ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)

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著者 : 楠木建
  • 東洋経済新報社 (2010年4月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (518ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492532706

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ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)の感想・レビュー・書評

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  • 競争戦略におけるストーリーの重要性について、
    丁寧に語られた良書です。

    ボリュームはそこそこありますが、
    本書で語られるストーリー自体がおもしろいということもあって、
    一気に読めました。



    最近、ストーリーが大事だ、物語が大事だ、
    と言われますが、競争戦略におけるストーリーの意義を、論理的に説明していて、単なる成功事例の紹介ではないのがよいです。



    本書を読むと、戦略なき経営がいかに多いかを考えさせられるのではないでしょうか。

    単なるポジショニングや、自社の強みに特化した経営ではなく、
    その根底にストーリーがあるか。



    最初から完璧なストーリーなんてありえませんが、
    ゴールから逆算して、いかにストーリーをつくりあげていったらよいか。
    そして、他社と違いをつくるために、どんなことに気をつけていったらよいか。
    優れたストーリーの構造とはどのようなものか。

    示唆に富みます。



    “なぜかといえば、戦略ストーリーの優劣の基準が「一貫性」にあるからです。一貫性こそが戦略ストーリーがもたらす持続的な競争優位の源泉です。先に競争優位とコンセプトを固め、一つひとつの構成要素が強い因果論理でエンディングにつながるようにしてあげれば、自然とストーリーがシンプルで骨太になり、一貫性が確保されます。”

  • 成功の法則などない。そこにあるのは論理。

    戦略とは1.差別化:個々の事象を個別に吟味し(部門や戦術含む)、2.綜合:それらを繋ぐこと。ベストプラクティスは論理の背景を軽視しすぎ。カテゴリーに分類して答えを出すのは安直(例:水平統合だからいい、垂直統合だからいい、など)。

    日本企業は機能分化しておらず、製品・顧客志向である場合が多いため、全社的に共有される「ストーリー」が重要になる(欧米はトップのみ)。

    戦略には、競争戦略(事業戦略)と全社戦略(組織戦略)がある。競争戦略の目的は「長期にわたって持続可能な利益」を上げること。なぜなら、利益を上げているならば、他の要員(シェア、顧客満足、株価など)もついてきているから。利益の源泉は、業界の競争構造と、戦略。目標設定は戦略ではない。バズワードを駆使することも違う(背後にあるロジックを見るべき)。

    差別化には種類の違い(ポジショニング)と程度の違い(組織能力:組織特殊性)がある。程度の違いはすぐに追いつかれるため、種類の違いを創造すべき。どこのポジションに位置するべきか。これには、「何をやらないか」を決めることが重要。

    程度の違いで模倣可能性を下げられるのは、物事のやり方(ルーティン)。これは、因果関係の不明確さ、導入経路依存性、ルーティン自身の進化。

    ポジショニングと組織内標準化は、前者が「何をやらないか」を志向している点で、相容れない場合が多くある。また、ポジショニング重視の経営は、悪くなるときは即座に悪化するため、対策が取りやすいというメリットがある。

    ストーリーは業界構造、ポジショニング、組織内標準化に続く4つ目の競争優位性。いわゆる綜合の部分。コンセプト(本質的な顧客価値)、構成要素(差別化。SPとOC)、クリティカル・コア(構成要素の中核)、競争優位、一貫性の5つから成る。

    まずは、ゴールである競争優位性から考える。利益とは、支払いたいと思う水準 - コスト。したがって、利益創出とは、前者を上げるか後者を下げるか、ニッチ市場で無競争状態を目指すか。3つ目だと成長は目指せない(競争が発生するから)。これらはトレードオフの関係になりがちなので、バッティングした際にどれを重視するか検討すべきである。

    一貫性は、ストーリーの強さ(因果関係の蓋然性の強さ。いかにそれを達成するか?に徹底的にこだわる)、太さ(構成要素間のつながりの数の多さ)、長さ(時間軸でのストーリーの拡張性なり発展性。特に好循環(結果が原因をつくる状態)と繰り返し(同種ストーリーが別の市場でも適用可能)のこと。これら3つがうまく機能しているのが「筋の良い」ストーリー。

    コンセプトとは、誰に何を売っているのか、ということ(どのように、ではない)。設定の際は、1.全てはコンセプトから始め、因果論理と繋げる、2.ターゲット顧客を明確にする(同時に切り捨てるターゲット顧客をも明確にする。3.人間の本性を捉える(肯定的な言葉でぼやけさせない。目先の新しい機会を追いかけることに終始してはいけない)

    クリティカル・コアとは中核的な構成要素のこと。1.他の様々な構成要素と同時に多くのつながりを持っており、2.一見して非合理に見える(ストーリーの中でないと機能しない)という2点が求められる。

    まとめると、競争優位の段階には、模倣可能性が高い順に・外部環境の追い風、・業界の競争構造、・SPもしくはOC、・戦略ストーリー、・クリティカル・コアの順。また、競争優位の防御の論理として、防御の論理(参入障壁)と自滅の論理(ストーリー)の2つがある。

    教訓1.(すぐに模倣される)市場機会を追い求めるのではなく、ストーリーに沿った成長戦略を考えよ、2.キラーパスを出す勇気、3.「なぜ」を突き詰める

    骨法1.エンディングから考える:競争優位→長期利益としての目標と、コンセプトとしての目的。後者をどれほど鮮明にイメージできるか。2.「普通の人々」を想定する、3.悲観主義で論理を詰める。コンセプトは楽観でもいい。シナジーという言葉に本当に相乗効果があるか注意、4.物事が起こる順序にこだわる、5.過去から未来を想像する。ストーリーとのフィットを重視する。汎用性が低いくらいでちょうどいい、6.失敗を避けようとしない。ストーリー内で失敗を定義し、撤退の用意もしておく。失敗がルール化されていることで、思い切って始められる、7.賢者の盲点を突く。問題の原因は控えておき、他の部分に転用できないか検討してみる、8.競合他社に対してオープンに構える。競争相手の行動に振り回されることなく、ストーリーに磨きをかける、9.抽象化で本質を掴む。情報の背後にある論理を考えてみる、10.思わず人に話したくなる話をする。ストーリーを全体で共有する。

  • 読了。2度目。物事の考え方の基本に自分だけの面白いストーリー性をつくり実行していく事で世の中に価値を提供出来る、といった話。今後も少なくても1年に1回は読み返す事になるだろう1冊。話していてワクワクするようなストーリー、聞いていて続きが気になるストーリーを作り実行できたら圧倒的な成長を狙える。ウチの会社の皆さまも是非時間があったら読んでみてください。

  • 戦略論のbig pictureを掴む上で好著。理論というよりフレームワークを理解するのに優れている。

  • 面白かった、本当に勉強になった。楠木先生がこの本を書いた動機は、最近の企業の戦略について軽薄で表面的な情報が溢れすぎていて、思考停止状態になってないか?それじゃダメだよ、というお考えがあったのではないかと思います。

    楠木先生が伝えたかったことは、こういうことかなぁ?と考えたことを、まとめました。

    コンセプトを大事に。
    ポジショニングを考えて無競争のフィールドに立つことも大事だが、一見すると過当競争の分野でも勝つ企業もあるんだよ、OCが大事だぜ、トヨタやガリバーやスタバやセブンイレブンみたいにね。あ、OEと間違えるなよ。
    ただ、ニッチ企業はSPの無競争状態の確保も大事だ。
    ストーリーにはコンセプトが大事だ、なぜならストーリーには一貫性が大事だが、その一貫性を保つためにコンセプトが必要だ。
    ストーリーはサッカーとよく似ている。ストーリー(=パス)の矢印の強さ、太さ、長さが大事だ、それは因果関係を表している。
    でも優れたストーリーは、最初から完成されてるわけじゃない。トライ&エラーを繰り返し、コンセプトを大事にしながら、自分の頭で考え抜いて練り上げられていくもんだ。

    when、howも大事だが、whyが一番大事。誰に何をしたら喜んでもらえるのか、イメージしろよ。
    部分合理性と全体合理性もよく考えよう。
    部分非合理×全体非合理=ただの愚か者。
    部分合理×全体非合理=合理的な愚か者
    部分合理×全体合理=普通の賢者
    部分非合理×全体合理=賢者の盲点、これがキラーパスだ!
    ただ、他社の事例を学んだとして、それをそのまま導入しても成功するわけがない。他社の事例から学んだことを抽象化して、汎用的な知識として蓄えよう。そしてそれを活かしていけば、成功する確率は高まるぞ。
    最後に、ストーリーは面白くやろう。特にリーダーが面白がることが大事で、それを組織全体に戦略実行につなげるために伝達していこう、できればフェースtoフェースで。

    乱文で申し訳ないのですが、ソフト(すぎる?)に書くと、こんな感じだろうかと思いました。

  • ・ストーリーの戦略論とビジネスモデルの戦略論との違いは、ビジネスモデルが戦略の構成要素の空間的な配置形態に焦点を当てているのに対して、戦略ストーリーはうち手の時間的展開に注目しているということです。
    ・戦略ストーリーは、きわめて主体的な意思を問うものです。前提条件を正確に入力すれば自動的に正解が出てくるような環境決定的なものではないということです。
    ・競争戦略の第一の本質は「他社との違いを作ること」です。
    ・SP(strategic positioning)の戦略は、OE(operational effectioveness=程度問題の違い)の追求ではない。戦略とはdoing different thingsであり、doing things betterではない。
    ・OC厨房の中にある他社がカンタンにはまねできないもの。
    ・顧客が認知する品質と低コストとはトレードオフの関係にあるのが普通です。
    ・レシピ先行型の企業が優れた厨房を手に入れるよりも、厨房のOC先行型の企業がレシピを獲得する方が短期的に成果が出やすいと言えそうです。
    ・戦略ストーリーの5C ① 戦略優位(Competitive Advantage):ストーリーの結。利益創出の最終的な論理 ② コンセプト(Concept):ストーリーの起。本質的な顧客価値の定義。 ③ 構成要素(Components):ストーリーの承。他社競合との違い。SP(戦略的ポジショニング)もしくはOC(組織能力) ④ クリティカルコア(Critical Core):ストーリーの転。独自性と一貫性の厳選となる中核的な構成要素 ⑤ 一貫性(Consistency):ストーリーの評価基準。構成要素をつなぐ因果論理。
    ・ストーリーの流れを作る因果論理の「強さ」「太さ」「長さ」
    ・優れた戦略家は、機会や脅威を受けてある特定のアクションをとるときに、それがストーリー全体の文脈でどのような意味を持つのか、それを取り巻くほかの構成要素とどのように連動し、競争優位の構築や維持にとっ
    ・コンセプトとは「本当のところ、誰に何を売っているのか」という問いに答えることです。
    ・実際の消費行動と無関係な情報が多すぎると、ユーザー自身が情報のスクリーニングに無意味な手間をかけなければならなくなります。
    ・サンロクマルには売上の目標はあった。でも事業の目的がなかった。なぜその件数が経営的に必要なのか?なぜその件数が読者に必要なのか?その件数を満たしたとき、読者はどんな行動を起こし、お店ではどんなこと
    ・戦略ストーリーが動画である以上、その機転にある顧客価値も動画で構想されてなくてはなりません。
    ・アマゾンが他社と決定的に異なるのはアマゾンのビジネスの中核がモノを売るのではないということだ。我々のビジネスの本質は人々の購買決断を助けることにある。
    ・楽天:ウェブ上に商品を出して売ることがEコマースではない。インターネットは自動販売機ではない。もうあまり買いたいものがない豊かな時代の顧客に、エンターテインメントとしてのショッピングの楽しさを提供
    ・アナログなコミュニケーションを維持することによって、顧客の好みや要望を知るだけでなく、店そのものを「コミュニティ」にしていることがこの店舗の成功の背景にありました。
    ・「すべてはコンセプトから」ということは、裏を返せば、「すべてはコンセプトのために」ということでもあります。
    ・コンセプトの構想にとって八方美人は禁物だということです。
    ・人間の本性を見つめる。それは「マーケティング調査をして顧客のニーズを知りましょう」という話とはまるで異なります。顧客のことを知悉しなければコンセプトは生まれませんが、だからといって顧客の声をいくら
    ・競争相手が非合理だと考えるような要素をあえてストーリーの中に組み込む。持続的な競争優位の源泉。
    ・成長戦略は内向きに
    ・コンセプトは判断に迷ったり、行き詰まったときに、常に立ち戻ることができる何かでなくてはなりません。そこに立ち戻れば、迷いが解消し、決断に向けて背中を押してくれるのがコンセプトです。
    ・「言われたら確実にそそられるけれども、言われるまでは誰も気づいていない」これが最高のコンセプトです。
    ・ 物事が起こる順番にこだわる
    ・ストーリーは失敗を避けるためにあるのではありません。むしろ、きちんと失敗するためにあるようなものです。大切なことは、失敗を避けることではなく。「早く」「小さく」「はっきりと」失敗することです。
    ・「なぜ」の積み重ねは当事者の頭の中にしかない。情報のインプットが多くなるほど、常識が強化され、帰ってキラーパスの発想は貧困になるのかもしれません。
    ・「世のため人のため」はつまるところ「自分おため」ですし、本当に「自分のため」になることをしようとすれば、自然に「世のため人のため」になります

  • 『気合と根性が大切だということはもちろん否定しません。会社にとって一番大切なことかもしれません。しかし、「大切にする」と「依存する」ではまるで違います。気合と根性に寄りかかったリーダーからは、戦略は出てきません。

    顧客は自社の言いなり、供給業者も頭を下げてくる、新規参入はありそうにもない、といった「ハワイの住人」にとっては、戦略はそれほど必要ありません。戦略とは、ある意味では、「北極の住人」の発想です。

    「最後はなんとかなる……」ではなく、むしろ「放っておいたら絶対なんともならない」というのが戦略的な思考です。』

    戦略を全社戦略と競争戦略とに分けて、競争戦略のみに焦点を当てた作品で、非常に勉強になった。

    「競争がある中で、いかにして他社よりも優れた収益を達成し、それを持続させるか、その基本的な手立てを示すものが競争戦略です」と分かりやすく定義し、その部分の説明に集中している。

    もちろん、シェア、成長、顧客満足、従業員満足、社会貢献、株価も重要であるが、それらすべても結局は「長期にわたって持続可能な利益」に収れんされると、論点もシンプル。

    確かに項目の羅列で覚えられない戦略と違い、ストーリーのある戦略は面白く、読んでてなるほどと思う。

    ためになる作品だったな〜。今回の研修の課題図書は当たりだな。

  • これまで私が読んだ戦略論の書籍とは明らかに一戦を画す良書。言い過ぎかもしれないが、様々な戦略論の書籍があるがそれらはいずれも、本書の言うストーリーとしての競争戦略を理解して初めて意味をなすものではないか。

    500頁というボリュームで読み応えがあるが、随所に事例が盛り込まれているため、著者の言わんとするストーリーとしての競争戦略の本質を理解することは難くなく、さらに、事例に対する著者の洞察の着眼点と時折織り交ぜられるユーモアが絶妙で読破することも苦にはならない。著者が本戦略の骨法に挙げている"思わず人に話したくなる話をする"を本書で体現しており尊敬に値する。

    また、最後のまとめは、ストーリーとしての戦略のキーファクターをおさらいとして淡々と述べるのかと思いきや、戦略というものの楽しさ、リーダーシップ論、しいては他への貢献(言い換えると仕事・事業の意義)にまで昇華させて結びとするところに、著者の学者としての知見・洞察の深さだけでなく、文筆家としての才を感じる。

  • 事業戦略についての書籍。(全社戦略ではない。)
    事例が豊富に紹介されているため、500Pという厚いない様になっている。
    以下は個人的なメモ。

    法則はないが論理はある。法則は必ず成り立つもの。ただ、経営戦略は2割は論理で八割は非論理だから。

    ・戦略の本質は差別化と文脈依存
    この本で言うストーリーとは、個々の要素を結びつけ、戦略を説明すること。また戦略の流れを指す。

    アクションリストの列挙ではダメで、それを繋げなければならない。
    戦略に法則はあり得ない。差別化も他社がいて成り立つ、それは文脈依存だから。
    フレームワークのみの戦略、ベストプラクティスも文脈依存。時代や環境も文脈と言える。

    ・システム的な差別化は模倣困難
    なぜ?だけでなく、いつ?どこで?を含めるのもストーリーを考える上で重要。
    欧米組織は機能分化で、日本組織は価値分化。外部組織に提供する価値に重きを置く。

    ・競争戦略(特定事業)と全社戦略
    競争戦略のポイントは、対象範囲、目的、利益の源泉
    この本は競争戦略が対象。競争戦略で重要な指標は「長期に渡って持続可能な利益」。シェアだけ見ても利益が出ていなければ意味がない。

    利益の伸び代はどこの業界に身を置くかで決まる。
    業界評価はファイブフォース分析。
    競合、参入障壁、代替品、供給者と買い手

    ・差別化を行わなければ完全競争に陥り、利益は出ない。
    差別化には程度の違いと種類の違いがある。

    一つはStrategic Positioning つまり、選択と集中。程度の追求はOperational Effectiveness と呼ばれ、模倣容易
    ポーターの戦略論は、一貫してポジショニングの考え方が根底にある。SPがあってのOE。

    もう一つはOrganizational Capability
    組織内で差別化した能力を持つということ。 Resourced Based Viewの理論が該当。
    数多くある資源の中でFirm specificity なものが該当。そして模倣困難性の高いものでなければならない。それは結局、組織のルーティンである。例えばセブンイレブンの仮説検証型発注。

    模倣困難である理由は行為と利益の因果関係が不明であること、経路依存性(Path dependency)、つまり歴史的に構築されたもの、OCそのものが進化するということ。
    SP/OCのマトリックスを。時間軸も取り入れよう。初めはSP、時間をかけてOCを。

    ・戦略ストーリーの5C
    Competitive Advantage
    Concept
    Components
    Critical Core
    Consistency

    利益の決め手は価値が大きいこと、コストが少ないこと、ニッチであること。ニッチは成長を求めてはいけない。何故なら成長市場になると他社が参入してくるから。

    ストーリーの一貫性の中には強さ、太さ、長さ、robustness, scope, expand ability

    コンセプトは誰に、何を、何で、どのようにして、の順
    誰に好かれるか、嫌われるかを明確に

    ・クリティカルコアの条件
    他の様々な構成要素と同時に多くの繋がりを持っている。それは構成要素のもととなる要素。
    一見して非合理に見える。それは他社が真似しようと思わないから。部分的に非合理で、全体的に合理的であれば良い。

    ・どうして模倣されても競争優位は続くか?
    模倣すれば不合理状態に落ち入り、より優位の状態が強化される仕組みになっている。これら合理的な戦略ではなく、一見不合理な戦略のためである。また、戦略の一部だけを模倣しても、その他のパスで繋がっている要因を同時に満たさなければ、一部だけ肥大化してうまくいかなくなる。

  • ・以下の文章は『日本経済新聞』の記事からの引用です。ちょっと読んでみてください。
    「いよいよ日本経済は先の見えない時代に突入したという感がある。今こそ激動期だという認識が大切だ。これまでのやり方はもはや通用しない。過去の成功体験をいったん白紙に戻すという思い切った姿勢が経営者に求められる。」
    そのとおり、とうなずく人も多いと思います。ただ、この記事は昭和も昭和、私が生まれた1964年9月の『日本経済新聞』からの引用なのです。昔の新聞をめくってみれば明らかなのですが、この数十年間、新聞紙上で「激動期」でなかったときはついぞありません。

    ・私はこの種の法則戦略論の有用性を疑わしく思っています。なぜならば、第一に、そもそも戦略とは他社との違いを問題にしているからです。大量観察を通じて確認された規則性は、あくまでも平均的な傾向を示すものでしかありません。そこで提示された「法則」に従うということは、他社と同じ動きに乗るということであり、戦略にとっては自殺的といえます。

    ・戦略の実行にとって大切なのは、数字よりも筋の良いストーリーです。過去を問題にしている場合であれば、数字には厳然たる事実としての迫力があります。しかし、未来のこととなると、数字はある前提を置いたうえでの予測にすぎません。戦略は常に未来にかかわっています。だから、戦略には数字よりも筋が求められるのです。

    ・戦略とは、ある意味では「北極の住人」の発想です。「最後はなんとかなる…」ではなく、むしろ「放っておいたら絶対になんともならない」というのが戦略的な思考です。

    ・フェラーリにとって一番大切なことは何でしょうか。ニッチ企業が利益を獲得できる論理は無競争にしかありません。無競争状態を維持することが戦略のカギになります。そのために何ができるかといえば、要するに「売れるだけ売らない」ということです。売れそうになっても、我慢して売らない。積極的に注文を断る。絶対に成長をめざさない。

    ・「他社が実践している立派な経営手法はたくさんある。しかし、それにしても自分で考え、独自の経営を編み出したから強くなったのであって、それをまねしても会社として成長しない。だから私たちも自分で考えることにした。」―アルバック 中村久三

    ・「他社と決定的に異なるのは、アマゾンのビジネスの中核がモノを売るのではないということだ。われわれのビジネスの本質は人々の購買決断を助けることにある」―ジェフ・ベゾス

    ・全員に愛される必要は無い。この覚悟がコンセプトを考えるうえでの大原則です。誰に嫌われるべきかをはっきりさせると、その時点で確実に一部の顧客を失うことになります。しかし、全員に愛されなくてもかまわないということ、これが実はビジネスの特権なのです。行政による公的なサービスであれば、そうはいきません。

    ・顧客のことを知悉しなければコンセプトは生まれませんが、だからといって顧客の声をいくら聞いても、人間の本性を捉えたコンセプトにはなりません。顧客はそもそも「消費すること」「買うこと」にしか責任がないからです。責任のない人に過剰な期待を寄せるのは禁物です。

    ・開発の途中でさまざまなユーザー層から選んだモニターに試作品で遊んでもらうことはあるが、そのときも「このゲームのコンセプトはこういうもので、こういうところが面白くて…」というようにこちらからの説明は絶対にしない。いきなり遊ばせて、その姿を映像にとって、それを何度も見る。どの辺で楽しんでいるのか、つまらなそうにしていないか、途中でゲームを中断してコントローラーを置いてしまうとしたらどの辺か、自分たちが作品に込めた面白さの意図が伝わっているか、ひたすら「姿を見る」ことでコンセプトの効きをチェックする。

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ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)の作品紹介

戦略の神髄は、思わず人に話したくなるような面白いストーリーにある。多くの事例をもとに「ストーリー」という視点から究極の競争優位をもたらす論理を解明。

ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)はこんな本です

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