日本人のためのピケティ入門: 60分でわかる『21世紀の資本』のポイント
- 東洋経済新報社 (2014年12月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (77ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492444146
作品紹介・あらすじ
知りたい基本が一気にわかる。Q&A付で読みやすい。
この本を読めば、ピケティと『21世紀の資本』のポイントが60分でわかる!
サブテキストとして最適の「超」入門書が、日本初登場!
ピケティについて知りたい人、『21世紀の資本』を読みこなしたい人全員におすすめ!
この1冊で、ざっと「基本」を身につけよう!
【第1章「ピケティQ&A」より】
Q すごい厚さですが、要するに何が書いてあるんですか?
Q それだけのことに、なぜ700ページも必要なんですか?
Q 19世紀の所得や資本をどうやって測定したんですか?
Q その結果、どういうことがわかったんですか?
Q この不等式はどういう意味ですか?
Q 資本主義で格差はずっと拡大してきたんですか?
Q 『21世紀の資本』の何が画期的だったんですか?
Q こんな専門的な本が、どうしてアマゾン・ドットコムのベストセラー第1位になったんですか?
Q ピケティってどういう人ですか?
Q アカデミックな評価はどうなんですか?
Qこの本はマルクスの『資本論』とはどういう関係があるんですか?
Q 大学で学ぶ普通の経済学とまったく違う感じですが、どう理解すればいいんですか?
Q ピケティはどういう政策を提言してるんですか?
Q 日本とはどういう関係があるんですか?
感想・レビュー・書評
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『21世紀の資本』から、美味しいところだけ集めて、とても食べやすい盛付けと分量で、しかも日本人の口に合う味付けで調理してくれている
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地球全体で税の負担感が異なることで、たくさん稼いでいる人から税を徴収できずに格差が拡大している。
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帯に書いてある通り「知りたい基本が一気にわかる」。よくある安易なまとめや解説本とは違う気がする。ちゃんとわかっている人が、ざっくりコンパクトに説明してくれている感じ。
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80ページほど。分厚いピケティの『21世紀の資本』を開設してくれる。忙しい人には、この解説本だけで良いのでは?それくらい、分かりやすい。
資本主義の根本的矛盾 r>g つまり、資本収益率が必ず成長率=国民所得の増加率を上回るため、格差拡大傾向を持つという矛盾。技術移転に格差縮小の効果があるが、資本蓄積は格差を拡大させる。この格差傾向を是正するには、グローバルな課税が必要であり、タックス・ヘイブンに資本逃避されると、上位層の所得が捕捉できない。
格差の大部分は同世代で起こっており、それは遺産相続によって拡大再生産される。この相続効果が現在の不平等の最大の原因だ。また、ハーバード大学の親の平均年収は45万ドル。教育による格差も拡大する。
我々に出来ることは何だろう。生まれながらの富裕層が富裕層を再生産する世界が、本当に理想的と言えるだろうか。高額な資産を手に入れられたら、後は金利のみで生きていける。それを宗教が禁止した時代もあるが、今は違う。適正に天才を生み出し、育むシステムこそ必要であり、環境や資産だけのギフテッドは無用ではないだろうか。 -
なんの基礎知識もないと、正直このレベルでもあまりわかった感じはしない。「経験則としては労働所得より資本の所得の方が大きいので格差は拡大する」ということだけはわかった。タックスヘイブンの問題も迫る。見解と解説がはっきりと分かれていないのも混乱の原因か
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Q&A、ピケティをどう読むか、3つのポイントを解説。戦後の平等化は幻想で1970以降格差は拡大。格差の原因は、教育とテクノロジー・スーパーマネジャー・遺産相続・タックスヘイブン。対策は、教育の機会、累進課税、金融情報の世界的共有。
薄くてわかりやすくてよいです。格差が悪とは言いつつ、富豪を主人公とし、富豪と同化して楽しむストーリーに溢れているからなぁ、なんて言えるのも。 -
金持ちの方がマルチマルチで競馬を当てるということを説明すればピケティもわかりやすいが、ともかく、r>gは資本主義の根本的矛盾というより、資本主義はその矛盾を推進力とするシステムであることは思想的には古いテーマ。しかし、共産主義という一つの「理想」が消滅し、かくも露骨な形で資本が流動することになり(端的に言えばCPの飛躍的な進歩)、かくも露骨な形で成金が増えることが「世界的な」情報として(CPのおかげで)皆に知れ渡ってしまう露骨世界の登場にあって当然出るべき論点だとは言える。
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2016年2月7日読了。ピケティ著『21世紀の資本』の解説本。解説本は数種類読んだが、これは中でも「21世紀の資本の何がブームになったの?どういう本?」というなぜなにを親切に解説している点と、「アベノミクス批判」のトーンが強い点が特色か。薄い本でもあり前者は初心者にはありがたい内容だが、後者の要素には「そういうことは『21世紀の資本』の内容を受けて、読者がそれぞれ考えるからいいよ・・・」という気もしてくる。ピケティが示した「r>g」の式は「過去データの分析から導き出されたもの」に過ぎず、何らかの公式から導き出されたものではないのだが、それを「論理的でない」と批判するか、「現実のデータに即しているのだから事実だ」と認めるか、結局問われるのは読者のスタンスということだよな。
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トマ・ピケティさんの”21世紀の資本”には興味が有ったのですがぶ厚くて難しそうだし高そうだったので購入を躊躇っていたの中、池田信夫さん著のこの本に出合いました。第一章ピケティQ&Aは凄く良くまとめられておりサブタイトル”60分でわかる”も決して大げさではないです。
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分かりやすい。
苫米地英人氏はピケティが「2%の成長率は妥当」と言っていることから体制派だと書いていたが、この本ではそこまでの理由は書いていなかった。
大前研一氏は日本人の低消費意欲をピケティは理解していないと断じていたが、そこまでの踏み込みはなかった。
ピケティ本が話題になって大急ぎで書かれた本。
それにしては分かりやすく説明が良心的だった。
東洋経済は質の高い良い本が多いと思う。