じました。

    もっと自分の国の
    食を大事にしないと…

  • 2月18日読了。食の研究者/実践者たる著者が、古来より日本に伝わる豊かな食文化を礼賛し、それが失われつつある(もう失われている)現代日本を憂える書。著者は微生物や栄養学の研究者でもあり、もっともな話ではあるのだが「おじさんの懐古主義な嘆き節」といった感想もぬぐえない。洋食やファストフードは否定するが立ち食いそばや寿司も江戸のファストフードだったはず。均一的なチェーンやインスタント食品は否定するが微生物の投入・栄養素の添加による食品の改善は否定しない。電子レンジや炊飯器、食品の冷蔵など古代日本にはなかったテクノロジーについて、その危険性は100%把握されていると思っていいの?数十年後には「現代人は流動食しか口にしない。かつて人類はハンバーガーのような固形食を食べていたものだ」みたいな議論になったりしないか?など。問題提起する側がよって立つ基盤の根拠について、著者の主観が入りすぎている気がする。重要な問題ではあるのだが・・・。

  •  最近、食に関するコメンテーターとしてマスコミでも頻繁に取り上げられている小泉氏の評論。
     現代日本人が「キレ」やすくなった原因を食の面から分析したり、日本料理の真髄“美味必淡”を紹介したりと、様々な角度から日本の食べ物を論じている。
     著者の食に関する知識の量は膨大で、厚揚げを炭火の上の鉄棒状の金網で焼く“竹虎”や、千切りにした生姜や茗荷などを味噌汁などに入れて器と共に冷やした“冷汁”といった具体的な料理の紹介もあり、読み物としても面白い。
     その一方で、失われつつある日本の食文化に対する警鐘として考えさせれる1冊。 

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著者プロフィール

小泉武夫(こいずみ・たけお):1943年、福島県の造り酒屋に生まれる。東京農業大学名誉教授。専門は醸造学・発酵学・食文化論。専門的な話を、分かりやすく伝える達人。また食の未来を中心に、日本が抱える多くの大問題に挑んでいることから、「箸(★正字)を持った憂国の士」と評される。140冊を超える著作があり、小説も『猟師の肉は腐らない』、『魚は粗がいちばん旨い』など、専門的な知識に裏付けられた独自の作品が多数ある。


「2023年 『熊の肉には飴があう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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