ヤンキーの虎

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492396186

作品紹介・あらすじ

地方経済の主役交代が始まった!
地方経済を支える新・起業家たちの実態、ビジネス手法を紹介する。


「ヤンキーの虎」とは、どのような人たちなのでしょうか。一言で言いますと、次のような人や企業のことです。

「地方を本拠地にしていて、地方でミニコングロマリット(様々な業種・業務に参入している企業体)化している、地方土着の企業。あるいは起業家」

これがヤンキーの虎の位置付けです。「地方豪族」と言ってもよいかもしれません。彼らが最も好むのは、「シンプルで、でっかく儲けられそうなもの」。それほど複雑なビジネスモデルではありません。とにかく儲けられそうだと思ったら、すぐに始める瞬発力と柔軟さを持っているのです。(中略)安倍内閣は、「地方創生」を日本再興戦略の一つの柱に据えました。また、前岩手県知事を務めた増田寛也氏の著書『地方消滅』(中公新書)はベストセラーとなりました。そういった意味では、今、地方にスポットライトが当たっています。そして、そのような地方創生の立役者となるのは、間違いなく「ヤンキーの虎」だと思います。ただ、彼らが地方経済の救世主となるのか、あるいは悪魔となるのかは分かりません。実際、ヤンキーの虎にも色々な人がいて、自分の金儲けだけに熱心な人もいれば、地方経済のことまで考えている人まで、幅広いのです。いずれにしろ、彼らに稼ぐ能力があることに対してはリスペクトしたいと私は考えています。

感想・レビュー・書評

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  • 「ベンチャーの虎」…グローバルシティ、グローバル(orナショナル)ビジネス
    「ヤンキーの虎」…ローカルタウン、ローカルビジネス

    高収益力の秘密は本社コストの抑制。各事業の間接部門を共通化。

    「伊藤レポート」…ROEが5年で平均5%を下回ったら、社長はクビにしろ。8%以上を目指せ。米国は15%、欧州は10.5%(2013年8月時点)。

  • 地方経済活性化の鍵となりつつあるヤンキーの虎に存在とその実像がよく分かった。また2025年は、急速な人口減少、社会福祉費の増大、全国的な需要減少で日本経済か大きなインパクトがあり、節目となる年になるのだろう。。

  • 仕事でお世話になっている、大学の先生からの紹介。
    以前、この著者の本を読んだことがあり、視点が斬新で興味深く読んだ記憶があります。数年後、別の形で巡り合った感じで不思議な感覚です。

    タイトルからは、なかなか手に取りにくい本ではありますが、地方経済のある一つの姿を映し出しています。
    このまま実態とイコールではないと思いますが、著者の意図はよく分かります。

    このような人材を育成または発見し、広めていくことは今後の地方経済の活性化には必要です。
    地方のようにマーケットが小さいからこそ、人の力に頼る部分は大きい。そういう人たちが連携することで、さらに大きな力になる。それを支援できる地方であるべきです。



    ▼ヤンキーの虎=「地方を本拠地にしていて、地方でミニコングロマリット(様々な業種・業務に参入している企業体)化している、地方土着の企業。あるいは起業家」
    ▼ヤンキーの虎の特性=若さ・チャレンジ精神・情報収集能力
    ▼起業家・経営者としての能力=ビジネスモデルを回して、収益性のあるところにチャンスを見出し、適切なリスクをとって投資して、成果を出すということ
    ▼ヤンキーの虎の共通するキーワード=事業意欲・仲間意識・スポーティ
    ▼飛躍的な事業拡大のために必要な鍵
    ・地域密着
    ー地域でのシェアを拡大すること
    ー顧客情報の共有
    ・地域拡大
    ー上手くいった手法の横展開
    ▼人材の流動性の低さが地方経済が衰退する原因の一つ
    →地方ビジネスの社会的地位の低さ
    ▼シャッター商店街は、貧しさではなく、豊かさの象徴
    ・動かない人が豊かに暮らす街:個人の豊かさに過ぎない
    ▼日本も地域も、よくしていくのは自分たち
    ▼ヤンキーの虎の急成長は2020~2025年まで
    ・2020東京五輪:投資や消費が伸びやすくなる
    ・2025本格的な超高齢化社会の開始(団塊の世代が後期高齢者)

    <この本から得られた気づきとアクション>
    ・支店経済化ではない、異なる地方の経済モデルの実態を見た。
    ・自分の地域だったら、どういう人が該当するのだろうか。
    ・自分のお店を成長させることはもちろんのこと、業界全体のこと、地域のことまで考えて行動している人は尊敬したい。そしてそういう人はたくさんいる。

    <目次>
    序 章 知られざる成長ビジネスが地方にある-ジモト経済を席巻する「ヤンキーの虎」
    第1章 「ヤンキーの虎」はなぜ生まれたか-小泉改革、IT革命の功罪
    第2章 「ヤンキーの虎」の実像に迫る-その生態、価値観から嗜好性まで
    第3章 「ヤンキーの虎」のビジネス手法-なぜ強いのか、投資家の視点で分析
    第4章 「ヤンキーの虎」と地方の未来はどうなるか?-政府の経済政策が大きく変わり始めている
    第5章 「地方創生」に向けた私の取り組み

  • 東京大学農学生命科学図書館の所蔵情報(紙媒体)
    https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2003581307

  • 言ってることが結構グロテスクというか、著者は「自分は善を為していると本気で思い込んでる邪悪」なので質が悪い。大人しく黒子としてファンドマネージャーの仕事にだけ徹していればいいのに。

  • マイルドヤンキーの話かと思ったら、それを従わせるトップの話。この本を読むとその実態は真面目で勤勉家で将来のことを考えてると思わせるけど、本物はそうなのだろうか?
    地元のことを考えて発展させてるところが全てだったら良いけど

  • 地方のビジネスの現状を解説する。

    地方でフランチャイジーや介護事業者などとしてコングロマリット化する企業。

    彼らはいかなるもの、どう稼ぐか、性格的特徴などを丁寧に解説しており、その貪欲さに刺激を受ける。

    確かに言われてみるとちらほら思い当たる人がいる。

    日本経済がたどった近年の社会的出来事も同時に学ぶことができる。

    おもろかった。

  • 「ヤンキーの虎」は、地方の若者層にあたる「マイルドヤンキー」のリーダー格であり、地方の経済と政治への影響力を伸ばしている。その生態系や背景までを解説した一冊。

    藤野さんは実際に全国各地にひふみの投資説明会で足を運んでいるので生の一次情報を集めている。機関投資家としてリスクも取っているのでトレンドを追いかけるノンフィクション作家より信頼できる。

    「ヤンキーの虎」が生まれた背景は、衰退する地方企業(経営者や職員の高齢化とコンサバ化がリスク・テイクを鈍らせて競争力低下など)を吸収(M&Aや市場で競り勝つなどして)しつつ、本社規模を維持することで管理コストの占める割合を下げて商品サービスの価格競争力も高めるコングロマリット化だ。知識集約が必要な製造業には手を付けず、店舗運営やロジスティクス中心に手を広げることも特長。

    僕は業界紙の記者の頃、ドラッグストア業界の勢力争いを取材した経験がある。彼らは「ヤンキーの虎」の親世代に近いが、自分の地盤で店舗拡大して雇用の受け皿となるだけでなく、選挙活動から積極的に政治に関与して政治と経済の両方への影響力を高め続けていた。生態系がよく似ている。そしてその様子は、まるで天下統一を夢見る戦国時代の合戦だった。

    藤野さんは全国各地を回ってお金を集めて「ヤンキーの虎」と「ベンチャーの虎(グローバル志向のテクノロジー系)」を発見して彼らとの信頼関係を構築し、エンパワメントする流れを作っている。2020年頃までは加速し続けそうだ。

  • コンセプトはいいんだけど、惜しい。

  • ・人口減少を迎える直前の2020年くらいまでは、
     順調に伸び続けるのではないか。

    ・リスクをとる勇気と、いくばくかの経営センスさえ
     あれば、地方で伸びていくことは可能。

    ・顧客情報が、地方ビジネスの生命線。
     ヒトを扱うビジネスを同時展開する。

    ・本当のコンテンツは、お客様自身。場所だけを
     提供する居場所ビジネス。

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著者プロフィール

投資家、レオス・キャピタルワークス株式会社代表取締役会長兼社長 最高投資責任者。1966年富山県生まれ。国内・外資大手投資運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年に独立しレオス・キャピタルワークス株式会社を創業。特に中小型株および成長株の運用経験が長い。一般社団法人投資信託協会理事。著書に『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社)『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』など多数。「お金」や「投資」を通して、株式会社や日本社会、世界経済のあるべき姿を模索し続けている。投資教育にも注力しており、東京理科大学上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、叡啓大学客員教授も務める。2022年4月付けで小学生のレウォン社長が起業した株式会社polarewonにて、取締役チーフニコニコオフィサーに就任。

「2023年 『投資家がパパとママに伝えたい たいせつなお金のはなし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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