日産 驚異の会議 改革の10年が生み落としたノウハウ

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  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492502310

感想・レビュー・書評

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  • 感想
    なぜ議事録が必要ないのか。それでなぜ生産性を維持できるのか。議題を絞り、自由な発想で鋭い意見を出す。決まったことはすぐさま実行する。

  • タイトルは覚えている

  • 議事録書かなくて済むように段取りして解像度の高いキーワードでまとめるのがKey。

  • 会議がすごいのか、ゴーン氏がすごいのか、何がすごいのか、よく分からず仕舞い。しかも、いまの日産を見てみると・・・と言い始めるのは良くないですが。
    会議そのもののグローバルでの標準化、という観点は素晴らしいとは思った。

  • この本が2011年に出版されたというのが意義深い。
    それからすでに10年近く経過しているが、世の中の「会議」は変わったのだろうか。
    ある意味では、いまだ変わらずに成果の出ない会議を繰り返していないだろうか。
    この本の通りに行えば、ドンドン変わっていくはずなのだ。
    しかしなぜ変えようとしないのか。
    人間の本質なのか、日本人だけの特性なのかが全く分からない。
    私も何度も何度も「この会議意味あります?」という発言を繰り返し、社内では冷たい目で見られ続けてきた。
    一時期は「無駄だから」と会議をボイコットして欠席ばかりしていたら、案の定メチャクチャ怒られた。
    さらに「だったらお前が意味のある会議にしろ」と言われるものだから、様々なルールを決めて宿題も課したら、これもまた部内で炎上した。
    その時の上司は、私の宿題を絶対にやらなかった。
    結局、その上司は心の底から「変えること」を嫌っていた。
    「言われたことをその通りやればいいんだ」は当時の上司の言葉だったが、私は絶対に聞かなかった。
    (だから異動ばかりだった)
    結局、当時の課題は何も解決されず、次の世代に引き継がれてしまった。
    そんな不幸を繰り返さないために。
    もう我々の世代で課題を解決していけるようにしたい。
    会議でそれが解決できるのか?
    事件は現場で起きていて、会議室だけで決めていいのか?
    そう言いながら、一人だけでは解決できない。
    やっぱり話し合いは必要なのだ。
    だから効率的な、正しい判断ができる会議が必要なのだ。
    会議では「課題解決」をするべきなのだ。
    毎週の定例会議では何が解決しているだろうか。
    課題が解決できない会議は、出来るだけ止めるか縮小するかをした方がいい。
    会議は手段であって、目的化してはいけない。
    役員や部長の中で「会議に出席することが仕事だ」と思っている人がいまだにいる。
    手ぶらで会議室に来て、適当に頷いていれば時間が過ぎて終わる。
    これで仕事と思っている人がいるのだから、そんな会社がこれからの未来で勝てる訳がない。
    本当に自分を戒めて、まず会議のやり方から変えていく。
    実践の方法は本書に掲載されている。
    後はやるのみである。
    (2020/12/10)

  • 驚異の会議というタイトルであるが、通常の会議のやり方ではなく、部署横断型プロフェクトについての効果を書き綴ってある。
    その部署横断型プロジェクトには二種類あり、短期型と長期型。GEのワークアウト(問題点に対して、対策をブレストし、最後に何を実行するか決める)とシックスシグマ(徹底的な現状把握と原因分析をし、施策を推進する)と近いと感じた。
    どの企業でも会議は簡略化し、意志決定の質、スピード、意思決定にかける労力を減らす努力がされている。特段新しいことが書かれているわけではないが、気になったことを羅列すると、意思決定者は会議に参加しない、発言者の名前は残さない、決めることは「対策、担当者、期限、結論」、議事録はポストイットを写真に撮るのみ。
    漏れ分析は売上のみに注目するのではなく、どこでお客様の販売意欲を漏らしたかを細かく分析することである。
    現状の自社にそのまま導入できる訳ではないが、意思決定と企業業績には関係性があることを覚えておきたい。

  • 勉強会での課題図書。「人の振り見て我が振り治せ」的に自分の周りの会議について考え直す良いきっかけになった。ルール決めやツール等は一般的だが、会議そのものが、グローバル規模で会社の共通言語となっているのがスゴイ。後はネーミングセンスと、継続する仕組み作りが参考になるかな。"

  • 本書は、カルロス・ゴーンが日産CEOに就任した時に導入されたV-upと呼ばれる意思決定法則(簡単に言えば、会議のススメ方)の紹介。

    日産は、先の東日本大震災で、驚異的なスピードで生産能力を回復したが、その時にどのように意思決定がされていったかのドキュメンタリーでもある。

    開発の現場でも、生産の現場でも、世の中で様々に標榜されているメソドロジーを導入して成功したという事例は少ない。

    例えば、郵政がトヨタ式改善方式を導入しようとして様々なコンサルタントを雇い、郵便の仕分けをしている作業者の後ろで、コンサルタントがストップウォッチを持って動作を秒単位に分析し、無駄を削除しようとしたけど、そもそも作業内容があまりにも非定型過ぎてうまくいかなかったという話もある。


    日産が、日産リバイバルプランを推し進めるメソッドとして使ったV-Upは、以下の点で成功したようだ。

    (1)外部からの輸入ではなく、日産社員独自の案である事
    (2)現場レベルの部分最適のカイゼンの積み上げではなく、全社の様々な部門を横断した、多様性のあるメンバーにより、全社レベル、ひいいては環境最適レベルの意思決定が出来る事。
    (3)ゴーン自身が、「V-Upは「目的」ではなく「ツール」と言っているように、「メソッド」というよりも「考え方(カルチャー)」のレベルの汎用性のある手法である事。



    文末の説明がとても興味深い。

    「背景の似たもの同士が似たような意見に染め上げていくのではなく、背景の異なる者が集まり、異なるカラーの意見を混ぜ合っていく事が重要」


    「グローバル化は、このような人種文化価値観の多様性(Diversity)によって、力を持ち、変化に強い企業文化の基礎になる。」


    「多様性の中で必要なものは「全員が共有できるもの」」

    ひとつは言語としての「共通語」=「英語」

    もう一つは、価値観としての(V-UP)

    異なる人種同士が英語により共有の言語で議論を行い、
    共通の企業価値観としてのV-UPにより、評価検討を行う。


    ※ローマ帝国の植民地化政策の一つに、土俗宗教とローマ神話を結びつけることで、文化的な共通認識を創りだしていった話と似ているかもしれない。



    会社員でもフリーでも主婦でも学生でも、
    意思決定と無縁でいる人はいないし、どの人が読んでも、すごく刺激的で面白いと思う。

  • 日産の会議の仕方がわかります。
    経営危機に陥った企業が意思決定効率化するための手段としてとりいれ、うまくいった過程が書かれています。

    企業のグローバル化、ダイバーシティ化には共通の言語だけでなく、文化に対する共通の理解、共通の教養や価値観が必要ですが、日産の場合はそれが「日産の会議」なのです。

    参考になった使えそうなトピック
    ・意思決定者は会議に出席しない
    ・議事録はホワイトボードのデジカメ写真で済ます


    グラウンドルール
    ・予定外の議題を持ち出さない
    ・ポジションパワーを使わない
    ・積極的に「聴く」「書く」「話す」「行動する」
    ・時間厳守
    ・「いかに〜するか」など建設的表な現活用
    ・携帯電話はマナーモードに
    ・安全なシェルター

  • 2012.6.27 読了

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著者プロフィール

フリーランス記者。1975年生まれ。出版社で8年にわたり理工書を編集したあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに科学・技術などの分野を中心とする記事を寄稿している。早稲田大学大学院科学技術ジャーナリスト養成プログラム修了。著書に『大学学部調べ 工学部』『大学学部調べ 情報学部』(ともにぺりかん社)など。

「2023年 『国語の時間 学校の学びを社会で活かせ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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