政策立案の技法

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制作 : Eugene Bardach  白石 賢司  鍋島 学  南津 和広 
  • 東洋経済新報社 (2012年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492212004

政策立案の技法の感想・レビュー・書評

  • 【読書その214】カリフォルニア大学バークレー校ゴールドマン公共政策大学院で長年用いられ
    てきた政策立案の実践的な手引き。今の仕事の中でもよく話にでる良書。

  • 医療政策を学びたくて, そのとっかかりとして購入. なんとなくこういうもんなのかな, というのは分かった. が, 現時点ではどう足掻いても「実践に至らぬ理論」で終わってしまうので, その域を出ない.真剣にやるなら, やはり海外の公衆衛生大学院で学ばなければならないと痛感. しかし, 学ぶということは面白い.

  • 本書の中心は、政策立案のためのステップが書かれた第一章である。以後は、政策立案と言うよりも、政策分析の際に役立つであろうと思われる。
    政策をどのように立案すべきか、どのような手順で構築すべきかということについて、事細かに書かれている。政策を実施する時に、利害関係者にその政策の効果などをわかりやすく説明する必要があるが、このために整理された手順で政策を立案する必要がある。この手順を知ることができ、非常に有意義であったと思う。
    本書は、広く政策に関わる人のみならず、社会科学を学ぶ人に対しても勧めたい。特に本書後半部の記述は、政策調査に関わる記述なので、何か論文やレポートを記す時に役立つであろう。

  • 本書は、UCバークレーの公共政策大学院の奥義として、問題解決を「成果」に結び付ける8つのステップを述べたもの。

    <ポイント:8つのステップ>

    ①問題を定義する
     1)過不足を考えてみる(多すぎる、少なすぎるなど、「~過ぎる」といえるか)
     2)公的な問題か否か(市場の失敗の発生など)
     3)出来れば定量化する
     4)問題を引き起こす状態を突き止める
     5)「確率」(リスクの発生する可能性)を明示する
     6)潜在的な機会(見逃されがちな社会改善の方法・政策)を探ってみる
    ②証拠を集める
     1)集める前に、(意思決定のための)証拠の価値を考え、(無駄なデータ収集を避けるため)目星・当たりを付ける
     2)既存の文献を精査する
     3)他の成功事例(前例)を調べる
     4)類似性がある問題についてデータを収集する
     5)(相手のスケジュールもあるため)早く始める
     6)こまめに連絡を取り、信頼を勝ち取り、ファシリテーターやまとめ役になる
     7)情報提供者から解決策の提案があった場合は、反対の立場の人間にも接触すべき
    ③政策オプションを組み立てる
     1)オプションは必ずしも排他的である必要はない
     2)オプションは包括的に検討し始め、終盤で絞る
     3)問題が存在するシステムをモデル化する(e.g.市場モデル、生産モデル、進化モデル)
     4)政策オプションのリストを概念化(趣旨を一行か一語で表す)し、単純化する
    ④評価基準を選ぶ
     1)よく使われる基準(効率性、公平・公正など)
     2)対立する評価基準を重み付けする(政治過程に委ねるor自ら提案する)
     3)現実的な基準(適法性、政治的受容性、安定性、改善可能性)
    ⑤成果を予測する
     1)予測のロジックを拡張する(複数のモデルを使う、など)
     2)成果の大きさを推計する
     3)不確実性の存在を認知する
     4)感度分析を行う
     5)過大な楽観視を排除する
    ⑥トレードオフに立ち向かう
     1)成果に眼を向ける
     2)共通の尺度で評価する
     3)ベースケース(BAU)を設定
    ⑦決断!
     1)20ドルテストをしてみる(そんなに良い政策ならば、もっと昔に誰かやっていたはず(※20ドルが路上に落ちているはずがない。もしそうなら、誰かが拾っているはず)
    ⑧ストーリーを語る
     1)ベッシーばあさんのテストをしてみる(1分間で一貫した、地に足のついた説明を)
     2)聞き手を知る
    3)論理的なストーリの流れを作る

  • カリフォルニア大学バークレー校ゴールドマン公共政策大学院で教えられているという政策立案の技法をまとめた本です。

    政策立案の方法をフレームワークとしてうまく整理していると思います。そのフレームが第1章の「政策分析の8つのステップ」(STEP1:問題を定義する、STEP2:証拠を集める、STEP3:政策オプションを組み立てる、STEP4:評価基準を選ぶ、STEP5:成果を予測する、STEP6:トレードオフに立ち向かう、STEP7:決断!、STEP8:ストーリーを語る)に記載されています。

    第2章の「証拠を集める」、第3章の「『スマート(ベスト)プラクティス』の研究―別の場所のよさそうなアイデアを理解して活用する」は、先に示したSTEP2、STEP3に対応しており、それぞれ詳細に方法論やインタビュー時の事例等が書かれています。

    付録として「付録A:政策分析の実例」、「付録B:政府が行うこと」、「付録C:公的組織・非営利組織を理解する―正しく理解するための41の質問」、「付録D:政治的支援を勝ち取るための戦略的アドバイス」が掲載されています。

    付録Aは、RAND研究所の薬物犯罪の法定最終刑期導入がどの程度コカイン消費量削減に結びつくかを既存の政策オプション等と比較して分析したものです。付録Bは、政府が取り得るオプションの一覧、付録Cは政府組織等を考える上で必要な質問、付録Dは、どのように政治的支持者をとりつけていくかという話です。

    個人的には、第1章や付録B,Cはよかったものの、第2章、第3章は翻訳のせいか若干読みにくく良さが少しそがれているように感じました。付録Aもよい政策分析と紹介されていますが、背景となる情報が少なく、(この本だけで)読者が追体験することがしにくくなっています。

    総合的な評価で言えば、☆3つ。公共政策大学院の学生であれば、以下の本もあわせて読んだ方がわかりやすいと思います。
    ・宮脇淳『政策を創る!考える力を身につける!政策思考力基礎講座』ぎょうせい、2011年。http://booklog.jp/users/u-lev2/archives/1/4324091625
    ・秋吉貴雄・伊藤修一郎・北山俊哉『公共政策学の基礎』有斐閣、2010年。http://booklog.jp/users/u-lev2/archives/1/4641183813
    ・伊藤修一郎『政策リサーチ入門―仮説検証による問題解決の技法』東京大学出版会、2011年。http://booklog.jp/users/u-lev2/archives/1/413032215X

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