ラーメン二郎にまなぶ経営学 ―大行列をつくる26(ジロー)の秘訣
- 東洋経済新報社 (2010年12月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492502136
作品紹介・あらすじ
二郎と武蔵、一風堂では、どれが1番のラーメンなのか?宣伝なしで、なぜオープン初日から大行列なのか?なぜジロリアンは、身も心も二郎に魅了されるのか?セグメンテーションとターゲティング、ポジショニング、コア・バリュー、消費者行動の進化…。ラーメン二郎から経営学の基本がわかる。
感想・レビュー・書評
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我が知多半島には二郎は無い。
愛知県にも無い。
寂しいね。
インスパイア店の多さが県民の二郎への憧憬と渇望を示すとボクは思ってる。
想ってるんだよ!だから!!だからっ!!!
おっと失礼m(_ _)m
そんな二郎砂漠県にある名古屋商科大学にお勤めの先生が書かれた二郎本が本書。
日本屈指のMBAコースを擁する大学の経営学部教授の著書だけにフレームワークを駆使しあらゆる角度から二郎を分析した、、、知性と理性では抑えきれぬ愛に満々たジロリアンの信仰告白の書ね♪
文章は平易で構成も工夫され商品 店舗 組織 顧客 等々二郎の強さと素晴らしさを詳述。
二郎こそが小売飲食店の経営のお手本、師匠、教義、聖地、、、神だっ!の勢いだぞ。
ラーメン二郎を讃えよっ!との魂の叫びが行間から聴こえてくるようで実に微笑ましい(^^)
全編にわたって二郎無双を謳う素敵な著作なのですが、個人的には組織設計と組織文化の7章が秀逸かと。
ひとつの文化にまで昇華した飲食店チェーンを日本屈指の経営学者にしてヘビーユーザーが愛と情熱を込めて分析した類例ない怪書ですよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
二郎の提供価値は、
顧客への「達成感」と「修行の場」。
二郎×経営学のシナジーが斬新で秀逸、
超BIGコンサル出身の牧田さんは説明もロジカル・リズミカルで読みやすさも兼ねる。
本書のターゲットについて、経営学的に知識量のマトリックスでセグメント分けしてみた。
①二郎:多、経営学:多
② 二郎:多、経営学:少
③ 二郎:少、経営学:多
④ 二郎:少、経営学:少
①②は言うまでもない。
驚かずに聞いてくれ。本書は③④の貴方にも刺さる。
二郎をモデルとして、成功企業の原則が浮かび上がる、経営学かじりの私としてもピースがはまっていく感覚が心地よかった。
"We are Jirorian serving Jirorian.“ -
経営学としては初歩的な内容だが、二郎のこだわりの一つひとつがマーケティング戦略につながっていることが理解でき、面白い。また、身近なラーメン屋を題材にしているため、読みやすい。
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shiro
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二郎という宣伝を全くやらずに、行列店、系列店を量産した稀有なラーメン店をビジネスの観点から分析
失敗の本質で書かれていた、二分でいくと日本側の成功例だと思う。経験的に成功したことを横展開して、再現性を職人的に高めるというパターン。
新しい敵が現れた時にこれを分析して対応でき変化を自分の力で実現できる企業体となるか注目していきたい。
のだが、変わったら今の人気は無くなるだろう。難しいね。 -
【気づき】
・著者のジロリアン愛が伝わってくる本。
・時々フレームワークも用いながら説明しているところが面白い。
・人が動くのは感情が動くときと言うことを改めて実感した本。
二郎のラーメンに惹かれる人が多いのは、その出てくるラーメンの大きさにドキドキワクワク心動かされるからだと納得。
この達成感と爽快感に惹かれて二郎に人が集まることがよくわかった。
Part1ラーメン業界はハンバーグ業界、牛丼業界と何が違うのか?
・ラーメンは麺の種類、具材、スープなど顧客の好みにも多種多様で、分散型事業モデルである。
そのため、顧客のニーズが多数存在する中で、限定性とストーリーに引き込まれる。
対してハンバーガーチェーン店や牛丼店は好みの分散が大きくないため、スケールで勝負が決まる。
part2二郎に行列しているのは誰なのか?
*part3なぜ二郎は二郎と言う食べ物なのか?
二郎の価値提供の1つは爽快感と達成感
part 4なぜ二郎はボリュームたっぷりでこってりなのか?
*part5駅から20分超える土地でも、なぜ大行列なのか?
・駅から20分を超える立地でも、ジロリアンは集まってくる。
Part 6宣伝なしで、なぜオープン初日から大行列なのか?
・二郎の注意・認知プロセスは、インターネットの影響が大きい。
・オープン初日から大行列ができるのは、ジロリアンにとってオールスターゲームだからだ。
オープン初日だけは各店の店主が応援に集まる。だから、ジロリアンは大行列に初日から並ぶ。
・二郎のラーメンはツッコミどころ満載。
そのツッコミどころで、顧客は動き、顧客が動けば、興味関心検索プロセスは機能する。
Part 7なぜ白は急成長しても、山田聡氏の経営哲学がきちんと受け継がれるのか?
・二郎の店主は、三田本店又は直系での修行をこなし、山田総帥の背中を見て、その思いを学ぶから。
・二郎のゴールドスタンドである社訓は、二郎店主のよりどころになっているから。
・35店舗に置いて、それぞれ微妙に味が違う。
0店主はプロフェッショナルであり、自分の信じる最高の白を作り上げている。
また、味に違いがあることで、ジロリアンの集中力と征服欲は果てしなく続く。
・二郎は2001年から急拡大した。
それは口コミの進化により、ジロリアンは急増した。
・2000年以降は市場成熟期とも呼ばれ、
商取引の情報量は企業よりも顧客側が多く持っている状態。その中で口コミを味方にしたのが二郎である。
Part 8なぜジロリアンは、身も心も二郎に魅了されるのか?
・最初の20秒で驚きを与えるのが次郎。
他のラーメンではありえない位のボリューム。
その20秒で顧客に強いメッセージを与え、ワクワク感ドキドキ感を食事の中で与えることができる。
・肉体的にジロリアンである事は難しい。しかし、精神的には永遠にチロリアンであることができる。
ジロリアンの消費者関与は、一般的に感情関与であり長期関与である。
Part 9時代の変化とともに二郎はどう変わっていくのだろうか?
・時代の変化とともに同じスピードで変化すれば変わらない
時代の変化よりも遅ければ退化
時代の変化よりも先に行けば進化になる。
(フレームワーク)
その中で、健康志向である現代もジャンクフードは支持されている。
二郎はジャンクフードに分類される。
その理由は、二郎征服の達成感は脳の報酬神経群が活発されるからである -
柔らかいタイトルだけど中身は経営学のメジャーな考え方を優しく解説してくれる内容でしかも読みやすかった。
また、筆者独自の視点で「二郎」の戦略を解説している部分も面白かった。
CoCo壱番屋の本よりいいかも -
二郎ラーメンを題材に経営のフレームワークを取り入れながらジロリアンが形成される所以を紐解いていてイメージしやすく面白かった。
ラーメンは分散型事業モデル(スケールメリットが効かず競争変数が多い)のが、意外だったが、(差別化が勝負を左右する)
市場規模と業界トップ3の売上を比べて、ハンバーガー業界は市場規模の70パーセント以上をトップのマクドナルドが占めているのに対し、ラーメンはわずか20パーセント程度だったのが規模型と分散型の違いらしく、なるほどなと思った。
ハンバーガー、牛丼、衣料用洗剤業界は製品機能で差別化がしにくいコモディティ市場で、価格、チャネル、プロモーションが重要になる、という部分も基本的な所であるが勉強になった
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