- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492533345
作品紹介・あらすじ
▼サービスで儲けることができるのか
サービスとは「おもてなしの心」のあらわれだから、サービス自体では儲からないと多くの人が言う。またサービスは、スタッフの資質や勘と経験で成り立っているから、サービスのレベルアップを図るのは難しいとサービス業に従事する人は考える。しかしこれらは全くの誤解であると著者はいう。
▼世界に通用するサービスを
サービスやおもてなしの心の行き届いた旅館や料亭があり、繁盛しているのも事実だ。しかしこれらは日本限定のものであり、世界に通用していくサービスではない。リッツカールトンやディズニーリゾートのように世界に通用するサービスが日本で育ちにくいのはなぜか?
▼サービスのプロが解き明かす
本書は多くのサービス業にコンサルを行ってきた斯界の第一人者が、製造業や金融業はじめあらゆる業界にとって必要なサービスの概念、成長の方法、儲けの方法など様々な事例を挙げながらわかりやすく解説する。
感想・レビュー・書評
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サービスとは何か?を再現性ある形で整理してあり、良書。常に手元に置いておきたい一冊。
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実務目線から見たフレームワークが良くまとまっており、説得力がある。
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サービスのお勉強。
費用発想の弊害は、小倉昌男氏の次の言葉によく表れています。「(目先の)利益のことばかり考えていれば、サービスはほどほどでよいと思うようになり、サービスの差別化などできない。となると、収入も増えない。よって利益はいつまでたっても出ない。こんな悪循環を招くだけである。」
サービスの結果を決定づける要素は、「サービスを受ける顧客」や「サービスを担当する従業員」ばかりではありません。その他に「サービスを提供する設備や移設といった物的環境」「その場に居合わせた他の顧客」「サービス提供を背後で支える内部のシステムや組織」の三つが影響力を持ちます。サービス結果を決定づける五つの要素をまとめて、サーバクション(Servuction:Service Production System)と呼びます。
サービスの価値=(カスタマーにとっての「結果」+サービス提供のプロセスのクオリティ)÷(売価+入手コスト)
…顧客満足を向上させるには、本質サービスにあたる属性はミスなく提供しつつ、表層サービスにあたる属性のうち、自社のサービスコンセプトに合致し、トータルの顧客満足に影響する属性を集中的に高めていく、そういったメリハリが効果的なのです。
サービスマーケティングの7P
4P+
People(人的要素):
・サービス提供に直接・間接で携わる従業員
-人的要素:サービス提供に直接・間接で携わる従業員
・サービスの現場を共有する他の顧客
Physical Evidence(物的証拠):
・資格(または他の感覚)で感知でき、顧客にサービス品質に関する手掛かりを与えるもの
‐店舗や社屋などの建物、インテリア、設備・備品、看板、印刷物、従業員の服装など
Process
・サービス提供の手順
・サービス提供にあたってのノウハウや方法論 -
サービスを語る本、というと、「XXで学んだ感動のおもてなし」みたいな一種の「働きがい本」が思い浮かびがちだ。これはこれで胸が熱くなったりもするのだが、ともすれば現場の「情熱」「誇り」を強調し、下手をすると「だから日本は素晴らしい」という文脈に着地していたりして、必ずしも「もうかる仕組みとしてのサービス」の分析になっていないものも多い。著者はそうした視点から離れ、サービスを「企業価値の源泉、経営資源」として捉え直そうとしている。
例えば本書では、現場の判断重視がよい、という通説を疑う。「マニュアル化」という言葉は、従業員の自主性を奪う、顧客ニーズより経営の都合を優先する、とネガティブに語られやすいが、著者はこうした風潮に媚びない。豊富な実例をベースに、「新人従業員には、徹底して標準に沿った行動を身に付けさせるのが鉄則」(P.193)と言い切る。また、大手外食での仕入れ自動化の例などを引きながら、「現場の勘」依存から脱却することにこだわる(「現場軽視」と同義でないことは読めば分かる)。
背景にあるのは「標準のオペレーションがしっかりしているからこそ、イレギュラーな対応について考える余裕が現場に生まれる」(P.215)という明快な整理だ。
こうした一見クールとも思えるアプローチの背後に、サービス業を魅力ある産業・職場にしたい、また、効率経営の論理と顧客満足とは両立するし、させねばならない、という著者の信念を読み取ることは容易だろう。サービスの提供者として、受益者として、また、サービス業を顧客とする実務家として、多くの示唆を得られる一冊。 -
サービスマネジメントを体系的に事例を交え、整理された本である。サービスマネジメントを学ぶ入門書として、利用すると、非常に学びが大きいと考える本である。
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「サービス・マネジメント」の山口講師の著書。自身がサービス業に勤めていることもあり、気になっていた1冊。すべてのサービス業関係者にお勧めの1冊。
こちらもおすすめ「おもてなしで飯が食えるか?」
http://globis.jp/column_series/column-8/
また、余談だがクラステキスト「サービス業における失敗のサイクルの打開」より
【サービス組織の複製】
基本は「採用」と「育成」(と「環境」)
1.採用
経験や保有スキル以上に、顧客嗜好のマインドをもっているか、自社の理念やビジョンに強く共感できるかといった価値観の面を重視する。
「価値観にずれがない」<「価値観に強く共感できる」レベルでなければならない。そのためには、本人の価値観を浮き彫りにする質問を重ねる、正式入社前に実技試験やインターンを通じて価値観を実際に体現できる人物かをチェックするという取り組みが行われる。
2.育成
「価値観の共有」→「実践と自己観照」→「基本手順の習得」→「他社との対話」の4要素。
また、以下の4つも注視すべき。
①技の意図をくみ取る訓練
②顧客からのFB
③失敗から学ばせる(まず、やらせてみる)
3.環境
・定型的に対応できる部分を明らかにし、標準化・ITやツールへの代替を図る
・現場への採用権限の付与
・やらなくていいこと/やってはいけないことを明示した上で、裁量を与える
・従業員間での事例共有
キーワード:本書については別途要約済み。 -
サービスの構築から運営についての要点を、かなりスッキリまとめた本書。典型的な事例を交えながら展開される内容は、とてもわかりやすい。
日本では、サービス業=ものづくり以外の産業、とされているが、整理付けをしっかりすればもっとはっきりした定義付け・モデル化ができ、数字以外の要素を含めてちゃんと経営できることが、よくわかる。 -
「サービスを制するものはビジネスを制する」読了 ★4つ
http://www.amazon.co.jp/dp/4492533346/
今まで自分に関係ないと思い、グロービス時代もクラスを取らなかったわけですが、「すべてのビジネスにはサービスが内包されている」との言葉を読んで手にとりました。
一般的な卸業の価値が減っていく傾向にあるなか、この辺の切り口がうちに必要かもしれない。