MBB:「思い」のマネジメント ―知識創造経営の実践フレームワーク

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492521861

作品紹介・あらすじ

仕事の楽しさとは何だろうか自分はいったい何をやりたいのか。星野リゾート社長、アウディ・デザイナー、レコフ代表などの実践知に学ぶ「思い」をベースにしたMBB経営がもたらす仕事の喜び、知の創造と共有。

感想・レビュー・書評

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  • MBO(Management by Object)目的志向よりもMBB(Management by Belief)思いだな。

    昔ながらの組織は、目標管理で業務に当たる。そして会社の売上も数値化していく。
    それも決して悪いことではないのだけど、
    業務をやっていく中で、個々人はそれぞれの思いというのを必ず持ってやっているはずだ。
    「もっとこうしたらいいのに」「ここをこう変えればいいのに」etc.
    しかしそれは「目標は○○売りあげること」だからといい放たれ必ずしも改善実現していない昨今ではないだろうか。
    必ずしも目標管理も”数字”ではなく、絵を使った評価であったり、”思い”の共有がチームでできたらそれはすごい力になるのではないだろうか。チームの垣根にこだわらず(無境界行動)

    ”思い(Belief)”を踏みにじられるのではなくもっと大事にされたいものだ。

    目的よりも、『Belief』・・・非常に頭に残りました。

  • ありきたりなことが仰々しく書かれていた印象。
    MBOとMBBの統合をしていくための具体的方法が記載されていたので、施策を考える際の観点を増やすには良いと思う。

  • ”久々の野中本。人事担当にうつった今の問題意識と妙にシンクロ。「MBO(Management by Objectives)より MBB(Management by Belief)!」

    <読書メモ>
    ・厳しいかもしれないが、楽しく仕事をし、人とのつながりもよくなり、社会や世界にも貢献できる、そんな仕事の仕方とは何だろうか。これが本書の主題である。(p.2)
    ★MBBの定義(p.25)
     「会社の目標や組織の背景にある経営陣や上司の思いと、自分自身の仕事やキャリアに対する想いをぶつけ合う『創造的対話』によって、会社にとっても自分にとっても意味のある業務上の目標を見出し、それを設定して、実行していくこと」
    ・高貴な「思い」を持った社員のいる会社はパフォーマンスが高い。思いを持った人がどれだけいるか、それが企業の力を左右する。これからは、思いのある人材を育て、彼らが思いを闘わせながら真剣に議論し、切磋琢磨され共有化された思いを真摯に実行する組織でないと生き残れない。(p.54)
    ・思いをもった組織の基盤のありか(p.54)
     ?自律自走型で、あきらめないプロデューサー型社員の誕生
     ?行動・体験・実践重視
     ?考える組織、常識を疑う組織、コンプライアンス志向の組織
     ?自ら枠を壊し横串で仕事を改革する大きな当事者意識
     #これ、わかる!
    ・図表4:MBOとMBB(p.109)
     #やらされ感のある目標管理(MBO)ではなく、思いの連鎖・ビジョンの連鎖を築くMBB。
    ・MBOにおいて実行はPDCAサイクルでフォローするが、MBBではいかに自分なりの、もしくは組織なりの知が創造できたかという「SECIモデル」でフォローしていく(p.115)
    ★仕事への思いはパッションである。そのパッションが本物であれば、夕方5時になって終業したからといって、それとともに消え失せる性質のものではないだろう。(p.121)
     #そう思う。「WLB を重視する風土」浸透の弊害
    ・人事部をはじめとする管理部門
     人生を積極的に生きる思いを持った社員が生き生きできる組織をつくり、彼らをサポートし、育成するためには(中略)自らも「思いのあふれる管理部門」となり、新しいことに好奇心の尽きないチャレンジ精神あふれる「サポート部門」になる必要がある。(p.122)
    ・ビジョンを具現化する三つの数値(星野リゾート)
     - 顧客満足度 2.5(-3?+3)
     - 利益率 20%
     - エコロジカルポイント 24.3
     3つの数値の同時達成はいまだ果たせていない。だが、社員全員が同じ目標に向かい、考え、努力することに大きな意味がある。(p.129-130)
    ・星野流の仮想敵(p.139)
     「『うちもリッツ・カールトンになろう』なんていっても社員は燃えません。しみじみしません。だから、むしろ、『ペニンシュラを日本から追い出すんだ』といったほうが、意気が上がるのです」
     #★「業界平均以上の利益率を!」では燃えない…
    ・レコフ 吉田氏の黒子的喜び(p.150)
     「私たちは触媒です。(略)
      案件をまとめて5?10年たったときに、『あのときの会社がここまで大きくなったか』と一人ほくそ笑む仕事なんです」
     #この喜び、よくわかる!
    ・業務目標に関する2つの軸
     横軸:所与の業務上の目標を達成する力
     縦軸:個人として思いを持って、高い理想を描く力
    ★日常の対話のプロセスで「思い」を高質化する(p.184)
     #考える習慣、考えを書き留める、投げかけや対話→セルフコーチング
    ・ソーシャルデザイン・リーダーシップ(p.202)
     多摩大学大学院教授の紺野登氏 命名。
     人々をつなげ、思いを語り合い、新たな関係性を想像していく役割
    ★戦略は人事に従う(p.207)
     人事が現場を回り、だべり、愚痴を聞く中で自然に現場の人間に内面化された環境認識や市場観をつかみ、組織の勢いをマネジメントする暗黙知を得ていく。現場の持つ環境認識の適切な解釈と組織運営への反映が人事の力量だ。
     #できてる?
     創発的な組織の人事に大事なのは、「プロセスをつなぐ力」だ。現場(フロントライン)の実践から学ぶ力、ビジョンと現実を踏まえた判断力、対話や協同し合う共創の能力などがそこには含まれる。
    ★知創人事部(Knowledge-creating HRM)(p.208-209)
     個別人事の基本は人事異動。MBOの世界の人事異動では機械的な玉突き人事が横行する。(略)そこには、人の思いを汲むという発想や、異動によってその人の知の文脈を形成し、成長をケアしようという意図はない。知の文脈を無視した異動である。
     #むむむ…、そうならないように。
     本人がどういうキャリアを歩みたいのか、もしくは会社側がどういうキャリアを歩ませたいのか、また本人の夢に近づくプロセスはどう想定されるのか、などの観点を会社と本人が共有する必要がある。
    ・MBB型の人事評価(p.211)
     本人の思いを磨き、育てているかどうか。思いへのコミットメントが高いかどうか、思いを他者と共有し、思いのネットワークを形成する力があるかどうかを試すことが重要になる。
    ・人事企画部や人材開発部門のスタッフには、知の窓口として社外のアカデミアや海外の人材育成の専門家を積極的に迎え入れるべきだ。→コンセプト能力を磨く(p.214)
    ・レトリックにより巧みな言葉やたとえを用いることで人々を感動させ、ビジョンに賛同してもらえるわけだ。(p.214)
    ★出会い、配属、マッチングが大事(p.217)
     「あの人は熱いものを持っている」「あの人はよく勉強をしている」「あんな人になりたい」「あの人みたいに頑張ってみよう」
     →ロールモデルを持つ
    ・「思い」のピラミッド
     しみじみ感のある思いをあぶり出すための5つの問い
     1.WHATを語る
     2.背景を知る
     3.ストーリーを語る
     4.しがらみを語る
     5.ポリシーを語る
    ★そもそもコミットメントとは強制されるものではない。(略)「自分はこの仕事、この業務課題を何が何でもやり遂げたい」という個々人の「思い」から生まれてくるものなのだ。(p.256)
    ・思いのない論理は無意味であり、論理のない思いは危険でもある。(p.259)
     #思いと論理は二律背反ではいけない
    ・場を企業の中に縦横に生み出し、思いを語り合う生き生きした集団になってこそ、創造的な仕事ができるのだ。(p.259)”

  • <目次>
    第1章 MBB−「思い」のマネジメントとは何か
    第2章 MBBが個人にもたらす価値ー仕事の喜び、自己実現
     実践知?「美しいものは人を幸せにする」 和田智 SWdesignTOKYO代表
     実践知?「いい仕事をしたいという思いをぶつけ合う」 西村規子 CA
     実践知?「ビジョンを本当に実現しよう」 宮田昌紀 ユナイテッド・シネマ
    第3章 MBBが経営にもたらす価値ー高い志、知の創造と共有
     実践知?「リゾート運営の達人になる!」 星野佳路 星野リゾート
     実践知?「真の価値創造につながるM&Aを目指す」  吉田允昭 レコフグループ
     実践知?「日本発のグローバル化を成し遂げたい」 三島大二 日本エマソン
    第4章 「思い」をベースに動くMBB経営の枠組み
    第5章 MBBを実践するためのガイド
    終章 フロネティック・リーダーシップ


    2015.06.02 読書開始
    2015.06.17 読了

  • トップレベルから想いを伝える。
    基本である何のために働くのかに通ずる。
    様々な実例が紹介されるが肌感覚的には知っていることだった。

  • Sさんお勧めの本です。無味乾燥なKPIを追い求める目標管理から、その背景にある志、思い、ストーリーを共有することこそが重要であるという新しい提言がなされています。もっと深く学びたいひとはSECIモデルに手を延ばさざるを得ない…ということで興味がある方は「知識創造企業」もお読みください。(和田)

  • Management By Belief
    経営者の想い、トップの想いが下を引っ張るマネジメント。
    普段、今いる事業部のビジョン、方向性、将来性が見えないと、文句ばかり言っているが、自分がトップだったらどんな世界観にしたいのか、それが無いのも問題だよな、と思った。

    あと、MBO=Management By Objectives、論理的なマネジメント、左脳のマネジメントには限界があって、「想い」がないと動かないのにも共感。

    MBO的発想では柔軟な発想が出てこず、意外に抜け漏れがある人の方が良い発想がでてくるケースもというのは、大いに思い当たる節がある。笑

    ギッチギチのカッチカチな考え方になってないか、心に余裕持って物事に取り組んでいるか、振り返るいいきっかけになった。


    ※流し読みのため、ほとんど読んでないに等しい。

  • mbb=会社の目標や組織の背景にある経営の思いと、自分自身の仕事やキャリアに対する思いをぶつけ合う創造的対話によって、会社にとっても自分にとっても意味のある業務上の目標を見出し、それを実行していくこと
    ・仕事の思いは、知をつくる創造の原動力
    ・主観をぶつけ合う規律が極めて重要
    ・主観と客観、右脳と左脳、アートとサイエンス、whatとhow

  • ビジネスをロジカル面だけにフォーカスして捉えて、効率化を追い求めてしまう事に疑問を感じる風潮は最近より強くなってきている。
    個人的には最近特に感じていた主観性の大切さを整理させてくれた良書。ビジネススクールの課題図書として読了。

  • No.643
    ドラッガーの構築した目標達成型のマネジメントMBOに対して、右脳マネジメントを具現化したMBB。
    その対比がわかりやすく、その両方をこなせるフロネティック・リーダーが必要だと理解。様々な具体例が理解を促進させてくれる。

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著者プロフィール

一橋大学大学院教授

「2017年 『井深 大 人間の幸福を求めた創造と挑戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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