お医者さんは教えてくれない 妊娠・出産の常識ウソ・ホント

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492045541

作品紹介・あらすじ

いま、米国で話題沸騰の最新医学情報!

●妊娠初期の40℃以上のお風呂→無脳症のリスク
●レアの肉、ガーデニング→トキソプラズマ症のリスク
●体重の増えすぎより十分増えない方が問題

データ分析のプロが、信頼できるデータを提示し、知られざるリスクも明らかに!
妊娠しやすくする方法、男女の産み分け、食べたほうがいいもの・食べないほうがいいもの、体重増加に関する情報、つわり、出生前診断、出生前スクリーニング、早産、ハイリスク妊娠、陣痛誘発剤、バースプラン等を徹底分析。
妊娠から出産までの各段階で「気をつけるべきこと」と「悩まなくていいこと」を丁寧に解説します。


【推薦の言葉】
「本書はこれからママになろうとしている女性たちに大きな安心感を与えてくれる。オスターは妊娠にまつわるくたびれた神話のウソを暴き、本当に大切な問題に光を当てた」
――ハーヴェイ・カープ(ベストセラー『赤ちゃんがピタリ泣きやむ魔法のスイッチ』の著者、医学博士)

「エミリー・オスターという優秀な書き手によって、ようやくすべてがすっきりした。オスターは大いなる不安と世の常識に挑み、読者に事実を提示する。本書は新たな知識を与えてくれると同時に、心を落ち着かせてくれる。私まで妊娠したい気持ちになったほどだ」
――パメラ・ドラッカーマン(『フランスの子どもは夜泣きをしない パリ発「子育て」の秘密』などのベストセラー作家)

「本書は読者を、妊娠と出産をめぐる興味深くも安心感のある旅へといざなってくれる。しかも一つひとつの曲がり角に、進むべき道を示すデータがある。初めから終わりまで、オスターは妊娠に関する既存の研究の主要成果を丁寧に読み解いてくれる。唯一残念なのは、私と妻が三人の子供を授かる前に本書のすばらしい知恵を享受できなかったことだ」
――チャールズ・ウィーラン(『統計学をまる裸にする データはもう怖くない』の著者)

「妊娠中の不安を鎮める特効薬はデータしかない。その確かなデータを提示してくれるのがエミリー・オスターだ。著者の人間味あふれる読みやすい本書は、妊娠中の不安を半減させてくれる。妊娠の研究に新たなヒロインが誕生した。すべての妊婦が本書を歓迎し、オスターにエスプレッソをおごりたい気分になるだろう」
――レイチェル・シモンズ(ベストセラー作家)

「本書は妊娠にまつわる一番大切なデータを興味深く提示し、安心感を与えてくれる。これから親になる人たちにとり、常識を疑うきっかけになるはずだ。ベッドで安静にしていれば安心と思っているなら、考え直したほうがいい。本書はあなたが手に取る妊娠本の中で一番大切な一冊になるはずだ」
――スティーブン・D・レヴィット(ベストセラー『ヤバい経済学 : 悪ガキ教授が世の裏側を探検する』の共著者)

感想・レビュー・書評

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  • 身体は冷やすな!子宮をとにかく温めろ!いいから温めろ!みたいな妊活本ではなく、実体験と科学的研究データを載せた本。こういう人、日本人にもいればいいのにな。

  • 経済学者である著者が自身の妊娠を通じて、妊娠にまつわる神話、病院で指導されること、親友人からのアドバイスについて、科学的データーを用いて考察する一冊。

    妊娠しやすさは、年齢とともに低下するがそのスピードは一般的に言われているほど急激ではない。体外受精がない時代でも40歳以上で20数%の人が妊娠していた。
    特に35歳を過ぎたからといって何かが劇的に変わるわけではなく、その変化は緩やか。
    妊娠前の肥満は妊娠出産のリスクを高めるから、肥満体型の人は妊娠してから体重管理に気を付けるのではく、妊活中から減量すること。

    妊娠中の軽い飲酒は問題ない。カフェインも適度な量(1日2杯)なら全く問題はない。
    ただし、喫煙については、例えタバコ1本でも早産、流産、低体重のリスクが高まるという明確なエビデンスがある。受動喫煙についてもリスクが高まるというデータがある。そもそも喫煙については妊娠時以外の場合でも、百害あって一利なしである。妊娠を希望する場合、自分はもちろんのこと同居家族もこれを機に禁煙することをすすめる。

    食生活について、生またはレアのお肉、洗っていない野菜果物、牛乳チーズ、デリターキーは避けた方が良い。いずれも菌に感染した場合、赤ちゃんに悪影響が出るから。
    魚については、水銀を含むというリスクはあるが赤ちゃんに明らかに良いDHAも含まれているため、水銀が少なく、DHAが多い魚を選ぶ必要がある。具体的には、サケ、ニシンイワシ、サバ、タラ。逆に水銀が多くてDHAが少ない代表格はツナ缶。

    出生前診断については、まずは血液検査のスクリーニングを受けて陽性であれば絨毛検査を受ければ良い。ただし、どんな障害があっても産み育てる覚悟があるのなら、そもそも検査を受ける必要はない。

    ネコのトイレ掃除による感染リスクが巷では指摘されるが、家の中で飼っているネコなら問題はない。それよりもガーデニングの方がリスクがある。ヘアカラー、飛行機については全く何の問題もない。妊娠初期に体温が高くなり過ぎると胎児に障害が残るリスクがある。サウナや長風呂はやめておいた方が良い。

    妊娠中の体重管理について、体重が増えるほど胎児は大きくなり増えないほど胎児は小さく産まれる。巨大児よりも低体重の方が問題が深刻になるから体重が増え過ぎることよりも増えないことの方を心配した方が良い。

    お腹がせり出したら男の子、心拍数が高いと女の子、つわりが酷いと男の子などのおばあちゃんの知恵袋は、医学的なエビデンスは一切ない。
    男の子か女の子かは、50%の確率だから、だいたい当たる。占いみたいなもの。

    妊娠28週以降の早産は赤ちゃんの生存率は90%。ベッドで安静にすることが早産を防ぐというエビデンスはない。

    過去に帝王切開をした妊婦は次の出産も帝王切開にするのが無難。無理に経膣分娩をすると、母体胎児に様々なリスクが生じることが分かっている。

    会陰切開は好ましくないというデータには驚いた。現在のアメリカでは必要以上に行わないのが主流らしい。日本では行われるのが主流だと思う。

    全体的に科学的、統計的なデータを用いて巷で言われていること、病院で指示されたことを鵜呑みにしないという姿勢には共感できるのだが、できるだけ医療介入せずに自然に任せる(無痛分娩、陣痛促進などはしない)というのはどうなのかと感じた。
    いずれも医学的に何の問題もないから、実施されているのであって、はっきり言って病院側の都合もあると思う。
    何より病院側は限りなくゼロに近いリスクでも、もし起こってしまったことを考えてより安全な方策を患者側に提供していると考えられる。よほど評判の悪い病院ではない限りある程度信頼して任せることも必要ではないかと思う。

  • 「読書で離婚を考えた」関連本。

  • データ分析の専門家がこういう本を書いてくれるのはとても助かります。
    お医者さんや助産師さんがみんな統計や論文が読めるわけではないので…、正直疑問に思う指導や記事がいっぱいあるんですよね…。
    結論に関しては筆者のバイアスがかかっているのでエビデンスの収集部分だけ参考にして、あとは自分の判断で行動するのが良いですね。(筆者もそういうスタンスで読んでくれって言ってるし)
    某メンタリストのように無批判で論文を引用するわけではなく、母集団の大きさなど統計のデザインに関しても言及し、どの程度信用できるデータなのかといった観点もあるのが良いです。

  • タイトルはあおり気味だが、データと研究に基づいた読みやすいタイプの学術書。
    ミクロ経済学者である著者の実際の妊娠と出産に際して集めたエビデンスが惜しげもなくかかれている。
    ただそのため著者の主義が入り込んでいる部分もあり、エビデンスの部分だけを取捨選択した方がいいかもしれない。
    子供がほしいなら読んでおいて損はない。

  • 著者にとても共感!何事も根拠となることが知りたい。「ほとんど問題ない」の「ほとんど」ってどのくらい?!という、妊娠出産のあれこれを根拠に基づき提示してくれている。また、根拠となることを提示してくれているだけて、あとは個人のメリットデメリットに照らし合わせて考える。という考えにも好印象。根拠を踏まえた上で答えを出すこは自分である。妊娠出産に限らず、本を読むだけの頭デッカチにならないようにしたい。
    妊娠した際にしっかり読み直したい一冊。

  • 経済学者が妊娠・出産のこれってどうなの?を具体的な論文や数字を根拠にその真偽を検証している。妊娠出産って、先生や周りのの言うこと、本やネットなどの情報につい振り回されがちだ。でも「何を根拠に?具体的なデータは?」この経済学者的な冷静な視点、積極的に情報を収集する姿勢は、妊婦が自分にとって快適かつ最適な妊娠生活を送る上で非常に大切なことだと思う。感情やなんとなく言われたから、で決めるのではなく、データをもとに決める。素人には少し難しいかもしれないが、そういう物の見方ができるようになったらいいなと思った。

  • [図書館]
    読了:2016/5/8

    妊娠前、妊娠中、出産後に不安になる事柄について、すべて裏付けのあるデータ重視で教えてくれる。
    いわゆる妊娠・出産アドバイス本だと古いデータを基にした言い伝えをそのまま守ってたり、医師ですら根拠のない制限事項を妊婦に厳格に守らせていたり、周りの他人は無責任に自分の経験則を押し付けてきたり、妊娠したい人や妊婦を混乱させる状況は彼の国も変わらないのだと分かった。

    医療関係では無作為抽出試験は難しい(ランダムに選んだある妊婦100人には1日9杯コーヒーを飲ませ、別の妊婦100人にはコーヒーを全く飲まない生活を送らせる、なんて倫理的に許されない)ため観測データからの研究が多いことなど、統計・データの扱い方についても良い学びになった。

  • 【選書者コメント】こんなタイトルですが、書いているのは気鋭の経済学者。妊娠・出産についての世の風説にひたすらエビデンスを求め覆していくのは痛快。社会科学を学ぶ我々にとってはいかに統計データをもとにものを考えるかの参考にもなる。
    [請求記号]5900:124

  • とてもおもしろい本。著者は完全母乳で育てたみたいなので、このノリで母乳神話も突き崩してほしいわ。

    エピローグに「「乳頭混乱」について調べてなかった自分を恨めしく思った」とあるの、私も同じだった(笑)。私も妊娠中の禁忌は「それってホント?」と思って本や論文を調べてお酒やコーヒーを飲んだりしてたのに、出産後の母乳育児はまったくお勉強してなかったので乳頭混乱について夜中にiPhoneで調べる羽目になった。

    絶対に予定通りになるはずがない「バースプラン」がばからしい、というのも賛成。あれは「アロママッサージ希望します」とかじゃなくて、「医療的な選択肢とリスクに対し、どういう選択をするか」ていう要望書にするべき。

    出生前診断や食べ物のところは文化的な差があるかな。VBACのリスクもなるほど。妊娠中の楽しかったこと思い出して、また生んでもいいな~と思えた。

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著者プロフィール

(Emily Oster)
米アイビーリーグの名門校、ブラウン大学経済学部教授。経済学者の両親のもとで育つ。ハーバード大学で統計学を学び、経済学の博士号を取得。開発経済学、医療経済学など幅広い分野の研究成果がメディアで注目され、2007年には有名講演者の登壇するTEDカンファレンスでアフリカのエイズ問題を講演。シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネス准教授時代の2013年、自身の妊娠出産で検証した客観的なデータをもとに、著書『お医者さんは教えてくれない 妊娠・出産の常識ウソ・ホント』(東洋経済新報社刊)を刊行、大反響を呼ぶ。夫は同じブラウン大学の経済学者ジェシー・シャピロ。2人の子どもと共にロードアイランド州プロビデンスに在住。

「2021年 『米国最強経済学者にして2児の母が読み解く 子どもの育て方ベスト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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