農民国家・中国の限界 ―システム分析で読み解く未来

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492443675

作品紹介・あらすじ

中国は超大国になれない!「奇跡の成長」は終わりを遂げ、大調整期へと突入する。「農」と「土地」の視点から、中国社会の課題と行方を提示。

感想・レビュー・書評

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  • 書かれてることがじつに冷静で全て納得する。自分もこうした態度で中国の状況に接したい。

  • ・農業は成長産業ではない
     -工業と比べるとGDP比で比べて生産額はとても小さい
     -工業製品と比べて,つけられる付加価値には限界がある
     -総消費量には人口に応じた限界がある→中国の人口は頭打ち
    ・日本は戦後の農地解放+自民党の農民優遇政策のおかげで一億層中流社会が実現できた
    ・中国では土地は共産党のもののため,格差がとてつもなく広がってきている
    ・中国の投資マネーの大半は上記共産党員のものである

    ・中国の統計を鵜呑みにしてはいけない
     -中央に良い顔をするため地方の成績は水増しして報告される
    ・中国のバブルは必ず崩壊する
     →クリエイティブな文化が育たない場合中国はものづくり大国となり,日本が同路線で戦うことは厳しい.新たなサービス産業を中心に戦うべきである.

  • 数多ある中国分析本に比べ、比較的冷静な叙述は好感が持てます。ただ、肝心の「システム分析」の成果がどこに出ているのか、それがわからないのであれば、本書の存在意義はないような気がします。

  • 久々に一気に読むことが出来た本である。数十年前に中国政府の徹底した工業製品を先進国から移植する姿を見て、脅威に感じたが今だホンダ、ソニーのうようなクールな製品が誕生せず、東京、ロンドン、ニューヨークで
    垣間見る観光客の姿も田舎くさい成金
    とかんじた。
    この事は筆者の説明で納得できた。
    また、日本がいまだに、政治家の虚偽
    へ反論できず、今後の自分自身の身に
    振替える将来を予見出来るものである。
    官僚、政治家の政策の失敗で多くの
    日本国民は生活に苦しんでいるが、
    この本から、今後の日本のアジェンダ
    が見付かるのかもしれない。

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著者プロフィール

川島博之(かわしま・ひろゆき)
ベトナム・ビングループ主席経済顧問、Martial Research & Management Co. Ltd., Chief Economic Advisor。1953 年生まれ。1983年東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得退学。東京大学生産技術研究所助手、農林水産省農業環境技術研究所主任研究官、東京大学大学院農学生命科学研究科准教授を経て現職。工学博士。専門は開発経済学。著書に『日本人が誤解している東南アジア近現代史』(扶桑社新書)、『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』『習近平のデジタル文化大革命』(いずれも講談社+α新書)、『「食糧危機」をあおってはいけない』(文藝春秋)、『「作りすぎ」が日本の農業をダメにする』(日本経済新聞出版社)等多数。

「2021年 『中国、朝鮮、ベトナム、日本――極東アジアの地政学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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