ポストキャピタリズム

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制作 : 佐々 とも 
  • 東洋経済新報社 (2017年9月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492315033

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ポストキャピタリズムの感想・レビュー・書評

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  • 「ポストキャピタリズム」Paul Mason

    先進諸国では資本主義の最盛期は過ぎた。その他の諸国でも私たちが生きている間に資本主義は終わる。

    緊縮政策を拒む政府は、1%の富裕層を守る国際機関とすぐに衝突することになる。

    資本主義は複雑で適応するシステムであるが、適応能力が限界に達している。

    市場システムの隙間や窪みでほとんど気付かれずに経済生活を取り巻く環境が今までとは異なったリズムで変化している。並行通貨や時間銀行、共同組合、自己管理型空間が急増しているが、経済の専門家にはそれが見えていない。

    ピアプロダクション(情報や知識を共有して行う生産方式)やコモンズ、シェアリングエコノミーが広まっている。

    初期社会で物々交換や貨幣が登場した証拠はない。初期の人類は貨幣よりももっと強力なものを使っていた。それは「信頼」である。

    米国製造業の社員賃金は1973年以降上昇していない。同時期に、米国経済の債務は2倍に増え、金融、保険、不動産業界の対GDP比は15%-24%増加している。

    金融化の進んだ1980年代から短期の四半期利益の数値が脅しとなり、古い企業のビジネスモデルを抹殺した。

    いずれの資本主義的発展も金融資本主義の段階に到達すると、衰退が示唆される。

    新自由主義の下では、米国は国民を貧乏にすることで利益を増やした。

    金融化は不換紙幣のように崩壊をもたらす。

    グローバルインバランスが大きくなるのを最後に止める事ができるのはグローバル金融の崩壊。

    グローバルインバランスは欧米諸国を膨大な信用によって氾濫させ金融システムを破壊する。また、世界の鬱積したリスクと不安が債務や為替レートをめぐる国家間の協定というプールに溜まり、最後に決壊する。

    不換紙幣の安定化、金融化からの後退、不均衡の終結が資本主義の崩壊を免れる唯一の道。だが、それには巨大な社会的政治的障害が待ち受ける。

    価格システムを通じた市場参加者よりも、今や人間として社会に生きる者として、社会的に交流しあう個人の方が、人類の価値をもっと多く生み出すことができるようになった。

    現在の資本主義における主な矛盾は、財が無料で社会的に潤沢に作られる可能性と、権力と情報統制を維持しようともがく独占、銀行、政府のシステムとの間に存在している。つまり、あらゆる事がネットワークと階層制との闘いによって広まっている。

    19世紀の最初の数十年間はあらゆるものに値段をつけようとするシステムに囲まれていて、左派が共有、協力、協働の労働を基盤とするユートピアのコミュニティを作っていたが、大半は失敗した。その理由は何もかもが不足していたから。

    封建主義は忠誠と義務を基盤としたシステムであり、資本主義は市場を基盤としたシステム。

    ウィキペディア、リナックス、ジェネリック医薬品、公共科学のようなものが増えればオープンソースという労働の形に適応できる。

    協同組合の世界上位300位のリストを見ると、その多くが企業の所有権に抵抗する相互銀行。これらは社会的良心を持ってあらゆる点で金融搾取と闘ってきた。

    ポスト資本主義の協同組合は、非市場と非管理の拡大と貨幣を基盤としない活動の普及を試みる事になる。

    我々に必要なのは、法的形態が真の協働型の生産と消費によって支えられている協同組合。

    非利益である事に固執しない。P2Pの金貸し業やタクシー、貸別荘会社が儲ける事も可能だが、社会的不公正を生じさせる能力を制限する規制の下で操業する事。

    政府レベルでは、「非市場経済庁」のような行政機関を創設し、無料のものを生産したり、共有や共同が不可欠となるあらゆるビジネスを育成し、価格システムを超える経済活動を最大限に拡大させる。

    中央銀行を国有化する。持続可能な成長の明白な目標とインフレ目標を最近の平均よりやや高めで設定する。

    銀行システムを再構築する。利益率に上限を設けて銀行システムを儲けのある公共事業と組み合わせる。例えば、地元地域に密着した非営利銀行、信用組合、P2P業者、金融サービスの包括的国有企業など。

    複雑な金融サービスに対しては、十分に規制する。

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ポストキャピタリズムの作品紹介

英国のトップジャーナリストによるベストセラー、待望の邦訳。
人類史上初のチャンスをもたらす「プロジェクト・ゼロ」=資本主義以後の世界を探る。

【本書への賛辞】

たとえ、あなたが現在の資本主義システムを愛しているとしても、本書を無視するのは間違っている。
本書の主張は、右派と左派も分け隔てなく幅広い読者層を得るだろう。
――ジリアン・テット(ジャーナリスト・元フィナンシャル・タイムズ アメリカ版編集長)

これまでとは違う真の選択肢を導き出す独創的、魅力的、刺激的かつ活気ある明確なビジョンである。
――ナオミ・クライン(ジャーナリスト、『ショック・ドクトリン』著者)

ポストモダニズムなど、さまざまな『ポスト○○論』の流行が去った後、
メイソンは、唯一本物のポスト論である『ポスト資本主義』と恐れることなく向き合った。
――スラヴォイ・ジジェク(哲学者、精神分析家)


【「プロジェクト・ゼロ」=資本主義以後の世界とは?】

●機械や製品の製造コストはゼロ、労働時間も限りなくゼロに
●生活必需品や公共サービスも無料に
●民営化をやめ、国有化へ。公共インフラを低コストで提供し、単なる賃金上昇よりも公平な財の再分配へ
●ベーシック・インカムで、劣悪な仕事は姿を消す
●並行通貨や時間銀行、協同組合、自己管理型のオンライン空間などが出現
●経済活動に信用貸しや貨幣そのものが占める役割がずっと小さくなる  etc


【本書の内容】

資本主義の変革はもはや実現不可能なユートピアではない。
市場や私有財産を基盤にした現行システムとは全く異なる未来を描き出す。

著者、ポール・メイソンは、資本主義200年の歴史を調査するなかで、ある疑問を抱いた。
「資本主義は社会全体を動かしている非常に複雑なシステムだが、資本主義自体が限界に達し、まったく新しい何かに変化しつつある一歩手前なのではないか」と。
この変化の中心にあるのが情報技術だ。
これは労働や生産、価値について私たちが当たり前に持っている概念を、完全に別の形に変化させ、市場や私有財産を基盤にした経済を崩壊させる可能性のある革命なのだ。
現に、これらの変化はすでに起きている、とメイソンは主張する。
新自由主義のルールに、もはや対応しなくなった商品やサービスが現れたのだ。
例えば、並行通貨や時間銀行、協同組合、自己管理型のオンライン空間などである。
国が後ろ盾する「株式会社資本主義」システムとは全く違い、正反対とも言えるビジネスが行われている。
本書では、昨今の経済危機の残骸から、より社会的に公平で持続可能な世界経済を構築するチャンスをどのようにつかむことができるのか、を明らかにする。

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