デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論

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制作 : David Atkinson 
  • 東洋経済新報社 (2016年12月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492396353

デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論の感想・レビュー・書評

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  • 日本人はプレッシャーともっと戦うべきだし、プレッシャーをうまく設定すべきだ、というのが本書の趣旨なように思う。

    女性が自由を手にするには稼がなくてはいけないと西原理恵子も言っており、私はこれを支持するが、本書には生産性の低い仕事しか女性に与えられておらず、だから女性の給料が低く男女格差があるのだといく記述があった。

    さらにはアメリカのROE至上主義とは行かないまでも時価総額を上げざるプレッシャーをかけることにより女性活用せざるを得なくなると。概ね納得のいく内容。

    日本には稼ぐは悪という空気があったように思う。不景気の緊縮が暗黙としてあるような…。趣味だって稼ぎがあってなんぼ、生産性を上げる=単位時間あたりの収入を増やすことなので、趣味の時間を確保するために工夫ことだって生産性の向上につながる。

    会議を一回で終わらせるために、決断することや後回しの提案をしないことも生産性の向上につながる。

    メールを簡潔な文章で端的に書いて齟齬を減らすことも生産性の向上につながる。

    こう言った取り組みを実践しつつ、価値観をともにできる仲間を増やすことが、日本のためにもなるのだと考えた次第。

    いや、しかし、プレッシャーっていうのは苦しいものよ。丸投げせず、適切にコントロールして仲間に伝えないとね。

  • 成長しなくても良いと考える理由が何なのか疑問に思った。確かに単にプレッシャーがないだけかもしれない。

  • 分析の数値や用語はマクロ経済のものだが、本書の主張は「意識を変えれば」とか「潜在能力を発揮すれば」日本は蘇るというもので、皆が物価が上がると信じ込めばデフレは脱却できると言っていた多くのエコノミストと同じ誤りの論議に思える。
    意識も潜在能力も国民文化や幅広い社会システムにより醸成されるものである以上、もっとより深い考察が必要とされるのではないか。
    最近のテレビで訪日外国人がモノづくりの職人文化を絶賛し、視聴者のナショナリズムと自尊心をみたさせる番組があるが、本書にも同じ匂いを感じるように思えた。

    2017年4月読了。

  • 政策提言として、政府がGPIF(公的年金ファンド)を通じて上場企業に「時価総額を上げろ」というプレッシャーをかけるべきだと。

    日本の上場企業経営者は国際水準ではまったくの無能であり、利益を出せていない(「3時に閉まる銀行」という例が何度も登場する)、無能な経営者を交代させることでしか生産性の向上はない、女性の活躍もないと。

    なお、藤野英人著『ヤンキーの虎』にも「5年平均でROEが5%を下回ったら経営者をクビにしろ」と書いてあった。冨山和彦著『なぜローカル経済から日本は甦るのか』には両方あわせた主張、つまり「GPIFはROE 5%未満企業から金を引きあげろ」と書いてあった。まさに同意する。

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    # IT投資と生産性

    アメリカでは生産性上昇率の半分以上がITによる貢献だった(1995〜2001年)。つまり生産性向上においてIT投資が重要となる。じつは日本もIT投資比率は低くない。ではなぜ生産性が上がらないのか。

    IT投資を通じて生産性を向上するには、「ITを人の働き方に合わせるのではなく、人の働き方をITに合わせて変える」ことが肝要だ。これができていないので、日本のIT投資は生産性向上に貢献しない。パッケージやSaaSの導入が進まず、オーダーメイドシステム開発ばかりやっている。

    『中国化する日本』風に言えば、日本の労働者は「業務プロセスのドラスティックな変革」に対する拒否権プレイヤーなのだ。「仕事のやり方を変えなくていいなら、システムを導入してもいいですよ」「仕事のやり方を変えようとするなら、そんなシステムは使いませんよ」と。それではシステムを導入する効果がない。このような「百姓一揆」の抑止力によって、日本のIT投資には失敗という選択肢しか与えられていない。

    この問題については、単に経営者の責任というよりも、むしろ「江戸時代的な日本人のエートス」に原因があると言うべきだ。「自分の居場所(正社員という身分、家職)で立派に勤め上げたら、老後も社会(会社とクニ)が面倒みてあげましょう」という「労使の日本式社会契約」がある限り、日本の生産性は上がらないだろう。

    これから否応無く日本社会でも資本と労働の流動性は高まって欧米化、いや、「中国化」していく。ならばそれに適応して日本の社会システムも更新されなければならない。日本の生き残りの道はそこにしかない。

  • 高度経済成長は人口ボーナスの賜物という面があり、停滞の今は生産性の向上に注力すべき、という主張だが、観光にポイントを絞り指摘や対策が具体的だった前著の観光立国論に比べると、やや話が漠然としているきらいがあった。人口減少が確実な日本に、著者が強調するほどの潜在力があるのかどうか。本書では度々慣習に縛られ何も出来ない業界への苦言が呈されるが、自力更生は到底考えられず、また政治が大鉈を振るうのも想像しづらい。では高スキルの移民を大量に取り込めば筋が通りそうだが、そこは人を呼び込む国造りな点、観光立国云々と少し絡むかも知れない。前提が全く異なるが、大昔多くの渡来人が来た事による後世へのインパクトなどを想い馳せたりもした。

  • 日本はGDP世界第3位の成熟国家であり、これ以上の大きなのびしろはない。そもそも資本主義そのものが終焉に近づいている、なんていう話の方をよく聞く。そうなんだ、と納得するところはありつつも、どこか閉塞感を感じていた。でも本書では、がらりと印象がかわる。生産性では、世界第27位で、日本なんてまだまだのびしろがあるんだよ、って。そういわれると、妙に元気になるなぁ(苦笑)。
     サブタイトルに「日本病」とある。それは「英国病」という今では忘れられた感もある過去を持つ国から来た人ならではの表現かもしれない。所得倍増論というのは、客引きかもしれないが、実際のところ所得うんぬんの話は、結果的にそうなりますよ、程度の話であって焦点ではない。俺が読んだこの人の本も、もう三冊目。重なる話も多い。だから言いたいことは、常にひとつなんだな、という部分も察せられる。銀行がなぜ三時に閉まるのか。別に銀行をやり玉にあげるのではなく、そういうことは俺自身が属する仕事環境にもあるのではないか。なぜそういうするのか。ほんとうにそれが必要なのか。そこから掘り返していくことで、もっと大きな仕事ができる。なんて考えると、楽しいよね。

  • タイトルに惹かれて読んでみました。
    所得倍増論という昭和の古き良き時代の響きを感じたので。
    しかし内容はその古き良き昭和の日本の凄まじい成長は
    日本型資本主義や日本の技術力、国民性によるものではなく
    先進国では異常なまでの人口増に支えられたものだった
    という事実が淡々と語られます。

    あまりにGDP至上主義な話の展開ではありますが
    日本人の一人当たりの生産性が低いという指摘は
    間違っていないと思います。
    私も社会人になって10数年が経とうとしていますが
    無駄と思われる手続きや慣習の何と多いことかと
    日々感じています。
    まさに人を雇用している大義名分が立つように仕事を
    作り出しているような感じで。

    人口減の道を進んでいく日本としてはやはり著者の言う通り
    個々の生産性を上げていく努力をしていくしか
    明るい未来は無いのではないかと思います。
    著者は経営者の責任だと述べていますが労働者一人一人も
    意識して生産性を上げていかなければならないと思います。
    ともすれば私益に走ってしまう心を戒めて公益のために
    どうすればよいかを考えることも必要だと思います。
    かなり当たり前のことを述べた本なのですが目からウロコで
    とてもためになりました。

    また、正直途中の話の展開から日本も人口を増やしていくために
    移民を受け入れるべきという安易な結論に達するのかと
    ひやひやしていたのですが真逆な展開となってちょっと安心しました。

  • 潜在能力を活かせない「日本病」の正体と処方箋
    https://store.toyokeizai.net/books/9784492396353/

  • ページの70%位は、いかに日本の生産性が低いかに割かれている。いい加減うんざりしてきたところで対策が述べられる。曰く「経営者がんばれ」「女性がんばれ」「地方がんばれ」。がっかりである。まあ移民受け入れなどと言わないだけでもマシか…。

    例えば、この本でもジニ係数を引っ張ってきて、日本の貧富の差は先進国中でも大きいと主張されている。しかし実感ベースで本当かと訝ってしまう。平均値ベースのデータはバラツキが見えないがゆえ、往々にして本質を見誤る。どうやら著者はマクロ分析を得意としているようだが…。

  • 東2法経図・開架 332.107A/A94s//K

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デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論の作品紹介

ベストセラー『新・観光立国論』の著者、30年間の集大成がついに刊行。

日本はいま、潜在能力をまったく活かせない「日本病」に陥っている。
その原因を特定し、「あたりまえの政策」を実行するだけで、
【平均年収2倍】【GDP1.5倍(770兆円)】が可能になる!

データに基づく客観的な分析で解説する、日本に輝かしい未来をもたらす方法。

■潜在能力が活かされていない日本
・日本は「GDP世界第3位」の経済大国
 →1人あたりGDPは世界第27位
・日本は「輸出額世界第4位」の輸出大国
 →1人あたり輸出額は世界第44位
・日本は「研究開発費世界第3位」の科学技術大国
 →1人あたり研究開発費は世界第10位
・日本は「ノーベル賞受賞者数世界第7位」の文化大国
 →1人あたりノーベル賞受賞者数は世界第39位

■潜在能力を活かせば、日本はこうなる
・平均給与は男性が1.6倍、女性が2.7倍に。全体では約2倍に拡大
・GDPは1.5倍の770兆円に
・貧困問題、国の借金の問題、社会保障費問題も解決する

■筆者のコメント
皆さんが学校でこんなに熱心に勉強して、塾にも通って、就職してからも毎日長い時間を会社で過ごし、
有給休暇もほとんど消化せず、一所懸命働いているのに、「生産性は世界第27位」と言われて、悔しくないですか。
先進国最下位の生産性と言われて、悔しくないですか。
こんなにも教育水準が高い国で、世界の科学技術を牽引するだけの潜在能力がありながら、
1人あたりのノーベル賞受賞数が世界で第39位というのは、悔しくないですか。
「ものづくり大国」を名乗りながら、1人あたり輸出額は世界第44位と言われて、悔しくないですか。

私は、悔しいです。日本は、この程度の国ではありません。

日本の実績を「この程度」に押しとどめている原因を特定し、改革を実行すれば、日本は必ずや、劇的な復活を果たせるはずです。
本書がその一助となれば、筆者としてこれほど嬉しいことはありません。

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