中原圭介の経済はこう動く〔2016年版〕

著者 :
  • 東洋経済新報社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492396223

作品紹介・あらすじ

中国減速、米国利上げで世界経済は遂に歴史的転換へ
◎2016年、大転換する世界経済/◎米国利上げで世界経済に何が起こるのか/◎チャイナ・ショックに怯える欧州経済/
◎中国経済の減速はこれから本格化する/◎円安トレンドが終わり、日本株は低迷する…etc.もっとも予測が当たると言われる
経済アナリストによる最新の経済予測。

むしろ私は、チャイナ・ショックにより暴落の憂き目にあった世界の株式市場よりも、米国の利上げによって世界の実体経済が大いに減速するのではないかと懸念しています。不謹慎な言い方をすれば、近年ほど世界的な金融緩和が行われたのは歴史上初めてであり、米国の利上げによってこれから何が起こるのか、壮大な経済実験が始まろうとしているとも思っています。(中略)米国の利上げによって、マネー経済の膨張と偏重という不均衡が修正に向かい、その影響が世界各国に連鎖波及していくことになるでしょう。まさに、実体経済と金融市場が大きな転換点を迎えることになるわけです。(プロローグより)

感想・レビュー・書評

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  • 結果検証用に読んだ。
    日経平均が下がる予測は当たった。
    おおよそ書いてあることに間違いはないように思えた。
    アメリカの金利上げは世界中の経済へ悪影響を与えることがよく分かった。

    内容的に一冊の本としては読者へリターンが少ないと感じた。

  • 確かにそろそろ、円高も怪しくなり、当たっていることが多そうな気もする。
    アメリカがGDPの基準変えたり、欧州のポピュリズムが進んでしまうか、中国の減速で、元安かインフレのどちらを取るか?など直面しそうな課題がいろいろ挙げられていて面白かった。

    中原圭介の経済はこう動く〔2016年版〕
    目次

    まえがき

    プロローグ 2016年、大転換する世界経済
    世界の金融市場は歴史の教訓を生かしていない
    ECBの量的緩和がバヌルの生成に深くかかわつている
    米国の利上げによって、実体経済と金融市場が大きな転換点を迎える

    第1章【米国経済編】米国利上げで世界経済に何が起こるのか
    世界で唯一好調を保っている米国経済
    米国民生活はやっと最悪期を脱したところといえる
    新規雇用者の賃金は下がり続けている現実
    とうとう米国は格差社会の縮小に舵を切り始めた
    新しいパラダイムでは、クリントン大統領が誕生する理由
    FRBが利上げにこだわれば、世界経済が減速する
    利上げはマーケットの下降トレンドを決定づける
    FRBの想定外は、駆け込み消費の反動だ
    低成長に甘んじる米国は、GDP統計を嵩上げしようとしている

    第2章【欧州経済編】チャイナ・ショックに怯える欧州経済
    不都合な現実を修正したいために、EUはGDPの算出方法を変更へ
    世界最大の経常黒字地域が、なぜ低迷を余儀なくさせられているのか
    ドイツの好調がユー口圏経済を押し上げている
    経済的に苦しい国々も原油安によって一息ついている
    ECBの量的緩和は成功するはずがない
    デフレへの誤解が経済的な歪みを蓄積さぜる
    ギリシャがユー口圏を離脱しても、もはやショックは起こらない
    チャイナ・ショックと米国の利上げでドイツの減速が始まる
    欧州最大のリスクはポピュリズム政治の台頭にある
    ドイツの新産業革命が域内格差をさらに拡大する
    第3章【中国経済編】中国経済の減速はこれから本格化する
    中国大減速の元凶は、無謀な4兆元投資にあった
    中国のGDP成長率は7%を大きく下回っている
    住宅市場と自動車市場の不振には、手の打ちようがない
    最後の頼みの株価バスルが弾けて、中国が失ったものは大きい
    国際金融市場において信用を失った中国
    今後、中国の景気対策は金融緩和と賃上げに頼らざるをえない
    株価下落は中国の高額消費を大きく減らす
    通貨安か、インフレ抑止か、中国は苦しい選択を迫られている
    世界通貨切り下げ競争が激化する可能性
    借金経済の行き詰まりで、中国経済は制御不能になる可能性も

    第4章【日本経済編】円安トレンドが終わり、日本株は低迷する
    大手メディアは日本経済の真実をはっきり伝えていない
    アベノミクスで国民の生活は貧しくなつている
    日本が原油安の恩恵をフルに生かすことができない理由とは
    21世紀型の経済では、「インフレ目標」は「インフレ失望」に変わる
    日銀のインフレ目標は、今後も失敗し続ける
    日本経済にとって本当に恐いのは、中国よりも米国経済の減速だ
    円安トレンドの終焉と円高トレンドへの転換はいつになるのか
    これからの株価は上がるのか、下がるのか

    あとがきに代えて
    ~政治経済の安定のためには、
    インフレ目標や金融緩和競争をやめるべきだ

  • 「もっとも予測が当たる経済アナリスト」として人気の高い、中原圭介さんの本。

    2016年、世界経済にどんな変化が起こるかをわかりやすく解説してくれる。

    経済に関するリテラシーがあまりなくても読みやすい。
    世界経済はこんな風につながっているんだ、というのがよくわかる。
    アベノミクスがいかに意味のない政策か、もよくわかる…。


    「原油価格が下落する」ことも2012年頃から予測していた中原さん。
    すごすぎる。

    <メモ>
    ・日本への影響は中国<米国
    ・FRBの利上げが日本経済にもっとも影響する
    ・ダドリー総裁(ニューヨーク連銀)の発言に注目。
    FRBの決定はほぼ彼の発言に沿う形になっている

    ・ギリシャがEUから脱退しても、経済や金融市場にショックは起きない
    ・ドイツはチャイナショックと米国の利上げで減速に転じる
    ・欧州最大のリスクは「ポピュリズムの台頭」

    ・中国は民間債務が突出して大きい。民間債務が急速に膨らんだ国は、これまで例外なく金融危機に至っている(英国、米国、スペイン、ポルトガル、アイルランドなど)。
    中国は何が起こってもおかしくない、と考えておいた方がよい。
    ・人民元安で影響が大きいのはドイツ、韓国、台湾、マレーシア、タイ、オーストラリア、ニュージーランドなど(対中国輸出の割合が多い)。

    ・「20世紀型インフレ」(消費拡大によって物価が上昇)と「21世紀型インフレ」(エネルギー価格高騰によって起きる。貯蓄・資金が資源消費国から資源生産国に流出)は違う。インフレを目標にするのは間違い。今は緩やかなデフレの方が生活はよくなる(英国がいい例)。
    「デフレ=不況」ではない。

  • 来年は円高とする筆者。

    第4章の日本の現状については強く同意。にほんの今をちゃんと見ずしてバカみたいにインフレを追いかけるのはやめるべし。

  •  中原圭介氏の近著の中で一番まとまっている。
    各国の2016年以降の経済状況を予測。
    米国の利上げで唯一経済状況の良いアメリカも、経済状況が悪化する。ヨーロッパ、中国、新興国ももちろん状況悪化。
     それにつられて日本も株安となると予測。
    2016年以降、世界的に世界の実体経済が大いに減速する可能性が高いと予測。
     

  • 景気や世界経済をウォッチしていない私にとっては新鮮な内容で、そういう人にはお勧めかも。予想の部分は、当たるも八卦、当たらぬも八卦と思って読んだ。
    ・米国は格差社会の縮小に舵を切り始めた。
    ・米国はGDPの算出方法を変更し、GDPを嵩上げしようとしている。
    ・EUは地下経済をGDPに算入することによりGDPを嵩上げしようとしている。
    ・米国の利上げが始まる前後の1ヶ月以内に円相場の急伸が訪れ、円安トレンドの終わりを決定付ける。
    ・円安の水準訂正が起こると予想する2015年10月から2016年3月のうちに、日経平均株価は下降トレンド入りが鮮明になる。
    一点、本当かなと思った点。
    ・本書では国際金融市場で中国は信用を失った例として、IMFが8月に人民元のSDRへの採用の見送りを挙げている。しかし、どうやら11月にも採用されると報道されている。

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著者プロフィール

1970年生まれ。慶應義塾大学卒業後、金融機関や官公庁を経て、現在は経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。大手企業・金融機関、地方公共団体等への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に務めている。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。実質賃金、実質成長率など、名目数値よりも実体経済に近い数値推移で市場を把握する。著書に『AI×人口減少』(東洋経済新報社)、『日本の国難』(講談社現代新書)など。

「2021年 『マンガでわかる その後の日本の国難 稼ぐ力の高め方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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